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幽霊さん  作者: 弁財天睦月
新生活

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10/51

2-6

飲み屋は十津川寺務長と京都先輩が歩きながら決定。

女の人でも入りやすそうな飲み屋だ。

メニューも多くて小綺麗な店。

この4人が入店することで満席になった。

まずは飲みもの。

ビールにレモンサワーにと各自バラバラだ。

料理も餃子にお刺身にとそれぞれが思いつくままにテーブルいっぱいまで注文。


今回は遊海の歓迎会というテーマでの飲み会なんだけど、遊海としては絶好の機会なので訊いてみたいことがあった。


「それは聞いたことがないわね。

どう?」って京都先輩と三咲さんに話を振っている。


「えっ、知らないよ。

聞いたこともない」と京都先輩。


「お寺だからってそんなことはないですよ。

出そうな雰囲気はあるんですけどね」と三咲さんは幽霊の存在を否定する。

となると実際に会って話したのは自分だけ?

いやまだ住職たちもいる。

住職とかなら幽霊も見えるかもしれない。


「なんかやけにお墓や幽霊にこだわるな。

いったいど〜ゆ〜こっちゃ?」


またまたお口が悪い年下の京都先輩。

そしてさほど気にしてない遊海。

意外に相性は良いのかもしれない。


この4人の中で最も高円寺周辺に詳しいのは三咲さん。

年齢は23歳で一番若いが実家は同じ杉並区荻窪なのでこのあたりもそれなりによく知ってるみたいた。

事務員の中で最も詳しいのは高円寺在住の大和八九十のおじちゃん。

この席で初めておじちゃんの本業(?)を知ることになった。

売れてないお笑い芸人だった。

もちろん、収入の大半はお寺で働いた給料ということになる。

この高円寺にはそういった人が多く住んでるようだ。

役者や音楽、芸術関係などの人が集まっている。

その大きな理由としては生活費が全体的に安く暮らすことができる地域であると言われているから。

女子美術大学もあるのでアート系の人たちも住みつくようになっていったこともあるのかもしれない。


十津川寺務長も総完寺で幽霊に関することは耳にしたことがないと言ってる。

そうなると幽霊と直接会ったことがあるのは自分だけになるのかと遊海はどうしてなんだろと考え込むことになった。

自分にしか見ることや話すことができない?

特殊能力を持ってると解釈していいんだろうか?


飲みすぎた。

ど〜も自分の許容量がわかってないようだ。

飲むとほとんどがへべれけの1歩手前までいってしまう。

女子3人はケロッとしている。

酔った遊海をつ〜んと指先で突いて面白がっているのは年下の京都先輩だ。

残念なのか幸運なのか遊海はこの店を出たところでリタイア。

後日、聞いた話では女子3人は駅近の店に入り直してかる〜くもう1杯で帰ったそうだ。


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