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パラレル ライン;1

もし"あの時"、撃たれたのが"私"ではなかったら……


あり得ざる世界線で、女賞金稼ぎがカガミハラを駆ける……!


"エイプリルフール特別編"、今回含めて全4部構成でお送りする予定です。

よろしくお願いします。

chapter: 1

crimson widow, or songless little bird



ーーあの夜。ミュータント・スラム出身で、売春宿の歌姫をしていた私がメジャーデビューを目前にした夜。私はストーカーに襲われた。“彼”が守ってくれて、ストーカーは脳天を撃ち抜かれて死んだ。けど、彼も胸を撃たれて……。結局、還ってこなかった、遺体すら……




 黒光りする大型バイクが山道を駆ける。ハンドルを握るのは、赤いジャケットに身を包んだ小柄なライダーだった。黒いフルフェイスのヘルメットを被ったライダーは、所々が崩れ、石や瓦礫が散らばる幹線道路を跳ねるように走り抜けていった。




 かつて存在した文明は、脅威的な疫病の蔓延によって危機に瀕していた。人々を救うはずの遺伝子改造治療は、ミュータント化という新たな災害をもたらした。更に遺伝子変性をもたらす化学物質が軍事転用されると、山野や海に変異した動植物ーーモンスターが溢れた。


 社会は乱れ、国々は境界を閉じた。閉塞は停滞を、停滞は他者への不信と不寛容を生む。息詰まる世界に怒りの火が放たれると、燃え上がるのはあっという間だった。


 精密ハイテク兵器、遺伝子汚染兵器、化学兵器、生物兵器、核兵器……


 ありとあらゆる兵器が放たれ、ありとあらゆる国が戦火に飲まれた。“終末大戦”と呼ばれる戦争が終わった時、残っている国はなかった。大地は荒れ、海は汚れ、狂暴なモンスターが徘徊する中、生き残った人々は僅かに稼働し続ける旧文明の遺構を頼りに、少しずつ生存圏を拡げていった……




 数少ない“大都市”の一つ、オーサカ・セントラル・サイト。その外縁部を出た赤いライダーは、北東へと街道を進んでいた。時に銃を構え、害獣を撃って路銀を稼ぎ、ひたすらバイクを走らせる。


 目指すのはナゴヤ・セントラル防衛軍の研究開発拠点がある城塞都市、カガミハラ・フォート・サイト。


 ライダーが顔を上げると山道の先、森の向こうに重厚な隔壁がそびえ立っているのが見えた。




 コンクリート打ちっぱなしの窓のない壁を、寒々とした白い照明が照らしている。部屋の中央に置かれた円盤状の機材の上に、無数のパイプが繋がれた細長いシリンダーが置かれていた。


 シリンダーを取り囲むようにコンピュータとスクリーンが並べられ、白衣の研究者たちが煌々と光を発する画面を睨み付けている。


「……その節はご心配をおかけしました。“荷物”は無事に届いてますよ。何度か動作試験を済ませて、これから実地試験に入るところです」


 機械頭の男が壁にもたれ掛かって、通信端末に話しかけている。


「『“無事に”って言ってもお前、その“荷物”の出所自体がヤバいんじゃなかったか?』」


「闇取引シンジケートが絡んでるって話ですね。ハハハ……」


 機械頭の男は愉快そうに笑う。


「……ええ、その通りです」


 あっけらかんと言い放つ機械頭に、電話口から呆れたような、腹をたてたような声が返ってきた。


「『おいメカヘッド、軍警察としてはいいのか、それ?』」


「オーサカ側の、シンジケートの関係者ってのが悪徳保安官らしいんですが、既に撃たれて死んでますからね……大丈夫なんじゃないですか? それで、その保安官を撃った男も撃たれたんですけど、瀕死の状態から確保できたのが、その“荷物”ってわけで……」


 メカヘッドと呼ばれた男は、シリンダーに向けてセンサーライトを光らせた。透明の筒に、薬品に浸けられた脳髄が浮かんでいる。


「『どこをどう切り取ってもヤバい話じゃないか! 首を突っ込んだ以上言わせてもらうが、その実験には反対だ。シンジケートが絡んでるかどうかは関係なく、な!』」


 天井から吊るされたクレーンがシリンダーを掴み、持ち上げていくのを見ながら、メカヘッドは平然を装って答える。


「タチバナ先輩は、そう言うと思ってましたよ」


「『俺は、お前も反対すると思ってたんだがな』」


 “タチバナ”と呼ばれた男は低く唸るような声に不満を滲ませて言った。

 


「俺のところに話が回ってきた時にはすっかり段取りもついて、プロジェクトは動かさなきゃどうにもならなくなっていたんですよ。……それに、どうしても放っておけなくて……」


 部屋の隅に作り付けられたハンガーに、オートマトンが直立姿勢で固定されていた。空中を行くシリンダーが、機械義体の真上で静止する。研究者の一人がメカヘッドに呼びかけた。


「係長、準備整いました」


「俺のことは親しみを込めて“メカヘッド先輩”と呼べと……いや、いい、進めてくれ」


 メカヘッドは指示を飛ばすと、再び受話器に話しかけた。


「すいません、ちょっと次の用事が入って……」


「『そうか。色々考えがあるだろうし、俺からはこれ以上、とやかくは言えん。……それじゃあな』」


「……はい」


 通信回線が閉じる。メカヘッドは「はあ……」と息を吐き出した。


「“脳髄回路”、接続シークエンスに入ります」


 研究者たちは淡々と作業を進めていた。


「はいよ、了解だ」


 オートマトンの首が前方に倒れこむと、内部の機械部品があらわになった。中央部を貫通した空洞に、脳髄が入ったシリンダー……人体組織を利用した“脳髄回路”が沈みこんでいく。軟体組織で作られたシリンダーは脳髄を守りながら形を変え、胸郭の中にすっぽりと納まった。


「……接続完了、プロトタイプ電子指揮オートマトン、“サイバー雷電”、起動します」


 モニター画面に表示される数値が激しい増減を繰り返す。突如、威勢のよい電子音声が起動完了を宣言した。


「『“Striker Rai-Den”, charged up!』」


「……この音声、どうにかならんもんかね」


 オートマトンの全身に走ったラインが、金から青にグラデーションをかけてギラリと輝く。機械仕掛けの“雷電”は自ら固定具を外し、ハンガーから立ち上がった。黄色のカメラアイ・ライトがメカヘッドに向けられている。


「……お疲れ様です“メカヘッド先輩”、サイバー雷電、無事起動しました。各部、問題なく稼働しています」


「自分の動作チェック完了を報告するオートマトンなんて、普通はありえんよ」


 メカヘッドがため息をつくと、サイバー雷電は実に人間らしい動きで頭を掻いた。


「何だかすいません、勝手がわからなくて……」


「そうだろうな。……正直なところ、俺たちもわからなくてね。脳髄を機械部品の一部にするだけ、そこに意識や人格はない、と開発者は言っていたんだが」


「いやあ、あはは……」


 首をすくめるメカヘッドの言葉に、雷電は曖昧な笑い声を出した。


「どうしたもんかな、これは。ドクトル無玄……君の開発者もすっかり頭を抱えてね、『文献を当たってみる』と言ってトーキョーに戻ってしまったんだ」


「それで……あの、妙なテンションの人、いなくなってるんですか」


 オートマトンは研究室の中をキョロキョロと見回す。


「そうだな。けど“サイバー雷電”の動作チェックはこっちにいる研究者たちが担当してるから、問題ないってさ」


「なるほど。それなら安心……とも言えませんね、こんな訳のわからない体……」


 メカヘッドの話を聞いた後、雷電は両手を見ながら手を握ったり、開いたりしている。


「死んでもまだ脳みそを機械制御に使われるとはなぁ。さすがに同情するよ。……まあ、利用させてもらうがな」


「それはいいんですけどね。生前の記憶は残ってないですし」


 オートマトンは首を動かし、全身を被う鈍い銀色の装甲を見やった。


「……でも、何でこの体は“サイバー雷電”って名前で、ヒーロースーツっぽいんです?」


 メカヘッドはため息をつく。


「ドクトル無玄ってのは大の特撮マニアでな。“雷電”ってのは旧文明の特撮ヒーローなんだと。まあ、つまり、制作者の趣味だ。それにも同情するよ……」




 カガミハラ・フォート・サイト、軍警察署と官公庁が並ぶ“第1地区”に赤いライダーが足を踏み出した。背中まで伸びる赤い髪、猛禽のような灰茶色の瞳、そしてチョーカーのように襟首に生える飾り羽根……道行く人々がちらりと向ける奇異の視線に、ライダースーツの女は小さく舌打ちする。


 入管でも執拗にIDカードを調べられるわ、全身の変異について事細かな説明を要求されるわですっかりうんざりしていのだった。




ーーけど、石やゴミを投げつけられるよりはマシか。直接噛みついてこないような臆病者など、放っておけばいいんだ。




 顔を上げる。ビル街に昼下がりの陽が射し、涼やかな春風が吹いていった。視界の先には隔壁と、その更に先に若葉と薄ピンク色の花に彩られた山が見える。




ーー“彼”が運ばれた病院で聞き出した話によると、遺体は何かの研究のために、ナゴヤ・セントラル防衛軍が持っていった……らしい。そして、ナゴヤ軍の研究施設があるのは、このカガミハラ・フォート・サイト……




「必ず、取り戻してみせる……!」


 赤毛の娘は鋭い光を両目に宿し、平穏そのもののカガミハラの街を歩き始めた。




 ミュータントの娘は市街地と軍事施設を区切る隔壁をなぞるように延々と歩き、再び第1地区に戻ってきた。


「……はあ」


 どかりとベンチに腰かけ、空を見上げるとため息が漏れる。ぼんやりとした春の青空に太陽が輝いている。




ーーまだ陽は高い。時間はある、あるんだけど……




「よう嬢ちゃん、お困りのようだな?」


 太い男の声が、視界の外から呼び掛けた。


「……何? ナンパはお断りだけど?」


 娘は左手の薬指におさまった、くすんだシルバーリングを見せながら振り向く。


「それはすまなんだ、“奥さん”」


 立っていたのは、赤く硬質の肌をした、二本角の男だった。がっしりとした体格にスーツをまとい、“カタギ”とは思えぬ風貌をしているが、娘は動じなかった。




ーーあの人ほど背は高くない……けど何だか、その割に大きく見える人だな。




 自然と“彼”と比べてしまい、赤毛の娘は小さく舌打ちした。


「……はいはい、だから、男手は要らないの。それじゃ……」


「管理区域に、入りたいんだろ?」


 赤い男が問いただすと、立ち上がりかけた娘は目を見張った。


「お前……! どこから見てた?」


「奥さんが壁に沿ってチョロチョロ歩いてるのを見かけた、馴染みのお巡りさんから相談を受けてな。……カガミハラだったからよかったが、他の町だったら何されてもおかしくないんだぞ、軍事基地に忍び込もうとするミュータントなんて」


 赤毛の娘は二本角の男を睨み付ける。


「ご忠告ありがとう。あんたこそミュータントがマッポに尻尾を振って、ご苦労様なこと!」


 男は逆上することもなく、戸惑った顔で娘を見ている。


「他所から来たミュータントは、そんなもんかね……それにしたって、まるでデッカーに身内を殺されたような……いや、待て」


「何?」


 さっさと立ち去ろうとした赤毛の娘を、男は再び呼び止めた。


「何でもいいんだけど、私、急いでるんで」


「お前さん、もしかして……オーサカのタカツキ・サテライトから来たのか?」


「……だから、何だっての?」


 睨みながら言い捨てた娘を、男は真っ直ぐ見つめる。どこかしら、娘を気遣う父親のようでもあった。


「約一年前、タカツキ・サテライトで銃撃事件が起きた。死者は二人、サテライトのヨシオカ保安官と……」


「何故知っている!」


 噛み殺さんばかりの剣幕で娘が食って掛かるが、男は動じなかった。


「何を知っているっていうの……!」


 刺々しい声に、悲痛な響きが混ざる。


「もう一人の男の遺体が実験材料として、この町の軍事研究施設に運び込まれた……」


「やっぱり……!」


 赤い男はくるりときびすを返した。


「着いてきな。遺体を取り戻したいんだろう?」


 振り向かずにそう言うなり、さっさと歩き出す。


「……待って」


「ん?」


 赤毛の娘に呼び止められ、男は立ち止まって振り返った。


「何で、あなたが“あの人”のことを知っているの……?」


「……実験の話を聞いていてな、何とかやめさせたいと思っていたんだ。……行くぞ、あまり時間がない」


 二本角の男はさっさと歩き去っていく。


「ちょっと待ってよ……!」


 娘は慌てて男の背中を追いかけた。




 カガミハラ市街地は機能ごとに区分けされて管理されている。赤い男が赤毛の娘を引き連れて向かったのは、廃ビルや閉鎖された工場が並ぶ“第6地区”、再開発区域だった。娘は男を追いかけながら、シャッターが降りた通りをキョロキョロと見回した。


「本当にここなの? “管理区域”から随分離れたけど……」


「今夜から、この地区で実証試験を始めるらしい。人間の生体組織を使った試作兵器なんざ、公式な場所で動かすのはためらわれるんだろう。……おっ、あれだ」


 男が声を潜め、指さした先には廃工場の前に、真っ白い大型トラックが停まっている。助手席から機械頭の男が降りてきた。赤い男は左手首の時計を見やる。


「さすが、時間通りだな。よし、慎重にいくぞ、まずは様子を……」


 トラックの背面扉が開き、棺桶のようなコンテナが運び出されたのを見るや、赤毛の娘は駆け出した。


「おい! 待て!」




「チドリさん、わざわざありがとうございます」


 ボロボロになった廃ビルの隙間にある小さな家の戸口で、灰色の肌の老人がペコペコとしきりに頭を下げていた。


「そんな……お孫さんの代わりにお昼ご飯をお届けにあがっただけですから、気になさらないでください」


 とうとう拝みだした老人に向かい合って立っていたのは、上品な黒いドレスをまとった女性だった。両手首から袖のように長く翼が生え、胸元をふわりと飾り羽根が覆っている。ミュータントの美女は困ったような笑顔を浮かべ、ランチボックスを手に持っている。


「それはすまなんだ。……けれどもチドリさんの店がなければ、孫も町の外でもっと、ヤクザな仕事についておったでしょう。……そう思うとチドリさんには、感謝の気持ちしかありません」


 そう言って再び拝み始める老人に、チドリは「あはは……」と笑い、押し付けるようにランチボックスを手渡した。


「それじゃあ、おじいさん、私はこれで……あら?」


 いくつか区画を越えた向こう側を、がっしりした男と小柄な女が、連れだって歩いている。チドリの目は、赤毛の娘に釘付けになっていた。




ーー見間違えるはずもない、あの子は……!




「どうして、ここに……? おじいさん、私、行きますね!」


「お気をつけて」


 灰色の老人に見送られたチドリは赤毛の娘を追いかけて、第6地区に向かう通りを歩いていった。




「待ちなさい!」


 トラックから廃工場へと運ばれるコンテナの前に走り込むと、赤毛の娘は大きく両腕を拡げて立ちふさがった。コンテナの横に立つ機械頭の男が、娘を見下ろして凄む。


「お嬢さん、そこを退いてもらおうか」


 赤毛の娘は表情の見えないセンサーライトに向き合っても尚、怯まずに睨み返す。首から下げた携帯端末のカメラがギラリと光った。


「あんたたちが軍警察で、後ろ暗いことをやってるんだって、アタリはきっちりついてるんだからな! 動画をばらまかれたいか、本庁に通報されたいか、好きな方を言いなよ! まあ、どっちもやってやるけどな!」


 娘の啖呵に、男たちは固まった。


「……どうします、係長?」


 機械頭の男が、自らの頭をコツコツと叩く。


「厄介なことになったな……」


 娘の後ろから、赤い男が追いついた。


「だから言っただろうメカヘッド、『俺は反対だ』って」


「タチバナ先輩、この娘のことをお願いしてたじゃないですか……」


 二本角のタチバナは太い首をすくめた。


「おう、だからきっちり話をつけて、ご遺族の方だと分かったので同行願ったのさ。……“それ”を彼女に還すんだ」


 今にもコンテナに飛びかかろうとしている娘を警戒しながら、メカヘッドはタチバナに向き合った。


「こちらにも色々ありましてね、まだ“彼”を還すわけにはいかないんですよ。……軍直轄のカガミハラで他所の保安官が騒ぎを起こすのも問題なんじゃないですか、タチバナ先輩?」


「それもそうだ。お互い、やりにくいもんだな。……だが、この娘はどうする?」


 赤毛の娘に鋭い視線を向けられながら、メカヘッドは携帯端末を取り出した。


「こいつは参った。……それじゃあ、部下を呼ぶことにしましょう。何せ今回の件で、ちょっと出世しましたのでね」


 タチバナは「ふん!」と不満そうに鼻を鳴らした。


「上司共々、長年昇進を拒んできたお前が? どういう風の吹き回しだ!」


 今度はメカヘッドが首をすくめる。


「出世の話を断り続けているのは、イチジョー課長だけですよ。俺はまあ、色々やらかすんで、その都度出世の話が無くなる、ってだけです。ですが今回ばかりは、話が別でしてね……!」


 そう言いながら、再び携帯端末を操作し始める。赤毛の娘は必死に考えを巡らせた。




ーータチバナという男、これ以上は手が出せないらしい。このまま相手の数が増えたら、もうお仕舞いだ! どうしよう、何か、“あれ”を……“彼”を……取り戻す手だてはないか……




 どうしてそう思い至ったのか、彼女にも説明はつかなかった。しかし彼女は大きく息を吸うなり、声を響かせて歌い始めた。




 高く空に向かい、聴く者の心を掴む歌声に、男たちは戸惑いながらも聴き入った。


「何だ?」


「この曲は、チドリさんの……! 君は、一体……?」


 そして、歌を聴いていたのは人間だけではなかった。コンテナが鋭い警告音を鳴らす。


「『Scrambly Starting up!』」


「何だ! 何が起きた?」


 機械音声のアナウンスに、メカヘッドが叫ぶ。白衣の男たちも戸惑っていた。


「分かりません、急に……!」


 コンテナの内側から突き上げるような衝撃が起こり、担いでいた男たちは思わず手を離す。


 地面に落ちたコンテナは数回跳ねると、内側から蓋が突き破られ、銀色の影が飛び出した。


「『“Striker Rai-Den”, charged up!』」


 人工音声が、起動完了を高らかに宣言する。驚いて歌をやめた娘の前に、銀色のオートマトンが立っていた。

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