第3話
騒動が落ち着いたからか、遠くから見ていた人達が近づいてきた。
「大丈夫かい?君たち」
(達観決め込んでたくせに、よく言うぜ)
「大丈夫だよ。この子を頼む」
ミユは知り合いと思われる大人に保護された。
保護されるミユを見て、ひとりが騒ぎ出す。
「君たちは一体なんなんだ!!さっきその鉄を動かしてたよな!!君もそれを受け止めていたし。君たちが世界を終わらせる終読者ってやつじゃないのか!!」
周りがざわめき始める。
(この文は全員が見えているんだ)
「ちげーよ。俺だってなにがどーなってるか分からねーんだ。」
「じゃあ!!君たちは一体どこまで読めてるんだよ!!」
(この横の数字のことか?)
「は?読めてるたって、そんなん十…」
「八!」
ミユの高い声が俺の声を遮る。
(ん?)
「そうか、君はそんなに読めるんだね」
(え?)
「じゃあ、男の方はどこまで読めるんだよ!!」
(は?読める?これ全員最後まで読めるんじゃないの?まさか、終読者って十二位階新書の十二行、つまり、最後まで読めるやつってことなのか!?!?!?)
「おい!答えろよ!」
(は!ここはとりあえず)
「十…一です!十一!!」
「おー、そこまで読めるのか!どんなことが書いてあるんだ?」
「そ、それよりも、今世界がどうなってるかが重要です。これが、全国で起こっているなら、ここで、集まっている場合じゃない!」
(今は、自分が終読者かもしれないことを心配してる場合じゃない。父さん母さんは大丈夫なのかよ)
「なんだよ!これ!」
一人の少年がスマホを見て、腰を抜かす。
「見せてくれ」
そこには、雨の中、家程に肥大化した魚が町を襲う映像が流れていた。
「おいおい、AIでした、じゃすまさねーぞ」
その場にいるもの全員が、不安に駆られ始める。
「終わりだ、世界の終末がきたんだ」
「どうなっちゃうのお母さん」
「梅子、梅子は大丈夫なのか??」
不安が伝播する。
(落ち着け、母さんたちならきっとまだ大丈夫だ。さっきの件もある。とりあえずここを離れよう)
「親が心配なんで行きます。そいつをお願いします」
「任せてちょうだい」
「お兄さん、怖いよ」
ミユの不安そうな声が江戸を呼び止める。
「大丈夫、心配すんな」
ミユの頭をなでる江戸の手は、罪悪感からなのか、少し震えていた。




