クノイチ募集中
(四野火くんかっこいいなあ)
目の前にクラスメイトの四野火くんがいる。
お互い帰宅部で、帰る方向が同じだからか。
スポーツ万能、成績優秀、品行方正で顔もよくて完璧な人で、ちょっとどころかすごく気になっている。
でも私なんて全部普通以下、これといった取り柄もない。
彼に相手にされるわけないけど見るだけならタダだし…。
「そこの可愛いお嬢さん」
初めて知らない人に声をかけられた。
「ななな…なんですか?」
これが世に聞くナンパなの!?
「あのさ、クノイチやってみない?」
「なにそれ?」
思わずタメグチで本音が出てしまった。
どこかで聞いたことがあるような。
「女忍者、知らない?」
「…それをやるといいことがあるんですか?」
忍者って手裏剣なげたり闇討ちとかしたりする時代劇のあれだよね。
「あー、あるある。いい男いるよ。
オレには負けるけど?」
たしかに顔はいいけど、チャラ男だしなあ。
「じゃあいいです。さよなら。」
「待って!それは俺の顔がショボいって意味なのかーい!?」
あまりにしつこいので、仕方なく話を聞くことにした。
「最近は外人に忍者が流行っているだろう?」
「はい、テレビで見ますね」
「ということで、腐った現代で古き良き和の心を学ぶ忍者教室をやっているわけだよ」チラッ
「…見にいきますよ」
「言わなくてもわかっちゃうなんて忍者の素質あるよ君!!」
チラチラされたら誰でもわかるわ!!。
忍者教室に入る。
「あ…」
「ぎゃあああああ」
私は飛んできた手裏剣を必死に避ける。
「ごめん」
「え!!」
四野火くん――――!?