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決まりきった運命

作者: yuris
掲載日:2012/10/13

作者はバトル描写が苦手です。

よって、伝わりにくいなどのことがあると思います。それは作者の表現力不足です。申し訳ありません。

それを頭に留めた上で作品をお読みください。

すべては仕組まれている。

そう、分かっていた。

それでも、なにかに引きつけられるかのように、俺たちは。




「やっと登場かい? 勇者サマ」

「ああ、待たせたな魔王。ようやくお前を倒すときが来たようだ」

「へえ。そこまで言うからには、なにか秘策でも持ち合わせているんだろうね?」




そう言っては彼女は――魔王は、妖しく笑った。

倒す、なんて。自分が発した言葉なのに、信じられないと思った。

ありえない。倒す? 俺が、彼女を?

愛しているのに?


そんなことを考えている間だって、俺の口許には不敵な笑みが浮かぶ。

腰にかけた鞘から白く輝く刀身を抜き、魔王に見せつけるかのように構えた。

刃なんて向けたくないのに、俺の体はまるで言うことを聞かない。

物語は、進むのだから。




「何のためにこの剣を持ってきたと思っているんだ」

「……ただのなまくらかと思えば、それはいつかわたしを葬った、あの忌々しい剣か」

「ご名答。そのいつかのように、これでお前を封じてやろうってことさ」




体が、体が、動く。

魔王が忌々しいと吐き捨てた剣が、俺に力をみなぎらせる。


どうして俺は、“救世主”として生まれてきたんだろう。

どうして彼女は、“魔王”として生まれてきたんだろう。

どうして俺たちは、こんな風になったんだろう。




「そんな昔の話を信じているのかい? わたしは昔とは違うよ?」

「俺のことをなめるなよ。歴代救世主のなかでも稀代の天才と呼ばれた実力、見せてやる」

「ふん、戯れ言を」

「戯れ言かどうか、確かめさせてやる」



俺が剣を構えた。

彼女の体から膨大な量の魔力が流れ出した。

お互いが万全の状態になった瞬間、戦いの火蓋は、切って落とされる。

俺の思い通りにならない体が、彼女へ刃を向けた。


やめてくれ、やめてくれやめてくれやめてくれ!

なんでこうなる、俺は彼女を斬りたくない、殺したくない、封じたくない――


こんなに彼女を愛してるのに、なぜ!




「お、らっ!」

「あはは、遅いよ!? どうしたんだい救世主!」

「くそっ……!」

「ほうら、わたしにその自慢の剣を当ててごらんよ!」




体がうまく動かない。

俺の気持ちが通じたのかもしれない、と思ってみたりする。

そんなのはありえないこと、分かりきっているはずだったのに。




「それでも天才かい? ふん……期待外れだよ」

「あ゛ぁっ!!」




首筋に攻撃を一撃。

それだけで、俺の体力は目に見えて減っていく。

ああ――また、か。


また、繰り返すのか。




「……またね、救世主サマ」




表示さえされないような小さな声で、魔王は言った。

いや、きっと表示されないのだろう。

だってそんな言葉はきっと、“プログラムされていない”のだから。


黒くなる世界。

ただただ響く、この世界の操作者(プレイヤー)の声。




『あーあ、またかよ』




たった一瞬だけ、画面の向こうの少年が、見えた気がして。

そして彼は、


リセットボタンを、押した。








「やっと登場かい、勇者サマ?」




そう言って妖しく笑う、一人の魔王。

“バグ”と名づけられた俺の気持ちが泣き叫ぶ。




「……ああ、待たせたな魔王」




こんにちは、巻き戻されたラストシーン。

このゲームはいつになったら、終わりますか。

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― 新着の感想 ―
[一言]  魔王(女性)を愛してしまった勇者。 確かに終わりのない戦い状態になってしまっている気がします。  小説家になろう 勝手にランキングよりお邪魔しました。
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