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第10話  金と権力の使い道


何故だ・・・・

何故だ・・・・

何故こうなった・・・・


連日テレビでは俺のことが流れている・・。


俺は悪い事はしていない!!・・・・はず。


「おぉ~ライトすっごい有名人になったね。」


いい気なもんだ・・・。


誰の為にこんな犯罪者まがいな事をしたと思っている・・・。


・・・・・・・・・まぁ自分の為なんだが。


「でもホントこれからどうすんのよ?これじゃ王都なんて夢のまた夢じゃないの・・・。」


ベルはため息を吐きながら俺を飽きれたような目で見つめる。


・・・・こんな大事になるなんて思わなかったんだ。


たかだか街の小娘一人拝借しただけじゃないか・・・。


なんで全国ネットで放送されてんだよ。



「ドラゴン倒したのがマズかったかもね・・・。アレのせいでボク達、恐怖の対象だよ。」


「いや・・・あれは仕方ない事だ。やらなきゃ・・やられてたんだ。やはりほとぼりが冷めるまで待つしかないな。・・・今動くのは危険すぎる。」



因みに現在の場所はマリョクルの出るあの森である。



「大体身分証明書もって無いってのがありえないのよねー。犯罪者じゃなかったとしても関所なんて通れるわけないじゃ「お前が準備なしで勝手に転移したんだろーが!!!」・・・・すみません。」



そう、俺達は誰一人、身分証明書・・・パスポートを持っていないのだった。


・・・・・ここでファンタジーならよく聞く『身分証明≒ギルドカード』の法律であるが、犯罪者がギルドになんて行ける訳もなく。



「動くつもりなら誰かの力を借りるしかないだろう。・・・ミロルか?・・・ナタスか?・・・マルコか?」


我ながら交流関係が狭いのが悩みである。


「アンタ・・・マルコに力貸してもらえると思ってんの?妥当な線はナタスよね。ミロルは所詮王位継承者。王族とつながってるんだから下手したら売られるわよ。」


・・・あんだけ仲良さそうにしてミロルを全然信用していないベル。


最近・・・俺はお前が一番怖い。


「誰か知らないけど王族は危ないよ~。だいたい懸賞金出してるの王族だし。」


「それ言ったら研究費用の為にナタスだって俺達売りかねないだろうが!!!」


言ってて悲しくなった。

信頼できる友達がいない現実。


「「「はぁ・・・・。」」」


三人で大きなため息を吐いた時だった。


近くから魔方陣が浮かび上がる。


「転移魔法!?誰か来るわよ!!!みゃむ!!準備して!!!」


「わかった!!」


戦闘をみゃむに丸投げするベル。


みんな・・・・俺は何してればいいかな?


男として何か情けなかった。





そして出て来たのは謎の美幼女。




「ライト!!!久しぶりなのじゃー!!!!」


俺に近づこうとして、みゃむに止められる・・・・・前に勝手にこけた。


誰だコイツは・・・・。


昔の俺の知り合いか?


だが今の俺は犯罪者。賞金首金貨100枚の男。


人間不信かもしれないがそれぐらいが丁度いい。


「・・・・悪い。お前には見覚えが無い。名前を教えてもらおうか。」


「あぁ・・そうじゃった。そうじゃった。お主はまだ私を知らんか・・・私の名前はカサリナ・キャラメル。王位継承権第一位にしてお前の未来の妻である。」


・・・・・殺気が二つ増えた気がした。

特に後半の声に反応した気がする。



「・・・・・どうやってこの場所を特定した?」


「そんなもの金と権力でどうにでもなる。宮廷魔道士150人を使った大魔法じゃ。」


・・・・・・コイツはアホなんだろうか。


「それで俺に何のようだ?」


「そんなの決まっておるではないか!!お主は今困っておるんじゃろう?わが宮廷で暫く匿ってやろう。」


・・・・・俺がその言葉を信じると思っているのだろうか。


「証拠が無い。却下だ。あと王族の言う事は今は信用できない。」


「・・・・困ったのぉ~。てっきり来てくれると思って専用の船まで用意したのに・・・。」



「「「!?」」」


今三人の心は一つになった。





『このアホを利用してこの島から取り敢えず出よう。』





「それじゃー信用してやる。早くパスポートをこちらによこせ。」


「パスポート?そんなものある訳ないじゃろう。私を誰だと思っておる。専用の自家製便だぞ。・・・それに関所など顔パスだわ!!お主達ぐらいなら私の発言でどうとでもなる。信用するとよい。私に任せておけば全て上手くいく・・。」




「二人はどう思う?」


「・・・この森で無駄に時間を使うよりはマシかもね。それにこの子アホみたいだし。ミロルと違って裏表はなさそうだし・・・。」


毒舌だな・・・オイ。


「いいんじゃないの?ボクはライトの行く所についていくだけ。」


そしてお前は犬じゃなくて猫だったよな・・。


「と言う訳だ。・・・よろしく頼む。」


「そうこなくてはな!!それじゃ~船まで転移するのだ!!!」


幼女がそういって紙を投げると魔法陣が勝手に現われる。


「・・・!?転移魔法!?まさか・・・紙に魔法を封じて!?」


ベルが一人で激しく驚いているがよく分からないからスルーする。


そして魔方陣が俺達を包み込む。


「それじゃぁ出発なのだー!!!」


カサリナの元気一杯な声が森に響いた。






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