第11章
一巻11章
「ふわぁぁ……!」
目の前に並ぶ数々の食べ物に私は目を輝かせる。
カレーなのは知ってたけど、まさかカレーにこんなトッピングの種類があるなんて!選びたい放題なんて!
テーブルに並ぶお皿が眩しい。
「マリンの家はホテルなんだから、いつもビュッフェ食べてるでしょ?今朝も食べたし、いつも通りじゃない。」
「そんなこと全っ然ない!
だって、家のビュッフェとは品揃えが違うでしょ?うちのホテルはカレーの種類が豊富じゃないし……」
私は小声でみなみの言葉を全力否定する。あ、小声なのはビュッフェの前だからね。唾とか入ったら大変だし、大事なルールだから、覚えといてね!
「そ、そうなんだねぇ……」
あれ?いつもうちのビュッフェを食べてるはずのシェルも納得してない?
「マリン、その感覚を私が理解するのは難しいかもしれないから。私を納得させるのは諦めてね。」
え?そうなの?悔しいから納得させたい……でもそんな暇はないのを思い出して、私は真剣な表情になる。
何の為かというと、もちろんカレーの種類&トッピング!
シーフードカレーはうちのホテルの目玉だからなしとして、となるとカレーの種類で余るのはキーマカレーとトマトカレー。う〜ん、悩みどころだ。今はゆで卵と食べたい気分だし……キーマカレーにしようかな!
キーマカレーと言えば、あとはチーズとピクルスを乗せれば完成!そう思ってトッピングを見ると、クルトンやズッキーニが期待の眼差しで私をとらえる。
ゔ〜、どうしよう……?どっちも試してみたことないし気になるなぁ。けど今朝の失敗も考えると片方にした方がいい気がする。残しちゃいけないもんね。
よし、決めた!クルトンにする!
やっとの思いで決めて、3人で空いてるテーブルに座る。四人がけテーブルだけど、たくさんテーブルがあるから、いいかな?
「ねぇ、私も一緒に座っていいかな?」
ん?誰だろう?
「あ!るーちゃん!
二人とも、るーちゃんはわたしの友達なの!
一緒にでもいいかなぁ?」
「私は歓迎よ」
「わ、わたしもいいよ!」
るーちゃんってことは恋のおまじないをやろうとしてる子だよね。シェルよりおとなしい雰囲気で、ふわふわしてて可愛い子だなぁ。おまじないなんてしなくても、告白したら叶いそう……でも勇気がいるものだし、同じおまじない仲間として応援してるよ!
それにしてもこのキーマカレー美味しい〜!カレーは毎回たくさん食べれちゃう。これならズッキーニ、よそっても良かったかもしれない。
「マリン、これいる?」
みなみの声に顔を上げると、そこには待望のズッキーニくんが!
「欲しいです!」
もちろん即答すると、私のお皿にズッキーニくんが君臨する。みなみ、優しすぎるよ〜!まるで心を読んだかのようなタイミングだ。
「ありがとう〜!ちょうど食べたかったんだ〜」
「そうだと思った。」
パクッと口に入れると、トロトロのズッキーニとキーマカレーが絡んで至高の味だ。幸せ〜!
そういえば、みなみは私が食べたいの、知ってたんだよね?なんでだろう?
「ほぉころでふぃにゃみ、」
「食べ終わってから!」
むー、言い終わる前に中断されてしまった。せめて言い切らせてよ!そんな意地悪なら、気になるであろう私のセリフの続きをめいいっぱい焦らしてやるー!
ゆっくり噛んで、味わって、やっとのことで飲み込んで、続きを口にする。
「みなみ、なんで私が食べたいってわかったの?」
「あんなに見つめてたら気づくでしょ!」
そんなに見つめてた?
いつの間にかカレーを食べ終わってしまい、やることがなくなった私は周りの会話に耳を澄ませる。
シェル達は恋の話をしてるのかな?知らない人の名前が出てきてよくわからない。
「もう、だからおまじないなんて信じなくていいんだって〜!結局は運と実力なんだってば」
少し大きめな声に目を向けると、お姉さん達二人組がトレーを片付けながら話してる。問題はその内容だ。
おまじないを信じられない人も居ていいと思うけど、大きな声で、否定的なことを言われると悲しくなるよ……
私はおまじないを信じてる。今夜、マリエのプレゼントの場所を思い出すために使おうとしてる。でも、もし思い出せなくても、マリエと仲が悪くなるほど重大な問題じゃない。本気だけどね!
一方、るーちゃんは……少しシュンとして、静かになっちゃった。
シェルとみなみが口々に励ます。
「もぉー、この島にはおまじないも多いし、合宿でやろうとしてる人もたくさん居るんだよ?あんな大声で言う必要ないじゃん!るーちゃんはああいうの、気にしないでね!」
「るーちゃんはおまじないをやる予定なの?
大丈夫、私だってやったことあるし。」
「そうだよ、学年の学級委員長が言うんだし、間違いない!」
わ、私も何か言ったほうがいいかな?きっと、その方がいいよね。
「わたしもおまじない、信じてるよ!
本当に効果あったこともあるし!」
当然結果はまだでてないんだけどね。家に帰ったら思い出すかもしれないし!
おかしなこと言ってないよね?大丈夫だよね?
「みんなありがとう!
私、信じてやってみるよ。」
よ、よかった〜!
あとがきーこれからも応援よろしくお願いします!




