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【コミカライズ進行中】魔王城の絶品社食、作っているのは生贄です!  作者: 秋色mai @コミカライズ企画進行中
一章

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54/89

54. 聖女様は苦戦している《裏》



「なんか、敵が強すぎる……」


 魔王城の砦、最後の四天王ギガンテスを倒して、中に入れた私たちでしたが、一階でこんなに苦戦するなんて思ってもみませんでした。

 右にはミミックキング、左にはデュラハン、前には2階への階段を守るゴーレム。

 やっぱり、レベルが足りていないんじゃ……。


         *


『貴方たちにお話ししたいことがあります』


 天空の頂にて四天王グリフォンを倒した時、彼はダメージを受けた様子もなく、他の四天王のように逃げることもしませんでした。

 剣を握り直す殿下を見て、グリフォンは両手を上げます。


『私の話を聞いてください。私は貴方達の味方、魔族に滅ぼされた獣人村の生き残りです。魔王を倒そうとグリフォンに扮し、潜り込んでいました』


 衝撃の事実に驚くと同時に、何かがカチッと切り替わったような気がしました。

 漠然とした不安が胸を襲い、自分が正しいのかわからなくなります。


『……獣人村なんてあったのか?』

『はい、とても小さなものでしたから、誰にも知られていませんでしたが』


 殿下や先輩、ジャックが話を聞こうとしているのがすごく危ない気がしました。

 何より、グリフォンの目に光が宿っていないのが引っかかって……。


『殿下、信じちゃダメです。私たち、さっきまで殺されかけてたんですよ!』


 みんなは驚いた顔で私を見ました。

 あれ、私、今まで人を疑ったことなんてなかったような……。


『……その節はお詫び申し上げます。私に負けるようであれば魔王になんて勝てませんから。私は貴方たちに助けてもらいたいのです』


 目を伏せ傷ついた様子で語るグリフォンに、自分が悪い人になったようで、何も言えません。

 そう、ですよね。グリフォンは魔族の被害者で、守るべきで、私は何を疑っているのでしょうか。


『急がないと悪き魔王によって聖魔法が封じられ、世界が乗っ取られてしまいます』


 グリフォンは、魔王はバジリスクを捨て駒として使い、聖魔法を研究していたと言うのです。

 私はグリフォンの言うことを聞き、聖魔法のレベル上げを第一優先にしました。他にも古の戦場エリアのギミックやモンスターたち、魔王城の敵の弱点などを聞き、最速で向かうことになりました。


         *


「くっ、攻撃が入らない!」

「魔法も駄目だ。なんでこんなレベル以上に強いんだよっ」

「俺が抑えるよ! スピカ、今だ!」


聖なる光(セイント・ライト)!」


 どうにか聖魔法で気絶させます。消費が激しくて、このままでは魔王戦の前に魔力切れになってしまうかも。


「また敵が湧いてくる前に早く二階へ行こう」

「えっ、ああ、はい!」


 殿下が差し伸べてくれた手を取るのに、躊躇ってしまいました。


「どうかしたのか?」


 心配そうな顔のみんなに、打ち明けるべきか迷います。


「いいよ、言ってよ!」


 ハッキリと言うジャックに背中を押されます。

 ……大丈夫、ですよね。今まで一緒に冒険してきた仲間なんだから。


「その、ずっと、不安を感じているんです。何かが変わってしまったような気がして」


 自信や正義が揺らいでいる聖女なんて。

 ……みんなの顔が見れません。

 

「それは魔王を倒してから考えればいいんじゃね?」


 けど、先輩が肩に手を置いてウィンクをしながらそう言います。


「俺はどんなスピカにでもついていくよ!」


 ジャックが笑顔でそう言ってくれて。


「……スピカ、この世界を守ろう」


 決意のこもった殿下の言葉に、今まで出会った人たちの祈りを思い出しました。


「はいっ!」


 手を取って、二階へと登ります。

 不安なんて気にしなくていい。やれるか、じゃなくてやらなきゃ。この世界の人々のために!

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