第4話
その場を離れた江戸は、駅に向かっていた。
(くそ、なんで二人とも電話にでないんだよ)
両親に電話しても、連絡がつながらない。
最悪な未来を想像してしまう。
(マジで、直接行くしかないな)
江戸の両親は、日本海にある島に住んでいた。
ここから島に帰るには、新幹線と船を乗り継いでも半日以上はかかる。
走ること15分、最寄りの調布駅につくと、そこは人でごった返していた。
「そんな気はしたけどな」
電車は全く動いていない。
「海があんなことになってて、電車が動くわけないか」
人ごみの中、一つの大きな囲みを見つける。
その中心では、ひとりの青年が、白い固形物を手から出していた。
(そうか、この世界はもう今までの当たり前じゃないんだ。能力の正体はわかんねえが、どうせ、悪魔の実みたいなもんだろ。この違和感がそのせいなら、俺の能力は”空気”だ)
江戸はひとけが無いところまで移動した。
「よし!空気生成!」
江戸の意思に応じて、能力が発動する。
「すげーな。改めて確認すると、感覚もいつもと違うな。よく見えるし、よく聞こえる」
自分の体は、人間ばなれしていることに気づく。
(終読者の影響なのか)
「まあ、いい。あと一つ確認することがある。それは、既存の空気を操作することができるのか。正直、できたら、めちゃくちゃ強い、が、実はできそうな感じはある。周りにある空気とのつながりみたいなもんを強くすればするほど、空気が固くなってく。これを使えば」
恐る恐る足を空中に踏みしめると、浮くことができた。
「よし、できた。これ使って、家まで行こう」
空気中を階段のように、駆け上がり、10階ビルほどまで行った。
地上の人から見つかり、大騒ぎになっている。
「あんまり見つかりたくないんだよな。静かにしてろ」
小声で文句を言った瞬間立っていた空気が消え、江戸は真っ逆さまに落ちた。
「わああああああ!」
なんとか足場を作り、空中で止まる。
「あぶなあ。集中してないと、死ぬなこれは」
態勢を整える。
「よし、周りの空気の干渉力を水ぐらいにした体を水平に、そんで、足から空気を作って、放出!」
江戸に人間ロケットのように飛んだ。
「はっや!待ってろよ、すぐに行ってやる」




