真相
翌朝――電波女の訳の分からない話を聞いてるうちに次の日になっていた。
今日は日曜学校は休みだ… えいむん! 気合い一戦、道場で訓練して午前中を、過ごす。 昨日希望にボコボコにされたのは思いのほか悔しかったらしい。
そうこうするうちに、午後だ、今日は夏樹にケーキをおごる約束をしている。
昨日のことについての釈明も兼ねている。
しっかりと誤解を解かないと。
家を出て待ち合わせの店へと向かう。 どこからともなくサイレンの音が聞こえてくる。やかましい。
だが、目的地に土かよれば近寄るほど、その音は大きくなっていった。
さすがに胸騒ぎがしてくる。 だって向かっている先には、夏木がいるはずでーー
「嘘だろ!?救急車二搬送される見覚えのある服装の女性、飛び散っている大量の鮮血――
飛び込んできた光景は想像を絶していた。 予想された以上にひどい有様で……
夏樹、なあ、嘘だろ。護送されている夏樹を追いすがろうとしたところで、救急隊員にはが虐めにされ、泣きわめく俺を尻目に、夏樹箱の世から居なくなった。永遠に――
「誰ともなしにつぶやく、なあ、これが昨日言ってたことなのか!? 俺に力がないからこうなったのか?」
「半分はそうだけど、半分は違うよ。 ちからがあればとめられるも物だとも限らない」
「私の話、信じる気になった?」
「ああ、信じるよ、信じる。 訓練でも何でもする。お前の彼氏になったっていい。夏樹を生き返らせてくれ。頼む何でもするから、この通りだ――!」
道ばたで、偶然の訳もなく現れた、希望に土下座する。
床を塗らす涙も、集まる野次馬も、すべてを捨てて、彼女にーー すべてを捧げた。
オカルトなんて信じちゃいない。誰にでもいいからすがりたかった。ただそれだけだって言うのにーー 彼女は笑って、承諾した。
「OK、約束するよ、パパもママもかならず助けてみせるってね! これで契約は完了だね!」
「私は未来から来たっていったよね?」
「タイムマシンでもあるのか? お願いだ乗せてくれ」
「タイムマシン? 違うよ、
未来から来るのは私の能力、その辺はまだ秘密だけどね」
「この能力一人の敵に対して、最大三回しか使えない。 三回以内に、かならず任務を達成しないと、不幸になる。
「敵? 敵って何だ? まあ、そんなことはいい時間を戻してくれ!
「まあ、習うより慣れろ、一回目の権限を行使する。 紋章、アクティブ――リセットリターン、水は上へ、草は種へ、そして時は巻き戻る!リトライ・アンド・リベンジ!
俺は、朝の道場にいた。先程とは違う点は、そばに希望がいるところだった。
慌てて、電話をかける。 三回のコール後、聞きなれた夏樹の声を聞いて涙が出る。
内容はこの際どうでもよかった。 ただ、涙が止まらない。
しばらくの余韻のあと、に希望へと向き直る。
俺はどうすればいい?
目的地はわかっているよね? これをあげるね。
さすがに木刀は心もとないよね? 竹刀を入れる袋を手渡されるが、見た目超える重さ、間違いなく真剣だった。
いったい何を相手にするというのか敵? わからないが、何があるかわからない以上武装しておくに越したことはない。
そうして、夏樹の事故現場で、張り込みを開始する。
昼も近くなったころ。 変化が訪れた。
突然、別世界いや、閉鎖空間、ともいうべきか異質な空間へと引っ張られる感覚、
そこには、蜘蛛のようなモンスターが、待ち構えていた。
巨大蜘蛛だ。
こいつが夏樹を、相手の強さはわからない。間違いなく格上ーー異形の生物だった。
俺は居ても立っても居られず怒りだけで、そいつへと襲い掛かった。
だが蜘蛛は速い、難なくこちらの一撃を、避けると、お返しとばかりに反撃を見舞ってくる。
何とか側転して避ける。 日ごろから鍛えているとはいえ、人外のモンスター相手では分が悪い。 徐々に押され始める。
焦燥感に駆られている俺には冷静な太刀筋を保てるのはわずかな時間だった。
だってコイツを倒さないと夏樹が、徐々に追い詰められている。俺に向かって雲は糸を吐き出した。
数号打ち合った末の、絶妙なタイミングでの、今までにない攻撃だった。
蜘蛛化け物なら当然の技なのだが、焦っている俺には警戒が薄れていた。
動きを絡め取られて、膝をつく。
とどめの一撃が俺へと降り注ぐ、その寸前に割って入る影があった。
希望だった。 彼女は、双刀の、トンファーのような持ち手のあるでかい刃を両手につけて、すさまじいスピードで、回転した!
――早すぎて何が起きているのか見えないが、次の瞬間魔物は切り刻まれて、霧散した。
瞬殺だった。
強い。強すぎる――! 昨日の出来事はやはり夢ではなかったらしい?
しかし、この展開だと、俺は何のためにいるのか、
いや待て、むざむざと彼女を殺されて黙ってることなどできなかった。
例え役立たずだったとしても、俺は同じ行動をしただろう。
しかし、先程の彼女の動きは人間業ではなかった。 何か、俺の識らない力とかそういう物があるとしないと納得できない。
そもそも時間を巻き戻せる能力からして、規格外である。
「お前は一体何者なんだ。 ただの女子高生じゃない……よな?」
「私は希望、パパの、同級生であり、転校生でもある。 女子高生――歴とした人間だよ?
傷つくからそんな怯えた眼で見ないで欲しいなあ。 私は化け物じゃないよ、決してね。
「俺はどうすればいい。 どうすればこの先、強くなれんだ。
この、戦いは時間を巻き戻せる能力を持つ、お前を守る戦いじゃないのか?
俺の役割はつまりは盾――お前を守るために選ばれた、先兵にすぎないんじゃないのか?
この女はどこか胡散臭い気がする。 何か別の目的があるんじゃないかと最初から疑っていた。
そう、言ってみれば俺は死んでも生き返る傭兵ポジションとして雇われたに過ぎないのではないだろうか? 言ってしまえばおとりだ。
そもそも、夏木が死ぬトリガーがこの女のせいだって可能性だってある。嫌そうであってほしかったのかもしれない。
「夏樹が死ぬ原因がお前と関わったことにあるなら、俺はお前を殺す!
おかしいだろう? 昨日まで平和だったのに、こんな――!」
「違うよ、これを怒るべくして怒る未来。 トリガーは私じゃない! パパは見てしまったんだよ、昨日ね。 見てはならない物を、目撃者は排除する。 夏樹さんが殺されたのは見せしめだよ!」
「俺が何を見たって言うんだ。 なにも覚えてない!?
そんなのおかしいじゃないか!?
ーーなのに、見せしめって何だよ! 俺も、殺されるのか?」
「貴方がするべき事は、決まっている。先程自分でも言った通り、私を守り切る事、ただそれだけよ! やり直すには私が生きている必要がある。 チェックメイトはキングにあらず、守るべきはクイーン! これはそういう戦いだよ」
「分かってる、だけど点で役に立たなかった。
どうしたらいい、どうしたら俺は敵を倒せる? 先程の戦いは防戦で精一杯だった!」
「パパは盾だから、相手のヘイトをとってくれればいいんだよ。とどめは私が刺す!」
そんなのはイヤだ、 夏樹を殺す相手に、自分で手を下せないなんてイヤだ。
ーー間違ってる。
これではいいように使われているだけだ。
俺は例え無力だろうとも、自身の手で手を下したい。そう思うのはダメなことなのか!?
「じゃあ、私と戦って勝てる? 稽古ついでに相手してあげようかな?」
「おう、差し違えてでも取りに行く、く行くぜーー!」
瞬殺されました……
やっぱりダメだ。希望強すぎる。 確かに粘り強さを生かせば防戦ぐらいにはなるのだが、それも相手が手加減している段階にすぎない。
希望が本気を出せば一瞬で俺を倒すことができるだろう。
「くっ、だめか!」
「まだまだ、鍛錬が必要だね。 それじゃあ、愛する人は守れないよ。
これから毎日特訓だね、パパ”!」
何故か上機嫌でニコニコしながら言う、希望、そんなに俺をボコったのが楽しかったのだろうか?
無力感にさいなまれながら、その日はなにごともなく過ぎていく、起こるべきだった事件も起こるはずもなく、ほっと安心しながら、眠りにつく。
この話のギミック後半まで伏せておきたいけど、さっさと発表しないと今の時代生き残れないよねとかなってもう、初手から攻めてます。
シュタゲみたいに中盤から最後にかけてわかるのが趣味なんだけど、読んでもらえないだろなあとね。
3000字程度投下しているので読む方も結構しんどいかも?
これぐらいしないと、ネトコン12期間中に終わらない気がして。維持できるかも問題あるね。




