第15話 乙女の悩み
~ベルside~
私は朝から機嫌が悪かった。
女の子とイチャイチャしているライトの顔。
見ているだけでムカついた。
・・・・理由は分からない。
そしていつもはライトの頭の上に座っているのだけど・・・この日はみゃむの頭の上にいることにした。
・・・・・・・そしてはぐれる私たち。
でも丁度良かった。
ライトとは暫く会いたくなかった。
「あれ?ライトは?」
「アンタと反対方向に曲がっていったわよ・・。」
「もぅ・・・自分で曲がるって言ったくせに・・・ライトは世話が焼けるんだから・・・。」
みゃむの頭の中はいつもお花畑が咲いているんだろうな・・。
悩みなんてなさそうで羨ましい。
身体も大きいし・・・・。
・・・私はいつも不満だった。
何をするにも戦力外。
得意な事はライトに八つ当たりをする事と達者な口先。
「私って・・・・守護精霊してる意味あるのかな?」
「・・・・?ベルは守護精霊っていうよりライトのお母さんって感じだよね。」
この子とも最初の出会いこそ最悪だったけど随分と仲良くなったものだ・・・・そして私はお母さん・・。
・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・・・・
本当は分かっていた。
気付かないフリをしていた。
いつからかは分からない。
ライトを好きになっている自分がいる事。
必死にエルフになろうとするのも・・・大きくなって体等に見てもらいたいからだって・・。
それは決して許される事ではない。
守護精霊とは己より主のことを一番に考えなくてはいけないのだ。
だけど私だって皆の様に身体を絡ませてみたい。
手を繋ぎたい。
私はライトが18歳になると契約上精霊から妖精に成長できる。
体格だってきっと変わる。
幼女ぐらいにはなれるのかな?
・・・・
・・・・
・・・・
なんだかだいぶ気分が楽になった・・。
元気が無くなる理由ライトならば、元気が出る理由もライトだった。
我ながらわが主にベタ惚れである。
そして次は不安になる・・・。
今、ドコで、誰と居るのか・・・。
「みゃむ!!!そこを左!!早く行くわよ!!!」
「はーい。」
そして私たちは向かう・・。
大好きなあの人の下へ・・。