第一話 ~王不在の王国で~
はい、お待たせいたしました!
お気に入り登録してくれた方ありがとうございますm(_ _)m
第一話目です。 あれ、でもプロローグ入れたら二話目だから・・・?
・・・まぁいいや!
とにかく始まります!
王が消えてから二年、国を任せられたヴァンは毎日激務をこなしているがその美貌は衰えていない様に見える。
しかし、昔からの同期はその髪質の衰えと肌のツヤがない事がわかる。
───パラリ、パラリと書類のめくる音がする部屋に二人の人影がある。
「大丈夫かい?」
そのうちの一人、活発そうで何処か落ち着きのある少女──黒髪、茶色の眼でやはり綺麗な容姿をしているが、狼の耳がついてる事から人ではないのがわかる──が軽い調子で尋ねるが顔が少し険しい。
「当たり前です。王に任されたのですから、国一つぐらい守りきって見せます。」
─パラリ、
「いや、そうじゃなくて、君がだよ。少し休んだほうがいいんじゃないかい?」
「それこそ気にかける必要がありません。私は魔人ですよ?」
パラリ、書類をめくる。
「それを言うならみんなそうだ。それに、もう違うだろ?」
「……ええ、そうですね。あの方からすればただの国民でしたね」
書類をめくる手をとめる。
「しかし今はその様な会話をする必要と意味がありません、私の事より国の事を気にかけなさい、ワルフ」
ワルフと呼ばれた少女は困った顔をして、
「結局聞く耳なし、かい?」
「そうですね、王がいない今、私がやらなければいけませんから」
休んでいる暇などありませんよ、とまた書類をめくり、サインをし始める。
ワルフはやれやれ、と首を振り、
「まったく……不安なのは分かるけど仕事に逃げるのはよくないとおもうなぁ。だいたいあの王様だぜ? 王の心配を案じるなど何様だ!とかいいそうじゃないか」
僕にはとてもとても、と肩をすくめる。
「……心配などしていません。ただ不安になっていないかと考えてるだけです」
( それは心配っていうんじゃぁないかな……? って)
「王様が不安になってる? どういうことだい?」
「言葉通りですよ、あの方はとても臆病なんです。臆病で寂しがりで
とても弱い、仮面をつけた王なのですよ」
「……ほんとにどういうことだい?あの傲慢で人に対する礼儀を知らなくていつか絶対一発ぶん殴ってやりたいけどなんだかんだで魔力も多くて強い、あの王様が臆病で弱い?冗談だろ?」
「とりあえず貴女には後で話がありますが本当です。あの方がいつも孤独なのはわかりますね?」
少し考え込み、
「……『王の器』って奴の能力か」
「正解です。仕組みは解りませんが『強制命令権』を持つあれのせいで周りから拒絶されていた筈ですから」
『王の器』、其れは体にある特殊な魔力器官であり、【王】を名乗れる最低条件である。
どんなに身体能力が少なく高く、どんなに学習能力が高くとも、人望があっても、どんなに素晴らしい能力を持っていても、『王の器』を持って無ければ【王】になる事は出来ない。
『王の器』は膨大な魔力及び《固有能力》を手に入れる事ができるらしい。
ヴァンはリストをめくり、
「我らが《魔王》ならば『強制命令権』、〈星都 ライン〉の《星王》なら『神聖化』、〈ギルド国 エストック〉の《冒険王》なら『規格外』、と固有能力が発現してる者達は【王】という者の数だけ存在しております。また、噂では稀に二つの固有能力が発現する場合があるそうです。しかし、」
「その強さの代償は孤独、ってわけか」
悲しいね、と呟く
「ええ、だから【王】は国を作り、《国》という【家】を守り、《国民》という【家族】を愛する。そうして孤独を癒すのです。」
「……つまり、【家】から遠く離れ【家族】ともはぐれた王様は迷子のか弱い王様って事か、……ふーん」
「解りましたのなら、早々に退室して下されれば結構です。まだ家事はたくさんありますので」
結局話し終えるまで手をとめなかったヴァンに苦笑しつつ、ふと今の話から気になった事を聞いた。
「そういや王様の捜索って誰がやってるの? 今まで僕の部隊になんの報告も来ないし王国守備隊は戦争中だし、人手あるの?」
「……捜索は行ってません」
「へぇ? ……それはまた君らしくもない。どうしてだい?」
ワルフは茶色の眼をすぅっと細めた。
「まず王がいない事で国の書類を代わりにやる者が必要です。これ自体は私がやる事で収まりましたが、」
「量が多過ぎて探しにいく暇がない、と」
「……その通りです。次に我が国は戦争中ですので王国守備隊は捜索に人員を裂くわけにはいきません」
「そして貴女達の部隊はいざという時の為に残しておかなければなりません」
「よって人員不足により、捜索を断念しました、という事情があります」
「まぁ余裕が出来たら捜索に行こうとは考えておりますが、この有様ですので」
機械的に、事務的に、言い訳をするかのように机の上を見せながら苦笑するヴァン。
しかし返事がないワルフに首を傾げ、どうしたのかと尋ねると、
「……あはは、何でもないよ。ただ仕事が残ってるのを思い出してね、もうそろそろ失礼させてもらうよ」
そう言い、ソファーから立ち上がり、扉により向かっていく
「ええ、いい息抜きが出来ました。ありがとうございますねワルフ」
「いやいや、こちらこそ。
とてもいい情報をありがとう」
「え?それはどういう──「何でもないよ!じゃあね!」
セリフをかぶせ、ドアを勢いよく閉め退室するワルフ。それをポカンと見送り、小さく笑いながらため息をつく。
「いっちゃいましたか……さてと、次の書類でも持ってきましょう」
そう言って立ち上がろうとしたが、急に眠気が襲い、もう一度椅子に座り込むヴァン。
「これは……ほんとうに疲れが溜まってたのでしょうか……まぁ……少しだけ……休ん……で……」
そのまま浅い寝息をたて、眠りに落ちるヴァン。その目尻にはうっすらと涙が出ていた。
最後まで読んでくださってありがとうございます!
相変わらずの不定期投稿ですが、生暖かく見守っていただけると幸いです。
やっぱストック作ろうかなぁ・・・でもなぁ・・・そんな書けないしなぁ・・・




