第二話~少女の企み~
はい、お待たせしました第三弾!
俺の中での最新記録!
・・・うん、遅いかな。
まぁそんなこんなで第二話!
始まります!
とある先ほどとは違う部屋。そこにあるのは二つの人影。
そこには、先ほどのワルフと呼ばれた少女と、王国の隊服を着た青年がいた。
「ヴォルフ、ちょっと僕〈外〉にいってくるね」
気軽に、それこそ旅行に行くかのように要件をヴォルフと呼ばれた青年に告げ、支度をするワルフ。
青年はそんな少女、一応上司である為敬語で、
「……ダメですよ、戦況は確かに此方が圧倒的ですが不測の事態が起きる事もあります。そんな時にワルフ隊長が居なければ出撃が出来ても、士気があがりません。ですので却下という結論になりました」
ワルフは困った顔の上目遣いで、
「やはり……ダメかい?」
そのポーズに、青年は降参とばかりに両手を上げた。
「……ハァ、解りましたよ、指揮隊長達には伝えときます」
「ほんとかい!? いやぁー助かる「ただし!」……何だい?」
「私も同行させてもらいます」
「……え? 何を言ってるんだい?」
ジトッとヴォルフを睨むワルフ。
「いえ、単純に隊長一人で〈外〉に行かせるわけにはいかないのでついて行こうかと……」
(それに何か問題をこの人は確実に,絶対起こすだろうからな……注意しないと……)
「……」
「え?ダメですか?」
「うんダメ」
即答するワルフ。それに落ち込むヴォルフ。
「だって君がいたら色々と出来ないじゃないか……」
「……あれ? そういえば何故〈外〉に行きたいと思ったんですか?」
「ちょっとね、いい情報を手に入れたからそれを探しに」
その言葉に続けて、臆病で迷子で強がりらしいよ? と微笑む。
「ほう……生き物ですか?」
「そうだよ、みんな怖がるけど、僕とか一部の人は大好きだよ」
まぁヴァンとかといい勝負かな? などと上司がつぶやいてる生物が思いつかないヴォルフ。
(皆が怖がり、臆病で迷子で強がりでヴァン様もワルフ隊長も好きな生き物……?)
「思いつきませんね」
考えてみたが、条件に当てはまる生き物は見当もつかなかった。
「そう? まぁ見れば分かるよ。強いんだけど、いつも格好つけてて弱い所を見せない様にしていてとても可愛いんだよ?」
「ふむ……興味深いですね……名前は聞かないで後の楽しみにしときますね」
「うん、じゃあ色々と準備してくる」
と、隊長室を出て行くワルフ。
「……さて、私も準備をしますかね、ああそうだ、隊長がいると振り回されて気苦労が耐えないからな、薬を貰っておこう」
と呟き、特注の胃によく効く薬をもらいに行った。
もっとも、出発する前にまたもらいにいく事になるのだが、それは関係のない話である。
そんな部下の悩みも知らず、自分の部屋へ帰る途中、ワルフはご機嫌だった。
「ふふふ、一人ぼっちでさみしい王様の下に颯爽と駆けつける僕……確実にいい印象は与えられるね」
そう、このワルフと呼ばれる少女、実は魔王が恋愛感情として好きである。
しかし中々に綺麗なレベルの高いライバルが多く、このままではまずいと思った矢先のこの魔王失踪。
戦場に残った魔力痕から《勇者》と戦い、不可抗力で何処か辺境の地へ飛ばされた、もしくは消し飛んだかのどちらかになったが、『王の器』を持っている事から消し飛ぶ事は無いだろうと重臣達は判断。
だが、重い傷を負っている可能性もある為、早期の発見を試みたが発見出来ず、戦争が起きた為人員を裂く事が出来なくなり、捜索を断念。
三年経っても発見出来なかった場合死亡扱いとして国に発表する考えである。
そこで『誰も行かないなら僕が行っちゃおう作戦』である。
この作戦は、他のものがすでに捜索に行っていた場合、ただの二番煎じであまりインパクトはないだろう。だが、先程ヴァンから誰も捜索に行っていない、との情報をもらい、実行するに至ったわけである。
「まぁ王様としては今更な感じだろうけど、来ないやつより来るやつのほうがいいと思うのだよ、実際」
そう独り言を言いながら着々と準備を進める。
「残念だったね、ヴァン、リオン。僕が先に一歩リードさせてもらうよ!」
不敵に笑いながら、そう高らかに宣言した時、
「ほう、それは良い事を聞いたな」
後ろから凛とした、聞き覚えのある声が聞こえた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
なんだかんだであれですね、多く書けるようになったと思うのですが・・・
文才と書くスピードって誰でも欲しくなるもんですね・・・