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39部

「この法務政務官になった人って刑法に詳しいと思いますか?」

今川が鈴木法務政務官の会見を見て言った。三浦が

「何でそう思うんだ?」

「この人が言ってる3つの条件は犯罪成立を認定するものであって、構成要件じゃありません。

構成要件っていうのは、この人が言うところの第一段階の判断基準である法令に記された犯罪行為を行ったかを判断する事を言います。

本当に刑法に詳しかったら、記者会見でこんなミスはあり得ないと思います。」

「でも、官僚が作った文書を読んでるだけかもしれないだろ。」

三浦が言うと、藤堂が

「官僚が準備した物を発表するための政務官なんていないんじゃないですか?

それなら今までの国会議員と何も変わらないですし、もっと優秀な人はいたはずですよね。」

「確かにそうだよな。

調子が悪かったとか?」

「調子の良し悪しで、会見の内容が変わったら政治家以前に人としてダメですよ。」

藤堂がいい、今川が苦笑混じりに

「まぁ、そこまで言わなくてもいいだろ。

この鈴木って言う人が会見した内容自体は納得できることがたくさんありましたし、子供のいじめの問題を語る時は一層、力が入っていたように思います。

あとは、犯罪に対する強い憎しみみたいなものも見えますよね。

犯罪者を人と区別しているようにも見えますし、強い偏見のようなものを感じます。」

「正義感が強すぎて、言いたいことを早く言うために前説の部分を雑にやっただけかもしれないぞ?」

三浦が言い、そこで三浦は辺りを見回して

「あれ?伊達達は?」

「何言ってるんですか?

伊達さん達なら警部が匿われてたホームレス支援の施設の事を調べに行ったじゃないですか?」

藤堂が答えたが三浦はその話をまったく誰からも教えられていないため、

「えっ?そうなの?その話はいつ聞いたんだ?」

「僕が来たときには準備されて、出ていかれたので朝礼に遅れて来られた三浦さんは聞いてなくて当たり前ですよ。」

朝寝坊をして、遅刻した事がまさかここに来て責められるとは思っていなかった三浦は少し焦って、

「ああ、そう言えば誰かが言ってたような気がするな~。

まぁ、俺らは俺らの仕事をさっさとやろうぜ。

今川、無駄話してる暇があったら手を動かせよ。」

今川も藤堂もあきれた顔をしてから

「了解です。」と言って自分の仕事に戻った。


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