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その始まり
これは一体何なのだろうとリリアーナはぼんやりと思った。
手が震えているのを感じてその震えを何とか抑え込もうと両手を握り合わせたら、自分の手の冷たさに驚いた。
扉の向こうではまだ自分の夫とその母親が口論している。
話題は、自分のこと。
リリアーナは後悔した。
なぜ自分はすぐに部屋に入らなかったのか。
そうすれば…”自分が夫から愛されていなかった”ということを知らずに生きて行けたのに…。
リリアーナの意識はそこで途絶えた。
今日から切りのいいところまで毎日21時に投稿していきたいと思います。
よろしくお願いします。