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8話 フラグ

 しばらく歩いた後、地図を確認する。


「……ここらへんだな。」


 場所は森で、辺りには木々が生え、風が吹いており、全体がざわつき始め、自然の不気味さを感じる。


「そういえばサドントカゲってどんな奴なんだ?わかりやすい特徴を教えてくれると助かるんだが……。」

「一言で言うなら全身トゲのトカゲだな。」

「ですね。」

「え、まじ?俺本格的に役立たずになるかも。」 

「そのマジックリングがあればなんとかなりますよ。」

「そうか?なら、良かったんだけど……。」


 魔道具が役に立ってるだけで俺が役立たずって所は変わりなくね?


 若干へこむハルタだったが、そんな余裕も消える。


「––––何か来るぞ。」


 トレイタの言葉を聞いた後、ハルタとエレナは聞き耳を立て、辺りを警戒する。


 草むらがざわざわと揺れ始め、警戒しながらハルタは剣を構える。


 二秒間の静寂の後、全身トゲだらけのトカゲが飛び出し、ハルタに牙を剥く。


「くっ、よりによって俺かよ!」


 咄嗟の判断で剣を前に構え、サドントカゲの攻撃を防ぐ。


「あ、あっぶねー!!ちょ、誰か助けて!」


 情けないとわかっているが、それより自分の身を案じて助けを求める。


「待ってろ……。オラッ!!」


 トレイタはハルタを襲うサドントカゲに近づいた後、自分の拳をトカゲの背中に叩きつける。


 トレイタの拳により、鎧のように纏っていたトゲを打ち砕き、トカゲを殴る。


「えっ!?あんな尖ってた背中を叩きつけるなんて……。痛くねーのかよ?」


 突然の事に驚きを隠さず、声を高くして問う。それを聞いたトレイタは「あぁ。」と言い、拳を構える。


「俺には手を鋼に変える事が出来る魔法。ネロ・ハンドがあるからな。これがあればトゲもさっきみたいに砕く事が出来る。」

「すげー。サドントカゲにとって天敵みたいなもんじゃねーか。これならこの依頼も楽勝だな。………今のフラグぽくね?」


 まさしくフラグだった。


 ハルタが口にした五秒後、サドントカゲの群れが姿を現した。


「まじでさっきの俺をぶん殴りたい気分……。てかなんでいつも魔獣に出会う時はほとんど群れをなしてんだよ。」

「そりゃ、魔獣は群れで行動する生き物だからな。」

「そうなの?初耳だわ。それにしてもどうするよ?この状況。」


 見た限り、数は十五を超えていて、サドントカゲキラーのトレイタがいればなんとかなると思っていたが流石に数が多く、対応しきれてなかった。


「二手に別れよう。俺がなるべく多く引きつけるからハルタとエレナは余ったトカゲを頼む。」

「わかりました。」

「えっ……。大丈夫なのか?」

「大丈夫だ。信じろ。」

「––––わかった。サドントカゲキラーの実力を信じるよ。」


 ハルタとエレナはトレイタの後ろを向き走り出す。それを見たサドントカゲ達は二人を追おうとするが、トレイタがそれを防ぐ。だが、隙を狙って数匹のサドントカゲがトレイタをすり抜けハルタとエレナを追うのだった。




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