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第2話  善と悪

俺はたまに思うんだが・・・

何故毎回毎回俺は危険な目に合うんだろう。


出来うる限り己の保身に走り、ベルからは『外道』『鬼畜』と罵られ。


それなのに・・・なぜ俺は命の危険に何回もあうんだろうか?


・・・運命?


それともこの世界の人は皆こんな感じなのだろうか?



今俺は両手を後ろで縛られている。


今俺が居る場所は生贄の洞窟。



そして今俺の目の前には・・・・・一匹のドラゴンがいびきをかいて寝ている。



・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・



地下牢(?)から出された俺はみゃむの代わりに生贄になることが決定された。

まぁ予測の範囲以内だが。




獣人は守護精霊を大切にしてる?




そんなの関係ない。

命が関われば信仰など紙切れも同然なのだ。




生贄といえば子供か生娘。


俺の外見は10歳の人間。


まぁ人間嫌いの獣人族なら誰もが思いつくだろう。






「おっきーね。これは予想外だわ・・。」



みゃむは俺を監視する為、洞窟の道案内をする為一緒に来ていた。


正直早く帰らなくイイのか聞きたかったが、下手なことを言って帰られると困るので何も言わないでおく。


「俺はコイツに食われるのか?」


「そうなんじゃないの?歴代の生贄は生きて帰って来た者は居なかったけど。」


・・・・実感が沸かない。


目の前にドラゴンが居るんだが死ぬ気がしない。


・・・ドラゴンが寝てるから殺気を感じないのか?


「ってアンタ達なに余裕かましてんのよ!!!!!ドラゴンよ!!ドラゴン!!!私初めて見たわよ!!ライトなんてこの間死に掛けたばかりでしょーが!!!もうちょっと生への執着みせないさいよ!!人間族なんでしょ!!!あとみゃむだっけ?アンタ早く街に帰りなさいよ!!助けてくれたりする訳?どうせしないんでしょ?だったら消えなさい!!目障りなのよ!!!」


精霊が一匹、錯乱状態だった。


「助けたりは出来ないけど・・・そだね。一緒に戦ってあげるよ。元はと言えばライトを助けたのボクだし。助けた人間が自分の代わりに死ぬなんて気分悪いよ。」


・・・・・・この子は俺とは正反対の性格をしているのかもしれない。

明るい笑顔からは不のオーラを感じない。


「・・・・・。まぁいいわ。戦力は多いに限るから。あんたみたいなアホ猫一匹でも居ないよりましでしょう。・・・・それにアンタが食われれば今年の生贄は終わりよ。クックックッ・・。」


何故ベルがみゃむに喧嘩腰なのかは謎だが、ベルさん天真爛漫だったあの頃に戻ってください。


「・・・・よし。じゃあまずは三人で戦略的撤退だ!!!」


そう言って出口に走り出す俺。


勿論人生甘くは無い。




「グハッ・・!!」




みゃむのとび蹴りが俺の後頭部に炸裂する。



「ボク達が逃げたら街が襲われちゃうでしょ・・。少しは考えてよ。」


いや、それぐらい分かっているんだが。


ソレを承知の上で逃げようという意味なんだが。




「そうよ!!!ライトにはあの秘儀があるじゃない!!!ドラゴンを倒せばレベルアップ間違いなし!!一石二鳥!!オイシ過ぎる!!」



さも名案と言わんばかりのベル。



「悪いなベル。俺の魔法はアレからずっと封印されている。話によると今後一生使えないらしい・・。」




「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」




ベルが驚きすぎて大声で叫ぶ。

洞窟の中をエコーしながらベルの叫び声が駆け巡る。



・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・ドラゴンが目を覚まさない訳がなかった。


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