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51部

数分後、奥から男が現れ山本達に向かって

「当施設の管理会社及び所有者に確認を取りました。

所有者の個人名は明かしたくないと言われましたが、名字やどんな人物であるかは明かしても良いという事でした。」

「隠しておきたい理由があるという事ですか?」

山本が聞くと男は淡々と

「あなた方ならわかると仰られました。

当然ですが、私には発言の意図はわかりません。

もしも聞きたいのであれば直接探してもらうしかないのではないかと私は考えます。」

「わかりました。名字とどんな人物か教えて頂けますか?」

山本が聞くと男が

「不動産を日本にいくつも所有する資産家で、お名前を土屋さんと言うそうです。年齢はわかりませんが、かなりの資産をお持ちのようですよ。」

上田は山本を見ると、山本はかなり驚いていた。普段からだるそうな顔で面倒くさがっている事が多く、あまり表情が変わることのない山本があからさまに驚いている。

「えっ?どうしたんてすか、警部?

そんなにビックリしてるの初めて見ましたよ。」

「俺の家の大家の名前…………………覚えてるか?」

「何度かお会いした事もありますし。

確か土屋………………えっ?

あの人がここの所有者って事ですか?」

「わからないが、俺達ならわかるって言うのはそういう事だろ。」

上田が慌てて

「連絡はとれるんですか?今どこにいるとか…………」

「いや、なんか自分探しかなんかの旅に出るとか言ってた気がする。

ちょっと待てよ。」

山本は携帯を取り出して土屋に電話する。しかし、まったく出る様子はなく、留守番電話に切り替わった。

「ちっ、でないな。

確認はしときたかったが、後にするか。」

「そうですね。

現状では別に犯罪行為をしているとは言い切れませんし、そもそもが成宮って人が所有者ではないかと調べてた訳ですから、読みが外れたってだけですしね。」

「あの………………」

施設の管理をしている男がいい、山本と上田が見ると

「私は仕事に戻って良いでしょうか?

ナルさんをお探しのようでしたら我々にはわかりませんし、何よりあまり警察の方にぞろぞろと周囲をうろつかれては利用者の皆様が不安に思われるかもしれませんので、できるだけ早めにお帰り頂けたらと思います。」

周囲が囲まれていることを知っている事に不審感を感じたが、

「すみません、これで撤収します。

ご迷惑をお掛けしました。

上田、撤収の連絡を頼む。

それでは失礼します。」

山本はそう言って入り口に向かい、上田も連絡しながら山本に続いた。


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