プロローグ 水底の塔にて
小説投稿は初めてなので拙い部分や至らない点など多いと思いますが暖かい目で見守っていただけますと幸いです。
誤字脱字や表現・内容の間違い等があればご報告宜しくお願い致します。
とある塔の、最上階の一室。
何をするともなくベッドに腰掛けていた少女は、ふと立ち上がるとバルコニーへ向かった。
遥か下には大きな街が広がり、多様な人々が行き交っている。
市場には色とりどりの品が並び、食料や雑貨などが置かれている。広場では子供たちが楽しげに遊び、学校や会社に行く者もいる。
バルコニーと街の距離よりも遠い海面を通して、日の光が街へ差し込む。人工の灯りで照らされる街並みに、波の模様を微かに映し出していた。
もっとも、その灯りは人工であるとは呼ばないかもしれない。
この街に住んでいるのは、人の姿をとった海の生き物たちだからである。
そして、そんな街の様子を少女はしばらく眺めていたが、しばらくすると興味を失ったように視線を逸らした。表情に諦めと侮蔑の色を滲ませ、吐き捨てるように一言呟いた。
「誰も僕のことなんか知らない」
次回から本編を書いていきます。
評価や感想などをいただけると作者が空へ跳んで喜びます…!