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昨日と明日と共感覚と。

作者: 冬木 冷音

これは私個人の実体験です。(名前は変えていますが…)


少し暗くて、辛い部分があるかもしれませんし、よく分からない部分があるかもしれませんが、最後まで読んでいただければありがたいです。

人混みは苦手だ。

たくさんの人の“色”を聴いていると、体を突き刺されているような気がして、とても気持ち悪い。


電車、学校、都会の街。

何処へ行くにしても、人と関わり、“色”と関わるのは仕方がない事なのだろう。



私は『共感覚』というものを持っている。

いいや、私からしたら“持たされた”と言いたいほどの忌々しいものだ。

共感覚とは、1つの感覚から、連鎖してもう1つの感覚が呼び起こされることを言う。これだけだと難しいと思うので、簡単な代表例を出そうか。




人の声を聞くと、それの“色”が見える。



文字に、色が見える。



時間に色が見える。



音に味を感じる。





などだ。


これは芸術家や、音楽家が持っていることが多いらしく、

『絶対音感』や、

有名な絵画『ムンクの叫び』も、叫んでいる絵ではなく、描いている人が共感覚の持ち主で、声のようなものが聴こえたからだと考えられている。





しかし何故、テニス部でふわふわしながら生きている。芸術や音楽に関わりのない私がこれを持たされてしまったのだろうか。


私はある日。共感覚とは知らずに、「声とかに感情が色で見える気がする。」と感じ始めた頃。

中学校の生活班の友達に、打ち明けて見た。

すると「えぇ〜そんなのある?!!俺そんなの信じられないわー中二病か何かじゃないの?」笑われてしまった。


少し傷ついた。

まさか信じてもらえないなんて。



けれど信じてくれる人もいた。

でもそれは「良いなぁ。そんな能力欲しいのに…神様は不平等だねぇ…」と、憧れの視線を向けるものばかりだ。


たしかに便利ではある。

昔から先生が怒りそうになったら先回りして防いでいたし、友達の考えていることや嘘だって手に取るようにわかる。



だが。そんな一方。

明るくて評判のいい先生とと話していたら、急に色が変わった。嘘の色。


先生は、私を駒としか見ていなかった。




仲のいいグループで遊んでいたら、楽しくて笑った時に、それは楽しくて笑ったのではなく、私をからかって笑っていたことに“色”が分からせてくれた。



聞いているとますます便利に聞こえるだろう。

けど違うんだ。楽しかった時間を。嬉しかった時間を。全てを。



『灰色』が飲み込んで行く。




楽しかった時間が嘘だと気付いたら。

すぐにその思い出は灰色のクズだ。



嬉しかったあの誕生日のお祝いが、無理やりつき合わさせられていることが気づいたら。


それはもう灰色のゴミと化す。




世界はこんなにも汚かったのだろうかと。毎日のように再実感させられる。




私の救いは



唯一の理解者である紫音(しおん)との会話だ。


彼女の前ならばなんだって怖くないし、

彼女の声を聞くだけで、全ての怒りを忘れられる。




もはや、私は紫音中毒だな。




今日の天気は雨だ。

雨は『灰色』に感じる。

そんな汚い色を感じながら。

私は『紫色』にしがみつく。


すると何もかも色がついて、ようやく色鮮やかな世界を感じることができる気がする。





::::::::::::::::::::::::



もし周りでそんな素振りをしている人がいるのであれば。是非その人の世界に色をつけてあげてください。


この物語に出てくる。紫音は、

私の、友達の色を名前にしただけです。

紫色で、落ち着いている感じです。私はそのせいかとても紫が好きです。



もし私のような共感覚を持っている方。

それは神さまが与えてくれた1つの才能と考えると、少しは楽に考えられると思います。実際私はそれで少し暗くなってしまった時があるので、打ち明けられる友達がいれば、すぐに打ち明けられればとても楽になれると思います。



もし、共感覚ではなくても、そのような感じで迷っている人を見ている人がいたら。


ぜひあなたは、その人の紫音になってあげて、世界に色を咲かせてあげてください。

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