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第2話「今までの人生でやらなかったこと」

 ――コンコン、コン


「わぁあああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!」


 ノックの音に、私は大慌てで拳銃を隠した。


「失礼いたします、お嬢様――って」


 お側付きメイドのセレネが、首をかしげる。

 私が中腰で棚にかじりついていたからだろう。


「どうかなさいましたか、お嬢様?」

「な、なんでもないわ!」


 はーっ、危なかった。

 額に拳銃突きつけてるところなんて見られたら、どんなに面倒なことになっていたか。


「……? そうですか。さぁ、今日は大事な大事なデビュタントの日! 気合を入れてお化粧いたしますからね!」


 セレネに続き、私を極上の悪役令嬢に作り上げるべく、エステ用具に化粧品にドレスに宝飾にと、様々なものを抱えたメイドたちが部屋に入ってくる。


 ……これは、自殺する機を逸したな。


 いや、まぁ逆に踏ん切りがついた。

 ということで、私――ごほんっ、わたくしの、109週目の戦いが始まりますわよ!!





   ◇   ◆   ◇   ◆





「今この瞬間、()はお前との婚約を破棄する!!」


 はーいはいはいはい。


「一生のお願いですから、裸踊りをしてくださいまし」





   ◇   ◆   ◇   ◆





「お前、ポスボラス海峡の岬から身投げしてみるか、ん?」


「お父様、実は――」


「なんと! 知っていたのか、我が娘よ!」


 108週目と同じ流れで辺境伯代行の地位をゲットですわ~。

 ちなみに、偽造証拠の数々は自分で作りましたわ。

 これで『一生のお願い』を1個節約ですわね。


 さて。

 この109週目(正確には109週目ではありませんが、『一生のお願い』の回数を増やすためだけに死んだ人生は私の中ではノーカンです)では、『一生のお願い』を極力節約しつつ、今までの人生ではやらなかったことを積極的にやっていきたいと思っておりますわ。

 前回は、最適解だと思ってやってきた数々の策も、結局はアフロディーテに全て潰されてしまいましたから。


「それで、お父様。もうひとつお願いがあるのですけれど」


 というわけで、今までの人生でやらなかったこと、その1。


「次のトゥルクとの戦争を、観戦させていただきたいのですわ」

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