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3部

北条総理の会見の翌日の新聞の見出しはどこの新聞社も大きく一面で『新時代の大政奉還』、『北条総理、政権放棄』等の見出しが並んだ。

 警視庁特別犯罪捜査課の山本警部は新聞を片手にコーヒーを飲んでいた。

そこに部下である上田警部補がきて、

「新聞もテレビも北条総理の会見の内容ばっかりですね。」

「総理自身が日本の未来に関する会見だって言ったんだから、それを報道しないわけにはいかないだろ。」

 山本が言うと上田は山本の持っている新聞の見出しを見て、

「この新天皇になる人ってどんな人なんですかね?」

「天皇の血筋でってことは女系天皇になるってことだろ。

 一般人と結婚して皇族から離れた人の子どもの子孫ってことなら、たくさんいるんじゃないのか。」

「確か今の皇室典範って男系の天皇しか認めてないんでしたよね。

 総理の言ってた皇室典範の改正ってそういう内容なんですかね?」

「どちらにしても国民に慕われてる皇族を廃して新しい皇族を作るなんて話が国民に受け入れられるのかって問題は残るだろうな。」

「わからへんで。

 国民全員が考えているような疑問を払拭できるほどの人格者やからこその新天皇に決まったんかもしれへんやろ。」

 山本と上田の話に入って来たのは大阪府警から転属して来た竹中警部だった。

「反対されることが前提で即位が決まってるってことですか?

 それならそれで怪しいですね。」

山本が言うと、竹中は笑いながら

「どうかわからんけどな。

 それに本当に皇族の血筋なんかも怪しいやろ。

皇族やって政府が発表すれば、その裏付けの資料は自分らで作れるわけやしな。」

「政府の信頼が下がってるのにそんな資料わざわざ作ると思いますか?」

 上田が聞き、竹中が

「裏をかいてってこともあるやろ。

こんだけ信頼されてないんやから、これ以上なんかするわけないって心理を利用するとかな。」

「どちらにしても本人が出てくるまでは何とも言えないんでしょうね。」

 山本が言ったところで大谷巡査部長が来て、

「山本警部と竹中警部、直ぐに上杉刑事部長がお呼びなので刑事部長室に行ってください。」

「なんや、刑事部長室に呼び出されるなんて珍しいな。」

「一応、直属の上司は上杉さんですからね。

 総監室に呼び出されてた方が珍しかったんじゃないですか。」

 竹中と山本がのんびりと感想を言い合ってるのを見て大谷が

「いや、のんびりしてないで早く行ってください。」

 大谷にせかされるままに山本と竹中は刑事部長室に向かった。


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