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その怪奇案件、私どもが頂戴いたします  作者: Kana
第一章 O中学校
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最初の依頼

「お取り込み中失礼します」

「お…真壁、いたのか。これは丁度いい」

「あ…真壁くーん! 良いタイミングで来たねー!」

「はい?」 

真壁は何が何だか分からない様子で困惑しているようだ。

「真壁、お前びっくりして、腰を抜かすかもな」

「そうですね!」

「どうしたって言うんですか?」

私がそうされたように私も彼を焦らしたくなってしまった。なんて口が裂けても言えない。

「初の依頼が来たんだ」

いつまでもこうしてはいられないので要件を単刀直入に真壁に話した。 

「本当ですか!」

「本当だ」 

「その反応が見たかったんだよねー!」

「やりましたね! 障子先生!」

「おう! 二人には本当に感謝してるよ」

「いえいえー。私達は障子さんの指示に従ってただけですよー」

三人で喜びに更けた。本当に嬉しかった。三人ともそんな気持ちだったに違いない。

「ところで、その依頼ってどんな内容なんですか?」

真壁が話を本筋へと戻した。

「どうやら、○県○市のO中学校の職員さんからみたい」

「待ってください。その学校ってあれじゃないですか?」

真壁が反応した。何かこの学校に心当たりがあるのだろうか。

「あれ…と言いますと?」

「つい最近、ニュースで知ったんですよ。その学校で…」

二人は真壁の言葉に慎重に耳を傾ける。何か重要なことが話される気がして。


 「プールの底から白骨化した変死体が見つかった…って」 


……………………………。

あまりの衝撃的事実に呆気に取られたのか部屋は静まり返り、時計の秒針の時を刻む音だけが響き渡った。

「ニュースでも大々と取り上げられてましたけど、知らなかったんですか?」

真壁が沈黙を破る。それを皮切りに部屋の中の騒がしさが蘇がえった。

「あたしさ、テレビより携帯を見ている時間の方が長いから、最近のニュースには疎いんだよねー」

「私もそのことは知らなかったな…」

にしても恐ろしい話だ。プールの底に死体? 聞いたことがない。しかも、白骨化した。パワーワードが多すぎる。

「もう一度聞くが、プールの底…なんだよな? 地下とかではなくて」

「はい。底です」

「つまり、みんなが使っているであろう学校のプールの水中にあったと。しかも、今は七月上旬だぞ。まだ使用中のはずだろ?」

「そのはずなんです…。だから、変死体なんですよ」

「いや、変死体にもほどがあるっしょ。何で誰も気づかなかったんですかねー。あたしには分かりませんわ」

そりゃそうだ。何でそんな事になったかなんて分かるはずがない。

「で…今日、その学校の職員から依頼があったと。あまりにも都合が良すぎるが、例の死体と関係が有りそうだな」

「大有りでしょうねー。逆になかったら、それはそれで気持ちが悪いです。初手からとんでもない話なことで…」

初めにしては事が大きすぎる。本当に解決出来るのだろうか。

「早速、明日あたりに現場を訪ねてみよう」

「はい!」


                  第二話 完

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