第七話~馬車道~
お待たせしました第七話!
うん、何か違う小説のネタばっか出て来てこっちが全然進まん・・・
もっともこれ終わるか飽きるまで頑張りますが(飽きるなよ
まぁそんなこんなで第七話!始まります!
馬車は草原を走っていた。
見える人影は一人分。
それはフードを被った人間のシルエット───フゥム・ネルドと名乗った少女がいた。
少女の頭は先程の男の事を考えていた。
魔王、確かに彼はそう名乗った。
しかし、彼が言った〈ホラミック王国〉など自分は知らない。
魔王と言えば〈魔王の国〉、それ以外に魔王がいるなど聞いた事がない。
つまり、彼はあのでっちあげで言って何らかの交渉を有利に進めるつもりだったのかも知れない。
だが、少女は魔王に昔会った事がある。
小さい頃だが、森に迷った時に助けてもらったのだ。
少女はほんの少しの好奇心で、〈魔王の国〉があるから行ってはいけないと言われてる森に行き、迷った。
その森は〈魔王の国〉が近いからか、魔獣などは出てこなかったが、それでも不安、空腹、疲労は十歳に満たない少女にはとても過酷だっただろう。
そこを助けて貰ったのだ。
名前を聞くと、困った顔で笑い、一応魔王って言うんだ、と答えたから、幼い頭はマオウという名前と考えた。目の前の優しい人と怒られる度に聞かされる魔王が一致しなかったのだと思う。
顔をよく覚えてないが、私が何かを言う度に困った笑い顔を浮かべていたのを憶えている。
森の出口まで連れて行ってもらい、そこで別れただけの短い時間だったが、そのマオウに好印象を抱いていた。
もっとも、そのマオウと魔王が同一人物だとだいぶ後によく考えるとすぐわかった。
そんな経緯があるから、彼が【魔王】とは信じなかったのだ。
「でも、あの〈アロット盗賊団〉を倒せたんだし、ただ者では無いわね・・・」
と、一人呟いた。
アロット盗賊団。
全世界でもっとも恐れられている盗賊である。軍隊を出しても、魔術師を出してもいくらでも湧いてくる不死身の盗賊団、そんな噂が流れている。
では、何故そんなに恐れられてるのは本当に不死身だからなのか、と聞いたら団員は大笑いするだろう。
彼らの恐ろしいところはその数の多さ。そしてそれを統率する【団長】と呼ばれている男の存在だろう。
数が多い、と言う事は単純に考えて戦力が高いということである。更に部隊分けがされており、一つの部隊に最低一人、基礎能力が高い奴が配属される。
指揮、戦略、技術、力のどれか三つ(指揮は最低条件であるらしい)稀に能力持ちがいる事もある。
そんな盗賊団らしくない盗賊団として各国の手を煩わせている。
【団長】の情報はどこの国も、全くと言って良いほど手に入っていない。
ただ魔人なのでは無いかと言う噂が出回っているだけである。
「とにかく気をつけないと・・・〈アロット盗賊団〉にも、この男にも・・・」
「うむ、警戒は怠らない事だ。よくわかってるではないか」
後ろの男───魔王がそう頷いた。
「・・・寝てたんじゃなかったの?」
「いやなに、今起きたところだ」
しかし驚かんとはつまらん奴だ、と溜息を吐く。
「あいにく、そのぐらいじゃ驚けないのよ。それより、ホントについてくるつもり?」
「ああ、国に帰るのもめんどくさいからな、どうせなら観光でもしてから帰らせて貰おう」
「・・・今向かってるのは『魔王討伐選定大会』開催地の〈武の国 アドム〉よ?あなたが魔王なら真っ先に殺されるわよ?」
「それは怖い。ばれないようにせねばな」
飄々と言い放つ魔王。渋顏になるフゥム。
「なに、王は死なんよ。
人が王の事を忘れぬ限り、な」
フゥムは何よそれ、と思った。
何か盗賊団の説明だけで終わった・・・
いつになったら町につけるんだろうか・・・
ここまで読んでいただきありがとうございました。