表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/18

気に食わない

天気は快晴で庭でお茶をするには絶好の日和だが、肝心の相手が気に食わない。


しかもその元夫はまるでこの世に絶望しきったような顔をしていて、一見すると今回の離縁の被害者みたいな顔をしているのだ。


(…なんであなたのほうが被害者面なの?)


リリアーナは元夫に怒鳴りたいのを堪えて、口を引きつらせながら必死に笑顔を作った。


「あの、公爵様。私に何かお話があると聞きました。御用を窺ってもよろしいですか?」


「…。」


「…あぁ!なにか書類に不備があったとかですか?すみません、再三確認はしたのですが…。」


「…書類ではない。」


スチュワート自身が訪ねてくるくらいだからきっと離縁に関する重大な書類か何かに不備があったのだろうと思い、リリアーナは話しかけたがそれは違うという。だったらスチュワートが直接訪ねてくるとはいったい何ごとなのか。


「そうですか。では()()()()公爵様がうちに来られたのはどういうご用向きでしょう?」


なかなか話し出そうとしないスチュワートにリリアーナはいらだつ。


しかし、とうの本人はそんなリリアーナには気づかず視線をテーブルの上に移した。


「…()()()か。…そうだよな。」


「?」


「…いや、失礼する。このように非常識に訪ねてくるべきではなかった。また日を改める。」


そう言うとスチュワートはすっと音もなく流れるように立ち上がると、リリアーナに礼をしてそのまま公爵紋付きの馬車に乗って去っていった。


「いや、また来られても困るんですが…。なんだったの?」


庭に一人残されたリリアーナは一人そうぼやいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ