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【コミカライズ進行中】魔王城の絶品社食、作っているのは生贄です!  作者: 秋色mai @コミカライズ企画進行中
一章

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42/89

42. 即・オチ・2コマ☆



「やっと、大事なことに気づいたようね」


 ギガンテスと和解して数日が経って、いつも通りのお昼営業終わり。洗い物をしている私の頬をジュリエットが揶揄うようにつつく。正直うざい、けどおかげで気づけたのも事実。


「ええ。私、魔……」

「真剣に悩みすぎちゃいけないのよ。眉間の皴は美容の大敵だって、この件でよくわかったでしょ? でもまだまだね、隈が残ってるわ♡」


 え、ジュリエットの言ってた間違ってることって、単なる美意識だったの。なんか、損した気分。


「魔王様と二人にダンジョンに行くことになったんでしょお。乙女として、ちゃんと万全の状態で行くのよ」


 男だけど女のピクシーに乙女とか言われるって……。というか。


「乙女と仕事に何の関係があるのよ」


 あの後話を聞くと、どうやら魔王もダンジョンに用事があるらしく、危険なのと一応生贄だからお目付け役が必要ということもあって、一緒に行くことになった。ただそれだけなのに、なんでジュリエットはニヤニヤしてるわけ?


「アタシはタイプじゃないけど、魔王様って美形じゃない。玉の輿だし、人気があるのよォ。ファンクラブのやつらがこのこと聞いたら、大変だわ~」

「はー。それが?」

「イケメンとデートするのに芋でいるんじゃないわよってハ・ナ・シ!」


 デート。デーツの間違いか何か? 芋はおいしいけども?


「ってアナタどうしたのよ」

「ねぇジュリエット、デートって、何?」


 首からギギギって変な音がした。

 前世では恋人どころか友達すらおらず、今世は王太子の婚約者でありながらも形式だけ。色恋なんぞフィクションか、自分には縁のないものだと思ってた。孤独死ってどうすれば避けれらるんだろうとか思ってた。


「アナタにはまだ早かったわね……。忘れなさい」


 呆然としていると、同情するかのように小さすぎる手で肩を叩かれる。なんか、悲しい。いや、それに誰と行くかよりも重要なことが……。


「エリザベス様ーー!! なんかおやつありませんかーー!?」


 バンッとドアが開いて、ジョンがスキップしながら入ってきた。

 タイミングがいいんだか悪いんだか。


「あんたまた休憩室のお菓子もらいに来たの? 仕事しなさいよ」

「えっへへー!! オイラ今日は全休なんだー!!」


 単に休み自慢しに来ただけだった。

 ちょうどお皿を拭き終わったのもあって、早めに休憩を取らせてもらうことにした。休憩室の真ん中に置いてあるハナさんお手製のクッキーが入った缶を開ける。ご自由にどうぞ、とはいえジョンが食べ過ぎないか見張らないと。


「──というわけで、エリザベスったら魔王様とダンジョンに行くんですって」

「っエリザベス様が……? ダンジョンの魔物たちかわいそう」

「どーゆー意味よ、それ」


 八枚目のクッキーに手を伸ばそうとしているジョンの手をはたき落とす。そろそろ休憩時間も終わりそうなところで、休憩室のドアが開いた。


「あっ、お疲れさ……」

「ダンジョンに行くぞ」


 入れ替わりで休憩に入るマチルダさん達かと思ったら、なぜか魔王。いつも食堂の方だったからなんか新鮮……じゃなくて。


「きゅ、急すぎない?」


 確かにいつ行くかは聞かされていなかったけれど、まさか今からだなんて。噂をすれば影のレベルじゃない。

 ジョンは状況がつかめずにアホな顔をしてるし、ジュリエットは目を丸くしている。かくいう私もポカン。


「俺の用事の関係で今からになった」


 有無を言わさずワープさせられ、謁見室の玉座の前へ。

 転生者の私でも少し緊張する。だって、霧のダンジョンはエンドコンテンツ。つまりクリア後のやり込み要素。私はクリアしたところで死んだから、入るどころかマップ上で見たことすらない。


「時間が惜しい。行くぞ」

「え、ええ」


 禍々しい魔法陣が現れて、暗転。

 目を開ければそこには霧に包まれた巨大な塔があった。とにかく静かで、周りに何もない不気味さ。魔王城とはまた違った怖さだわ。


「くれぐれも離れるなよ」

「そんな命知らずなことしないわよ」


 魔王にはそう言いつつも、内心恐る恐る足を踏み入れた……のだけど。



「っねえ、あの顔のついた巨大きのこは何? 食べられるの?」

「待てあれは毒だ。胞子をまき散らすからやめ……あああああ」

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