第4話 リスクと力
獣人同士の奴隷契約。
それは獣人族の結婚の儀。
契約を結ぶと獣人はお互いに力を得ることが出来る。
その力が何なのか・・・
それは誰にも分からない。
だが多くのものがスタミナ増強や魔力増強である。
人間と獣人の奴隷契約。
人間を主とする場合獣人側にはリスクが発生する。
それは絶対的な地位の確立。
主となる人間の命令を獣人側は反故に出来ないのである。
その代わり獣人族にも恩恵はある。ソレは力。
契約する相手の潜在能力・性格・地位・相性により与えられる力が違うのだ。
例えば今回の様にチートキャラライトを主とした場合。
潜在能力は人間トップクラス(本人はレベル上げする気なし)
性格は自己中心的(自分の命が一番。奴隷を犠牲にしてでも。)
地位は最低(10歳の女の子のヒモ・当時は生贄)
相性は謎だがリスクが高い分与えられる力は大きい・・・・みゃむの強さが異常なまでに高まったのはその為である。
因みに契約を結ぶには精霊の承認が必要になる。
獣人が精霊族を大切にしているのもこれが理由である。
そして契約を成功させた精霊にも勿論、恩恵はある。
それは魔力の増量。
ベルの場合、魔法で出す炎の大きさが5センチから10センチに上がった。
「って全然嬉しくないわよぉぉぉぉお!!私も『大きくなれる』とか『魔力が異常に膨れ上がる』とかなればいいのに!!」
なんかベルが一人で叫んでいる。
だがまぁドラゴンを前にして生きているんだ。
よかったじゃないか。
隣ではみゃむがプラズマを出したり戻したり色々練習していた・・・。
「奴隷契約って便利だねー。ボク誰にも負ける気がしな~い!!」
・・・・そりゃ5分前にドラゴン倒したんだ・・しかも一撃で。
「これからみゃむはどうするんだ?契約解除とか出来るんだろ?」
「解除とかするわけないじゃん!!こんな大きな力手に入れたのに!!」
何故だろう。
みゃむの瞳が黒く濁った気がする。
この子はもっと清く正しい子だった気がする。
「あぁ?何いってんのよ!!アンタはもうお役御免よ!!私たちコレから人間の国に戻るんだからアンタとはここでお別れ!!契約もココで終了よ!!はい、さよなら~。」
「契約解除は主であるライトにしか出来ないよね?精霊は黙っててよ!!!それに人間の国には興味あったんだ~・・・・ボクも連れてって!!!」
正直魔法が使えない今・・・・戦力は欲しかった。
それも自分の言うことを聞く最強の駒である。
持っていて損はない。
それに・・・・みゃむはスタイル抜群の美人だった。
「いいだろう。ベルも我慢してくれ・・。俺が魔法を使えないのは分かっただろ・・・。今度はシャレじゃすまない。多分死ぬだろう。だがみゃむの強さは確証済み。側に居て損はない。」
・・・・ベルも俺が死に掛けたことを思い出したのか暗い顔をする。
「・・・・・・分かったわよ。」
「やったーーーーーーーーーーー!」
だがしかし、そんなに簡単に最強戦士みゃむ(弓を装備)を手に入れる事が出来ないことを・・・・このときのライトは気付いていなかった。