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発端
ことの発端は義母が家に遊びに来たことだ。
結婚後リリアーナは夫ともに義両親とは別の屋敷に住んでいた。
結婚後はリリアーナも何かと忙しく、義母と話す機会もなかったから、落ち着いてきたタイミングで義母を家に招いたのだ。
「リリアーナ!久しぶりね、会いたかったわ。…あら?スチュワートはどこ?」
スチュワートとはリリアーナの夫の名前だ。
「あ、旦那様は今日もお仕事に。」
「まぁ。あの子は昔から仕事ばかりしているんだもの。新婚早々だというのに…スチュワートのこと、嫌いになったりしていない?」
「はい!旦那様はいつも民と国のことを考えて一生懸命にお仕事されています。嫌いになるなんてないです!」
「そう…。よかった。あの子のことこれからもよろしくね。」
この時確かに義母は不安そうな表情をしたのだ。
この時もリリアーナはただ義母は自分たちのことを心配してくれているだけだろうと思った。