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Orange Topaz~初恋と宝石~Ⅰ  作者: サクラ
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第2話 親友~苺~

 亜子.結衣『遅い!』


 案の定遅刻した私に、親友の海老名亜子えびなあこ山崎結衣やまさきゆいにハモリで怒られた


 せっかくの素敵なイタリアンのお店でのディナーだったのに! 


 激しく落ちている私を見て


 亜子「のんどうしたの?! 何かあった?」


 サバサバした性格ズバッと物を言う亜子が恐ろしく優しい口調で聞いて来た。スレンダー美人で美容師。いつか自分の店を開業しようと頑張っている


 結衣「のんちゃん? 具合悪い? 大丈夫?」


 小柄で可愛くていつも穏やかな結衣が隣りに座っていたからか、背中擦りながら聞いてくれる


 小さいけれどオシャレなカフェを開業。評判のお店だ


 私は週3日だけ……保育園でパートで働いているの。私は軽く頭痛のする右側のこめかみを人差し指で抑えて


 のん「ヤマトタケルの疫病神がね……」


 亜子「あぁ、ばかヤマト! ばかタケル! 相変わらずの溺愛ぶりだぁ(笑)」



(亜子笑い事じゃないんだから!)


 大笑いしながら亜子が毒舌吐いて下さった……


 結衣「タケルさんをバカ呼ばわりしないで……」


 結衣が小さな声で呟いた。珍しくムッとしている


 結衣はタケルにぃが好きなんだよね

 子供の頃から……


 私達は小学生の時からの親友なの


 6年生の時引っ越す事になって離れたくなくて悲しくて……引っ越した後もずっと手紙のやり取りして年に数回は二人が遊びに来てくれて


 今年の7月に再び戻って来る事が決まって嬉しくて、今は時を取り返す如く休日に会う日々


(火、木、土、日休みの私に合わせて火曜に休んでくれるの。亜子は美容師だから時々だけど結衣は隔週で土曜も休んでくれる)


 のん「ごめん……」


 結衣「謝らないで……」


 タケルにぃ、結衣の気持ちに気付いているのに……申し訳ない気持ちで一杯になる


 亜子「のん? 本当に何かあった?」


 亜子が空気を変えようと思って聞いてくれたんだろうけど……私の微妙な表情に二人は驚いた様で、私も漠然と襲われた不安に押し潰されそうで怖くてでも聞いて欲しくて


 のん「きっと、二人がいつも以上に言って来たって事は、そういう事なんだよ。もう無茶したら駄目って事なんだよ……」


 亜子.結衣『そんな……』


 二人は呆然と呟くと結衣は私の背中を擦り続けてくれ、亜子は向かいの席から私の隣りに来て座ると私の左手を握ってくれた


 あぁせっかくのディナーだったのに、二人に悪い事したな。不安なのに、なんだか冷静にそんな事を考えている自分もいて……


 心が虚無感で一杯になった






よろしくお願いします

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