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67部

「え~と、北条総務の会見は見られますか?」

大谷は特別犯罪対策課の部屋で黙々と作業に取りかかっている人達に聞いた。ただでさえ人手不足なのに山本警部と伊達は外に出たままあまり帰ってこない。上田さんと三浦さん中心に事務作業が進められている状況だ。竹中警部も他の課との連携のために警視庁内を動き回っていて不在、課長の黒田さんに関して自室から出てこないためどのような作業が行われているのかさえわからない。上田さんが

「何か重要な発言があるかもしれないから一応つけといてくれ。」

目では見れないけど声が聞ければそれで良いという事だろう。

大谷はテレビをつけてチャンネルを合わせた。

「本日は世に言うブラック企業の撲滅を目指すための政策を発表します。日本では労働に対する対価となる給料が長年あがることがなく、企業側の労働力の搾取ともいえる低賃金労働が横行して来ました。

よって、企業は最低賃金×労働時間以下の給料を払う事を国が許さないという立場を取ることにしました。

あと、必要な社会保険への未加入も厳しく取り締まります。

前述の二つの条件を満たさない会社はブラック企業と認定し会社の解散命令を出すことができるように会社法を改正しました。

これは株式会社、合資会社、合同会社、個人事業に関わらず適用されます。

これらの条件を満たしているかを調査する機関の設立も行い、公認会計士、弁護士、検察官からなる機関により日本にあるすべての事業を対象として監視して参ります。

また、転職を考えている人に国の特別技能訓練施設を創設し、能力の測定から技能獲得の支援も行います。

特に現在無職の方にはこちらに強制的に入所していただき就職までをサポートします。

もちろん、職業選択の自由はありますので、学びたい技能と就きたい仕事に必要な技能を選んで習得していただきます。 

特別技能訓練施設に入所中は国からの支援金により生活して頂きますので生活に困ることもありません。

明日以降で国の担当者が直接無職の方の元に説明に行かせて頂きます。以上で会社法改正と就労支援に関する政策の発表を終わります。

続きまして、宗教に関する扱いの変更に関する政策発表を行います。」

北条総務はそう言って新しい書類を取り出した。

だが、そこで司会をしていた報道官が

「す、すみません。少し休憩を入れさせて頂きます。

10分後に再開いたします。」

北条総務は納得していない顔だったが、裏へと引っ込んでいった

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