表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/18

訪問者


その日の午前中、突然なんの知らせもなく訪ねてきたスチュワートに屋敷内は騒然とした。


突然の訪問も非常識だが何より、元旦那が元妻の家を訪ねてくるなど正気の沙汰じゃない。


屋敷内は混乱をきたし、すべての判断を元凶(リリアーナ)に委ねた。


「どうするリリアーナ。あちらはお前と話がしたいだけだと言っているが…。」


リリアーナの離縁の理由をそれとなく察しているだろう父親は、リリアーナを心配するようにそう尋ねた。


「…はぁ、どうもこうもないでしょう。あちらは私たちより爵位が上なのよ。追い返せないもの。大丈夫よ、私が話してくる。リーシャ、オズワルト公爵をお庭にご案内して。お庭でお茶でもしながら話すわ。」


リリアーナは侍女にそう指示を出す。


オズワルト公爵とは元旦那(スチュワート)のことだ。爵位はリリアーナより上なため、本来であれば屋敷にも上がらせず待たせることも失礼に当たるが、元旦那が訪ねてくるという非常事態下においてはご容赦していただきたいところだ。


そしてさらにリリアーナは”庭でお茶をする”ことで、スチュワートに言外に”お前なんかを家に上げてやるわけねーだろ”と言っているのである。


これも本当に非常識だが、これも元旦那が…以下略。


それに、二人が室内で会話(密室で逢瀬)なんかしたらリリアーナの離縁した理由を詳しく知らない者にとっては、この()()の内容が気になるところだろう。


噂はどこからどう広がるか分かったものではない。


リリアーナはそんな人たちに話のタネを提供してあげるほど暇ではないのだ。


こうして約一月ぶりに元夫婦は再開した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ