先生と生徒のこんな対話をお聞きになったことがありますか
教員時代のメモをならべたものです。一つ一つはバラバラですが、共通しているカラーもあります。それは、いなかの高校生が、ほんとうに素朴、純情で、愛すべき存在だということです。そういう生徒たちの個性を抑圧するのではなく、うまく解放してやれば、授業も楽しく進められます。そういう視点から御覧いただければ、それぞれのエピソードのウラに流れているものを、読む人も楽しめるのではないかと思います。それで、この場を借りて、公開する次第です。
エピソード31
T:「………50歳になったら、自分はどうすべきか、使命がわかるようになった。60歳になると、人の言葉が
素直に聞けるようになった。………」孔子は、こういう人やったんやなあ。
S:先生、60なのに、オレたちの言うことを、すなおには、聞いてくれんねえ。
T:オレはまだ、60にはなっとらん。あと3年ある。
S:もう、60に見えるよ。
T:それでも、60にはなっとらん!
S:50は過ぎとるから、神様から与えられた使命ちゅうのは、わかっちょうやろ?
T:あったりまえよ。
S:何ね?
T:サボリは留年させること。まじめな者だけを卒業させることさ。
エピソード32
(故事成語の「漱石枕流」の勉強をする時)
T:若い時から、金がほしい、地位がほしいで、ただ、がむしゃらにガンバリ続けた男が、ああくたびれた、
もう仙人のようなシンプルライフをしよう、という気になったんやろうなあ。
S:シンプルライフっちゃ、なあに?
T:シンプルっちゃ、簡単っちゅうことやろう? だから、ムダのない生活っちゅうか、要するに、金のかから ない生活っちゅうことよ。
S:たとえば?
T:衣食住に金をかけないっちゅうことやから、ボロな着物でガマンする、たべるものは、木ノ実、草の実、
雑草でガマンする、家はホラ穴か橋の下でガマンする、っちゅうようなことやろうねえ。
S:そんなら、ホームレスと同じやないの。
T:そうさ。それが、シンプルライフっちゅうものさ。
ほんとうに人生にくたびれた人は、かえって、そんなものに、あこがれたりするんだよ。
それを、ちょっとキザに言うと「川の流れに口をすすぎ、野の石を枕にする」という表現になるんだよ。
ところが、この男は、組み合わせ方を間違えて……………。
エピソード33
(「虎の威を借る狐」の話の時)
S:ははあ、これは、ジャイアンとスネオみたいなことやね?
T:何じゃ、それは?
S:知らんの? ドラえもんに出てくるキャラクターよ。
T:そうか、ドラえもんに、そんなのが出てくるのか。
それじゃあ、藤子不二雄は、「虎の威を借る狐」の話をヒントにして、ジャイアンとスネオを作ったに違
いないなあ。
S:そこまでは、わからんやろう。
T:イヤ、間違いない。
S:藤子不二雄に聞いてみたん?
T:うん、というたら、ウソになるが、間違いないさ。あの年ごろの人は、みんな、漢文で、この程度の勉強
は、キチンとしているんだよ。だから、藤子不二雄も、知っとるに違いないさ。
エピソード34
(「意識朦朧」という言葉について勉強している時 )
S:死にかけたら意識が薄れるちゅうのは、どうしてわかるん?
T:それは、オレが、一度、死んだことがあるからさ。
S:ウソやろう!
T:ウソに決まっとる。ほんとに死んどったら、今ごろ、こんな所におるはずがない。
エピソード35
(中原中也の詩を勉強いる時)
S:中原中也っちゅうのは、けっこう、ナーバスやったんやねえ。
T:うーん、おまえ、なかなか、いい言葉を知っとるねえ。
S:ピュア ちゅうのも、あてはまるんやない?
T:そうそう、ぴったりや。ええ言葉を知っとるねえ。
それにしても、おまえの口から、そんな言葉が出てくるとは、ちょっと驚いたなあ。
S:どうして?
T:おまえの日ごろのイメージと、まったく似合わん言葉やからなあ。
S:そんなん言われたら、傷つくなあ。
T:そう怒るな。いいこと言うたから、平常点を、倍つけてやるから。
エピソード36
S:先生、髪を切ったん?
T:いや、切ってない。
S:えらい愛想のない返事やねえ。
T:油をつけただけよ。
S:油?
T:ヘヤー・リキッド!
S:ふーん、そうか。
T:英語で言うた方が、わかるんか!
S:ヘヤーリキッドを日本語に訳すと、油になるんね。
T:昔から、床屋では、「油、つけますか?」っち、言うぜ。
S:へえー、ずーっと昔のことやろうねえ。今は、そんなこと、言わんよ。
エピソード37
S:先生、今日の服は、びしっと決めて、カッコいいねえ。特に、シャツの柄がいいよ。
T:ほめてくれて、ありがとう。けれども、いくらほめても、平常点は、あがらんぞ。
まあ、そのくらいにしとってくれ。
エピソード38
T:この詩(朔太郎の「竹」)を読んで、人生観が変わったという人がおるんだぞ。今まてツッパリとか不良とか言われていた男が、この詩を読んで、マジメに働こうという気持ちになったちゅうんだぞ。左官さんをしながら、小説を書こうとしているちゅうぞ。
S:そんなことはないやろう。詩を一つ読んだくらいで、人生観が変わるはずがなかろうもん。
T:言葉に対するセンスがにぶい者は わからんのさ。言葉について鋭い神経を持っていたら、一つの詩を読んだだけで、人生観が変わることだってあるさ。
S:人生観を変えなくたって、ええやないか。変える必要が、どこにあるん?
T:他の者はいいとしても、おまえは、人生観を変えなならんやろう。
S:オレは変えんよ。
T:おまえだって、幸せになりたいやろう? 勉強はキライ、努力はキライ、そういう気持ちを変えんで、幸せになれるはずがないやないか!
S:なってみせるもん!
T:なれるはずがないやないか。好きな女の子ができたとしてもぞ、仕事はキライ、努力はキライ、そんな男と結婚する気になるはずがなかろうもん。
S:そこまで言うたら、かわいそうやん。
T:ほんとにそうなったら かわいそうさ。だから、今のうちに人生観を変えて、マジメになれっち、言いよるんじゃ。
S:変われるはずがないやん。変わらんでも、結婚ぐらい、してみせるけね。
T:そら、だまされて結婚してしまう女もおるかもしれんなあ。しかし、その女が、かわいそうやなあ。
S:また、きついことを言う。こういう男と知っていて、それでもいいという女もおるかもしれんやろう?
T:そりゃあそうじゃ。しかし、そんな女との結婚で満足できるやろうかなあ。
もっとレベルの高い幸せをめざそうという気に、ならんかなあ。
いい詩を読んで、いい小説を読んで、マジメに生きようという気持ちになったらどうじゃ?
そのためにこそ、学校に来よるんやろうが。
エピソード39
S:先生のバイクはクラッチの切れが悪いねえ。
T:ははあ、おまえやったか。近ごろ、オレのバイクに勝手にさわりよる奴がおると思うとったら。
道理で、近ごろ、エンジンのかかりが悪うなった。プラグ代くらい弁償せい!
S:また、ほいとみたいなことを言う。
S:ほいとっちゃ、なーん?
T:なんでも、人に、くれくれっちゅう、欲の深い男をバカにした言い方よ。
まあ、一種の差別語やろうなあ。おれをバカにするのはいいけれど、他の人に対して使ったらいかんぞ、
こんな言葉は。
エピソード40
T:この詩の作者は、今までの生き方を後悔しとる、ちゅうわけやなあ。
S:先生も、自分の生き方を後悔しとる?
T:この作者ほどじゃないにしても、後悔はあるわなあ。たとえば、もっと勉強しとけばよかった、とかねえ。
S:若い時はマジメやったっち、言ったやないの。
T:それでも、まだ足りんの。もっと、やっとけばよかった、と思っているよ。特に、英語とかフランス語とか、ペラペラになるくらい勉強しとけばよかったと思うね。そしたら、映画を見る時でも、字幕にたよらんで、ナマのおもしろさがわかるやろう。人生、もっとおもしろくなったんやないか、と思っているよ。
エピソード41
T:食べるものはボロ、飲むものはタダの水だけ、家もボロでいい、そういう生活でも満足できるような者が、ほんとうの人格者だ、というのが、ここに書いてある孔子の考え方やなあ。
S:そんな人格者など、なりたくもねえ。
T:そうか、やっぱり金がほしいか。金を手に入れるためには、悪いことや、あぶないことに巻き込まれるかもしれんぞ。それでもいいんか?
S:貧乏よりはいい。
T:そうやろうなあ。もっと人生のウラオモテがわかるようになったら、考え方も変わるやろうがなあ。
エピソード42
T:そうそう、甍っちゅうのは、瓦のことよ。だから、歌の文句にもあるやろうが………。
「いーらーかーの波と、くもの波………」とか。
S:先生、そんな30年前の歌謡曲みたいなの歌うても、みんな知りゃあせんよ。
T:? ……そうか、これは60年くらい前の童謡なんやけどなあ。知らんか。
エピソード43
(ギャグ漫画の一画を指差して)
S:先生、この字、なんち読むん?
T:もてあそぶ、よ。オモチャのようにあつかう、ちゅうことだぞ。なんじゃ、こりゃ。チンチンをもてあそぶ、とか。
S:ああ、それで、よう、わかった!
T:そうか、漫画を読む時でも、漢字の読み方がわからんと、ほんとうのおもしろさが、よう、わからんちゅうことやなあ。そいけ、いつも言うやろうが、勉強せい、勉強せい、勉強したら、人生、おもしろうなるっち。
エピソード44
(座長大会なんかでは、スター級の役者には、一万円札をつづり合わせたレイのようなものを、首にかけてわたすファンもいるという話が出た時)
S:先生、オレも役者になったら、何万円ももらえるやろうか?
T:さあ、おまえ程度の顔じゃあ、どうかなあ。
S:ねえ、〇〇子、オレくらいの ええ男やったら、もらえると思うやろ?
T:なんじゃ、今、授業中だぞ。そんなプライベートな感じで、ベタベタするな。
感じが悪い。おまえは一点減点じゃ。
エピソード45
T:この女の子は、紀貫之が55歳ぐらいの時の子供ちゅう計算になるわなあ。
S:やるやん。先生もそのぐらい、元気ある?
T:オレはもう、そんな元気ない。
S:しぼんだんね?
T:枯れた、枯れた。
エピソード46
T:おまえ、おとなしそうな顔をして、私語が、えらい多いなあ。もっと、マジメにしたらどうじゃ?
S:先生、顔のことで、そんなことを言うたら、本人が傷つくんじゃない? いけんよ。
T:顔が悪いと言うたんじゃないぞ。誤解するな。せっかく、いい顔をしとるんやから、それに合うような 人間になれっち、言うたんじゃ。
S:うーん、なかなか、政治家のような弁解をするねえ。
エピソード47
S:先生、久しぶりやねえ。あのヘッポコの調子は、どう?
T:ヘッポコっちゃ、何か?
S:バイクよ、あの。
T:あれは、ヘッポコじゃないよ。オレを乗せて、60キロで、ちゃんとはしれるんやから。
おまえは、オレをおんぶして、60キロでは走れんやろうが。いくらボロなバイクでも、バカにするな!
S:へえー、あれで、60出るん? Kのバイクやら、5キロぐらいしか出んよ。
T:そうか、それは、ほんとうにヘッポコやなあ。
S:見た目は、あんまり変わらんよ。
T:見た目は、どうでもいいんじゃ。問題は、中身、中身。なんでも、そうだぜ。
人を見る時でも、見た目なんか気にするな。中身を見抜くのが、一番だいじちゅことよ。
S:いやー、オレはやっぱり、見た目を気にするねぇむしろ、そっちの方が、だいじやと思うよ。
T:おまえ、ほんとに若いなあ。
S:あったりまえよ。先生、もうすぐ、定年やろ? オレはまだ、17やもん。
エピソード48
S:先生、たばこ、吸わんの?
T:吸わんよ。生まれてこのかた、一度吸ってみたことはあるけれど、味見のつもりだったのが、目がまわって、頭がくらくらしたからね。こりゃー体に悪かろうと思って、それからは、全然、吸っていないよ。
S:わあー、えらいねえ。
T:正直言って、オレは若いころ、ほんと、貧乏でねえ。たばこを買う金もなかっただけよ。
S:安いたばこもあったろうもん。
T:安いたばこを買う金も惜しかったの。そんな金があったら本を買うていたよ。
S:パチパチパチパチ。えらいえらい。
T:それほどでもないよ。時々はエロ本も買うたりしとったからね。
S:そこがまた、人間らしゅうて、いいやん。今度、持って来て見せて!
T:台風19号の時、雨が漏ってね、その時、本もごそっと動かしたから、今、どこにあるか、わからんよ。それに、昔の本は、今の本のようにキレイでもないし、読みやすくもないよ。きたなくって、読みにくいから、見せても、ガッカリするのが落ちだろう。
S:そんなら、新しいのを持って来て見せてよ。
T:この年になったら、もう、そんなことに、興味は持てんの。近ごろは、もう、そんな本、買うたこともないわい。
以下、内容的に、穏やかならざる点もあって、校友会誌には、載せなかった分ですが、
もう30年以上経って、生徒も、校風も、すっかり変わったことでしょうから、こんなこともあったよ、という程度で、残っていたメモを転記してみます。
エピソード49
T:もっと、まじめにできんのか。
S:役に立ちもせんことを、勉強する気になるもんか。
T:古文が役に立たんと思うのは、ものの考え方が せますぎるぞ。
源氏物語は、今でも、マンガやアニメになって、親しまれているやないか。それは、今の人が読んでも、面白いからじゃ。 面白いと言うても、ゲラゲラ笑うような面白さとは、ちょっと違うぞ。 人生とはどんなものか、男とはどんなものか、女とはどんなものか、そんなことを、いろいろ考えさせてくれるヒントが、一杯詰まっているということよ。
そう考えたら、源氏物語の勉強も、ちゃんと役に立つ、ということになるやないか。
S:そんなもの、世の中に出れば、自然と分かることよ。
わざわざ、昔の、むつかしい言葉で読む必要はないわい。
T:ふーん、そうか。世の中に出るんか。それには、やっぱり、この学校は卒業しといた方がいいんじゃないか?
おまえ、そんなに ちゃらんぽらんで、卒業出来ると思うとるんか?
エピソード50
(「論語」の現代語訳を板書して、ノートに書き写させている時)
S:何で、こんなことをさせるん?
T:だいじな勉強だからよ。
S:ノートに書くばっかりじゃ、意味ないと思うけどねえ。
T:自分の手で書いたものを、じっくり読み味わうというのが、一番いい勉強になるのさ。
S:こんなん読んでも、何も意味はなさそうよ。
T:味わって読めば、人格を高めるのに、プラスになるのさ。
S:そんなら、先生は、人格、高いん?
T:あったりまえよ。おまえらより、うーんと高いさ。
S:おお、おお、自分で言えば、世話ないねえ。頭が一番いいんだとよ。
T:そんなことは、言うとらん。頭は悪いかも知れんさ。 人格と頭は、別よ。
頭がそれほどよくなくても、人格は、高めようと思ったら、高められるんだよ、オレみたいに。
そのためにも、孔子の言葉を味わえと言うとるんじゃ。
ノートをきちんと書いて、オレが説明する時には、ちゃんと聞いとくんだよ。
そうしたら、孔子の考え方も、よく分かるようになるんじゃ。
エピソード51
T:悪口を言われるのがイヤなら、ひとの悪口も言うな、思いやりの心を持つのが、一番大切というのが、孔子の、この言葉の、だいじな所なんやなあ。
S:そんなら、オレたちに赤点ばっかりつける先生は、全然、思いやりがないけ、ダメ人間ちゅうことになるやんか。
T:思いやりがあるから、何人も、何人も、満点を取れるような問題を出しよるやないか。
それだけ、やさしい問題を出しても、おまえたちが、ひとっつも勉強しとらんから、点を取れんやったというだけのことじゃあ。
S:問題は、やさしいことはなかったよ。えらいむつかしかったよ。
T:それは、勉強しとらん者のいうことじゃあ。
現に、勉強しとったから、いい点をとった者が、このクラスには、一杯おるやないか。
人のせいにするな、人のせいに。
自分のマジメさが足りんということを、徹底的に反省せい!
おまえたちが留年したら、それを引き受ける先生たちが、どれくらい迷惑するか、考えてみろ。ちゃんと勉強して、ぶじに卒業していくのが、先生たちに対する、おまえたちの、思いやりというもんじゃあ。
エピソード52
T:おまえたち、何回注意しても、私語をやめ切らんなあ。
もう、これ以上注意をしても同じと思うから、改めて注意はせんぞ。
だまって点を引くだけにするから、そう思え!
S:ムカっと来るなあ、そんな言い方は。
何回も注意したって言うても、まだ2回やないか。
T:名前を呼んで注意したのは2回でも、全体的に注意したのを含めたら、何回でもしとる。
S:何万回でも注意すればいいやないか。だまって点を引くとか、頭に来るっけ。
T:何万回も注意できるか。そんなことしとったら、授業にはならん。
点を引かれるのがイヤなら、私語をやめたらええやないか。
S:なぐるっとか 言うてもいいやないか。
T:ああそうか、なぐる と言った方がいいのか。
S:そっちの方が、よっぽどスッキリするわ。
T:よし、それなら、オレは、そう言ってもいいよ。
けれども、ほんとうになぐったら、暴力教師とか言うんやなかろうなあ。
S:そらあ、多分、言うやろう。
T:ほら、見てみい。オレは暴力教師とかい言われるのはイヤだから、だまって点を引くと言うのよ。
S:ああ、腹が立つ。覚えておけよ。卒業式の後でコテンコテンにしてやるからな。
T:オレに対して、そんなことを言うてもいいんか。
おまえが言うた通り、ちゃんと記録して残しておくぞ。
S:一々、腹が立つ。勝手にすりゃあ、いいやないか。
T:大体、おまえら、何のために学校に来よるんか。根本の所が分かっとらんやろう。
S:卒業証書をもらうためだけに来よるんよ。
T:卒業証書ちゅうものは、勉強して、それなりに力をつけた者だけにやるもんじゃ。
入学はしたけれども、あとは、ずーっと怠けとったという者にまで、ぜーんぶやるというものじゃない。怠け者には、やらんでもいいんじや。
卒業させようと思うて、注意しよるのに、逆に、注意する方を恨んで、おどし文句を並べるとか、おおもとの所からおかしいやないか。
自分たちが ちゃんとしとったら、注意されることもないんやから。 そうやろ?
S:そうそう。
T:オレが注意した理由も、分かるやろ?
S:分かる、分かる。……今日、言うたんは、全部、取り消す。………ごめんね、先生。………
謝るけね。
T:分かってくれさえすれば、それでいい。けれど、口先だけでなく、態度で示せよ。
S:うん、そうする。
T:よし、それじゃあ、もとの授業にもどるぞ。…………
エピソード53
S:先生、今度は、どんな問題を出すん? ほかの国語の先生とも、全然違うような問題やけ、予想がつかんのやけど。
T:そうかね、実は、オレも、自分がどんな問題を出そうとしているのか、自分でも分からんのよ。まあ、いつもと、似たようなものじゃろうよ。
マルバツとか、符号で答えるとかはないよ。文を書いて答えるものばかりになるやろうよ。
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この後、「珍問珍答」シリーズも見ていただこうかと考えています。