不穏
その翌日。
リリアーナは一人の女性と庭園でお茶を嗜んでいた。
「はぁ~こうしてリリアーナ様と一緒にお茶をするなんて久しぶりですわね~」
「ふふ。そうですね。またこうしてエリザベート様とお会いできてよかったです。」
エリザベートは王太子殿下の婚約者だ。
今日はたまたま妃教育のために王宮を訪れていたのだという。
「…こうしてわたくしと気軽に話してくれるのはリリアーナだけだもの。リリアーナったら、結婚してからまったくかまってくれなくて、ちょっと怒ってましたのよ?」
二人は王国内の貴族の中でもトップレベルの爵位を持つ令嬢たちなのだ。
気軽に話せるのはごく限られた人になるのは必然と言える。
「…ごめんなさい、エリザベート様。でも、これからはもっと頻繁に来られると思います。」
「そうなの?わたくしはうれしいけど、大丈夫なの?結婚したらしばらくは忙しいでしょうに」
「大丈夫です。なんたってもうわたくしは、」
「ちょっと失礼してよろしいかしら?」
ほのぼのとしたお茶会に突然険悪な声が割り込んできた。
「…はい?」
リリアーナが振り向くとそこには一人の女性が立っていた。
今日は2話投稿します。