第1話 生贄
目が覚めると・・・・
目の前には小さな妖精がいた・・・。
凄い表情だった。
そして・・・知り合いだった・・・。
「アンタを心配して急いできてやったら何知らない女といちゃい・・・・」
後半はいつも通り聞くのを辞めた。
てかベルよ・・お前は俺の彼女か何かなのか・・・。
ちなみにみゃむは寝相が悪く俺に絡まって寝ていた。
ベルにはソレが我慢ならなかったらしい。
みゃむがびっくりしながら俺に尋ねる。
「へぇ~守護精霊の話嘘じゃなかったんだ。」
「嘘をついても仕方ないだろう。少しばかり口うるさい精霊だがな。」
「知ってる?獣人は精霊を大切にしてるって。守護精霊のことを父さんに言えばスグに出られるかもよ
。」
え・・・・?
俺そんなに長時間ここから出られない予定だったわけか?
確かにこの薄暗い部屋は地下らしいが・・・まさか地下牢!?
「てか・・・いつまでみゃむはここにいるんだ?」
「え?ボク?ボクは出れないよ。明日の生贄はボクなんだ。こう見えても町長の娘だしね。」
「へぇ・・・それは大変だな。」
さすがファンタジー。
生贄とかあるんだ・・・・・町長の娘も楽じゃないな。
・・・・
・・・・
・・・・
「てっそれだけかい!!!!アンタ相変わらずの外道ね!!確かにこの女なら死んでも構わないけども!!!」
いきなりツッコミを入れる精霊。
俺への苦情は終わったのか?
それと、お前もなかなか酷い事を言っているぞ。
「ボクのことなら気にしなくていいよ。」
「本人もこう言ってるんだ。無理に助ける必要もないだろう?」
ベルが驚愕の顔をしている。
『ガチャ』
今までうす暗かった部屋にいきなり光が入る。
「おい・・・人間。とりあえず出て来い。」
陰のせいで顔は見えないがごっついオッサンだろう・・。
・・・・・・・・・果てしなく嫌な予感しかしない。
因みにこの手の予感はよく当たる。