59部
「国家信用棄損罪は、国家の国際的地位を貶める事、並びに政治家・国家公務員の汚職や政治不安を引き起こすような言動を厳しく追求し、日本という国と日本政府に対する信頼を守るための法律です。
原則として、日本国民でも外国人でも関係なく、行為が日本に対して悪意あるものであり、かつ、影響が強いと判断された行為を対象としております。
海外において、日本人に成りすまして迷惑行為に及ぶ国の方がおられるようですが、既にドイツやフランス等の国において、成りすました外国人を勾留しており、近日中にも日本へ強制送還されてくる運びとなっています。
この成りすましは、行為に犯罪性がなくても迷惑行為であれば捜査の対象となり懲役刑以上の処罰を課します。
悪ふざけであっても日本を貶める事は許さないと世界に向けて発信していきます。対象者の引渡しに関しては、各国と条約を既に締結しており、その国の範囲も拡大中です。
日本の刑法では遡及効処罰の禁止が規定されていますが、この法案の政治家や国家公務員の汚職問題に関しては過去5年間に発生したものに限定し、処罰していきます。
警察庁内に専門の独立捜査機関を設置し、何者の影響も受けない環境下において公正中立な立場から捜査を行って参ります。
捜査員に関しては、氏名の公表や人事は公表しませんが、現職の警察官や検察官、弁護士等を加えた構成で既に準備が完了しております。
先日、テレビの討論会において醜聞をさらされた森川氏も例外ではありません。
総理経験者ともあろう方のあのような行為は見過ごす事はできませんし、収賄疑惑により国会運営に重大な障害を引き起こした方に関しては、議員期間の5分の1を賠償金としてお支払い頂く事になっています。
当然、支払えない場合は国益労働により完済して貰います。
今までも政治家だから何かやってもどうせ処罰されないんだろうといった空気は今後は一切認めません。
国民の税金で仕事をする政治家や公務員は一般国民よりも厳しく取り締まられ、悪事に対しては一層厳しい処罰をしていきます。
それが責任のある立場に立つ人間に求められる事であり、誠実に堅実に責務をまっとうするために必要な縛りとして、我々を監視し引き締めてくれることでしょう。」
北条がいい、記者が
「北条総務、例えば政治家の失言に関してですか、どこから失言でどこからが言い間違えや失言でないと判断するかの基準は明確にあるのでしょうか?」
「明確な基準はありませんが、捜査開始の基準点としては国民の皆様からの世論により、批判が起こった時点で捜査対象となり、失言の程度は裁判所で罰金の金額が変動することにより判断されます。」
記者が
「それでは役職のある人の方が発言される頻度は多くなりますし、SNS等での発言も対象となるのか等の不平等が生じませんか?」
「ご指摘も理解できますが、役職のあると言うことは発言に関しても責任がより重いものとなります。
責任のある者が厳しい目を向けられるのは当然です。
SNSでの発言も同様に、不適切な内容に関しては厳しく取り締まります。」
「遡及効処罰の禁止を破ってまで取り締まる事に意味があるのでしょうか?」
「過去の負債をそのままに新しい事業を初めても信頼は得られずに失敗します。
我々が今、この時に立っている場所は独楽の上のようなものです。
何か衝撃を受けるとすぐに倒れてしまうグラグラの足場です。
今しっかりと足場を固めて新しい政治、新しい日本を磐石にしていくためにも期間を限定してではありますが、厳しく取り締まります。
なお、5年以前のものであっても確たる証拠が残っている場合や見過ごす事のできない重大な事案に対しては対象となります。」
「国民の納得はえられますか?」
「何もしない政府より、自分達を追い込んででも政治を正当化するために動く政府の方がどのような政策を行う上でご理解ご納得頂けると考えています。」
北条が言いきった所で司会者が
「お時間となりました。
本日の会見は以上で終了です。文書で詳細にまとめておりますので、ご不明点がありましたら、お問い合わせ下さい。」




