表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/29

第13話  知性と罠


朝・・・あまりの寝苦しさに目を覚ました。


左にはみゃむ。

右にはカサリナ。


両方ともがっちり足まで絡めている・・・。



なんでこんな事に・・・・

因みにこの部屋にはベッドが三つきちんとある。



「うぉ!!!」


ふと時計を見ると・・・

時計の上からベルが汚いものを見るような目で俺を見下ろしていた。


「起きてるなら話しかけろよ!!びっくりするだろうが!!」


「幸せそうな顔だったから起こさないであげたのよ。感謝しなさいよ!!みゃむの胸があたった時なんかこの世のモノとは思えないような顔してたわよ。アンタ・・・。これだから男は嫌なのよね・・。」


そう言ってベルはどこかに飛んでいく。


・・・・・・・・はぁ~。


故郷の両親へ

ボクは今日も元気にやってます。



・・・・

・・・・

・・・・



「カサリナ・・・早速で悪いんだがお金もってないか?」


俺は一番気になっている事を聞いた。


もし持ってなかったら俺達はどうなるのだろう・・・。

今更になって昨日の愚かな選択に後悔した。

暑さとは人を狂わせるらしい。


「金か?そんなもの私が持っている訳無いじゃろ・・。王都になら沢山あるが・・欲しいのか?」


カサリナさん・・・今すぐ欲しいんです。




・・・・・・・・・・・・この瞬間俺達の罪はまた増えた。




「そいつらを捕まえてぇぇぇぇぇえ!!!泊まり逃げよ!!!!」


泊まり逃げ・・・・語呂が悪いな・・。


「なんで私たちは逃げておる?」


俺の背中に乗ってるから話す余裕があるらしい。


「はぁはぁ・・・話は・・・あとだ!!!次の角を曲がるぞ!!!」


「分かった!!!」


元気のいい返事をするみゃむ。



そして・・・・・・彼女は俺とは反対方向に曲がっていった・・・。


あっれー・・・。

俺の言い方が悪かったのかな・・・。


「二手に分かれたぞ!!!とりあえずあの猫は後回しだ!!あっちのガキどもを先に捕まえるぞ!!」


そして果てしなく嫌な言葉が聞こえる。

まぁ~捕まえやすい方を捕まえるわな・・・。


足を止めるわけにはいかない。


なにしろ主戦力が消えたのだ。

残ったのは『幼女とザコ』。

捕まったら人生が終わる。


因みにベルは朝から機嫌がすこぶる悪く、ずっとみゃむの頭にとまっていた。


・・・・・背中に乗ってるこいつ降ろして逃げようかな・・・



そう考え始めた時だった。


「・・・なかなかにピンチじゃないか・・・。君達を探すのは苦労したがサハランにつけば見つけるのは簡単だったな。・・・君達は今じゃサハランじゃ有名人だぞ。」


聞いた事のある声だった・・。




「ナ・・・・ナタス!!!!」



正直泣きそうだった。

今のメンバーは明らかに知性が足りていなかった。


ぶっちゃけバカの集まりだった。



「助けて欲しいのか?そうだな・・・前の契約を守ると誓え。そしたら助けてやる。」


契約??


『私はキミをもっと研究したい。君との間に生まれる子供もどんなものになるのか・・・。そしてキミ自身ももっと研究させてくれ。代わりと言ってはなんだが、何でもする。立派な妻だってなってやる。悪い条件じゃないだろ?こう見えても昔里では美人と言われていたんだ』


色々ありすぎて昔の思い出のようだが忘れるはずが無かった。


初めての逆プロポーズ。


「誰じゃお前は。・・・私のライトとやけに親しそうだが・・・」


「・・・・?そういえばドコかで見たガキだと思えばカサリナじゃないか・・・なぜお前がここにいる?」


・・・・なんか気まずい空気が流れる。



『そっちを曲がったぞ!!!早く行けぇぇぇぇえ』


・・・・追っ手の声だ。


「ナタス!!!未来の事は確約できないが、前向きに検討する!!!だから今は助けてくれ!!!」


「その言葉・・・忘れるなよ・・・。」



暑さは人を狂わせる。


俺は何一つ学んではいなかった・・・。


ベルがこの時この場所に居れば運命は変わったのかもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ