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【コミカライズ進行中】魔王城の絶品社食、作っているのは生贄です!  作者: 秋色mai @コミカライズ企画進行中
一章

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18/89

18. ジョンには髪がない



「そもそも知られてすらいないんじゃ……?」


 どんなにおいしいお店でも、知らなかったら行けない。世の中に広告があふれている理由だ。でも、まさか社食が知られてないなんて思わないじゃない。


「ここって最近できたとかなんですか?」

「いいや、先代魔王の頃からある歴史ある食堂さ」


 マチルダさんが言うのなら間違いない。というか、じゃなきゃこんな年季の入った建物じゃないだろうし、昔は活気があったって魔王があの日に言っていた。


「ジョン、あんたも昔から使ってるって感じなの?」

「いんや、オイラそもそも新入りだし……。ここはゴーレムに教えてもらったんです」


 じゃあ、ジョンも人伝てに知ったってことになるのか。ますます、謎が深まってきた。


「原因は、多分これだ」


 いつの間にか近くに来ていたクロエさんが、マチルダさんに城内マップを手渡す。そしてスタスタと持ち場に戻ってしまった。相変わらずクール。

 どれどれ、と広げられたそれを見て、今更気づいた。

 ……食堂は寮から近く、そして魔王城の外れにある。


「なんでこんなところに……」

「搬入口が必要だからだね。だからといって、正面口に作るわけにもいかないだろう」


 それもそうだ。でも、これじゃあ食べに来るだけで昼休みが終わってしまう。人気がなくなった食堂は、そうして忘れ去られて行ってしまったのか。

 いや、というか……。


「ジョン、あんたよく毎日食べに来てるわね」


 驚くべきことに、ジョンの働いている古の戦場エリアは食堂から一番遠くにあった。普通だったら食べに来ない。なのに毎回二番手くらいに早く来る。なんなんだこいつ。


「えー、だってオイラ毎日楽しみがないと働いてられないもん」


 ケロリとそう言うジョン。恐るべし食への執着。なんて能天気。


「でも仲間はつまんないですよ。飯の時間だって言ってんのに、みーんなアンデットなんだからそんなに必要ないだろって。それより持ち場を守れって」

「そんなに激戦区なの?」

「忙しくはあるけど、大抵のやつらは影の中から襲い掛かった瞬間にやられていくし……。たとえ逃したところでギガンテス様で一発KO ですよぉ~」


 ああ、そういえばゲームでもそうだったな。初見殺しの古の戦場エリア、そこを何とか抜けたと思ったら最後の四天王戦、ギガンテス。範囲攻撃の耐久戦で大変だった。


「エリザベス様?」

「えっ? ううん、なんでもない。状況はわかったわ」


 魔王の言ってた通り、飯は二の次なのね。

 さてどうするべきか。食堂を周知させる……ポスターとか? でも見たところで遠くて高いところに行こうとは思わないわよね。何か、得にならないと。

 ん? 得? ……そうだ。


「何か思いついたのかい?」

「はい!」


 ふっふっふ。これは、いけるかもしれない。


「ジョン、あんた今日の仕事終わったらここにきて」

「味見係!?」

「そんなおいしい役目あげるわけないでしょ、罰なんだから。あんたには永遠に紙を切ってもらうわ」


 ジョンでもできるような簡単なお仕事よと言えば、ジョンは震えあがり、頭蓋骨を外して大事に撫で始めた。

 え、何?


「……お、オイラ髪なんてないのに!?」

「っそっちの髪じゃないわよ」


 ペーパーの方だっての。

 前世では、新聞に挟まれたチラシについてたり。チャットアプリで通知がきたり。あったらなんとなく使いたくなる。そんな、使うとお得なものがあった。


「さて!」


 打開方法を思いついたところで、仕事をしなきゃ。まずは目の前のお客さんから。とはいえ、今日は晴れやかな気分で芋が洗えそう!

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