第6話 お姫様
~みゃむside~
目を覚ますと・・・ベッドの中に居た。
御伽噺のようなそんな夢を見ていた気がした。
体の節々がキリキリと痛む・・・。
きっと筋肉が昨日の動きに着いて来れなかったんだと思う。
これは三日は動けそうに無いな・・・。
ボクは昔から男の子と間違えられていた。
部屋の中でおままごとをするより、男の子達と鬼ごっこをするほうが好きだった。
でもボクもこう見えても女の子。
誰にも言えなかったけど・・・
カッコイイ王子様が迎えに来てくれる。そんな御伽噺が大好きだった。
目を閉じると思い出す。きっとこの思い出はボクは一生忘れないだろう。
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
明日の生贄はボク。
町長の娘として・・・・
なにより街の為に・・・
ボクは明日生贄になる。
そんなボクに父さんは言った。
最後ぐらい好きなことをしておいで・・・。
父さんの瞳は濡れていてきっと泣いていたんだろうと思う。
でも触れないでおいた。
触れた瞬間ボクも泣いちゃいそうだったから。
気晴らしになるかは分からないけれど、狩りに行くことにした。
最近マリョクルとか言う強い魔物が出るらしい。
気を付けないといけない。
もはやボクの命はボクだけのもではないのだ。
そこで出会ったのは一人の人間族の少年。
瀕死の重傷だった。
どうやってここまで来たのか?
どうしてこんなに大怪我をしているのか?
謎の多い少年だった。
そして彼が後に・・・・ボクの主になる。
翌日、話はトントン拍子に進み生贄は彼が代わりにすることに。
でもボクは彼を見捨てて逃げるなんて出来なかった。
もしかしたらその時点で恋をしていたのかもしれない。
言っただろ?
こう見えてもボクだって女の子なんだ。
ボクの代わりに生贄になっても文句一つ言わない。
大人びた彼を見てたら乙女心だって揺らぐもんさ・・・・多分。
そして奴隷契約。
キスした時点で確信した。
見栄張って『ノーカン』って言ったけどボクはカウントする予定だ。
もう絶対にこの子を離してやるものかって思った。
それにしてもあの力には驚いた。
きっとアレは愛のパワーなんだと思うな~。
帰り道本当は体が辛かった・・。
でもここで弱みを見せたら置いてかれちゃうって思った。
あの意地悪な精霊がライトを連れてって行っちゃうって・・・。
でもどうやらボクは倒れたみたいだ・・・・・・・・・。
きっとライト達はボクを置いていっただろう。
ライトはああ見えて利己主義だし、精霊はボクのことを何故だか嫌っていた。
あれ・・・生贄のときでさえ・・・でなかった・・涙が・・・・・
・・・・・止まらない。
・・・・・止まらない。
・・・・・止まらない。