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『元カレへ。』短編小説

作者: 瑠璃樹_Ruriju
掲載日:2025/12/07

人は、大事に思っていることほど、言葉にするのが怖くなるときがある。

 幸せが一瞬で壊れることなんて、本当は信じたくない。

 この物語は、そんな“突然の別れ”に向き合ったひとりの少女が、強く生きようと決めた瞬間の話。

 読んでくれるあなたが、誰かを想う気持ちの重さや、前へ進む勇気を少しでも感じてくれたら嬉しい。

元カレへ。


 大切にしてくれてありがとう。

 でも、私が「子供ができた」と伝えた瞬間、あなたはいなくなったよね。

 あんなに私のことが好きだって言ってくれていたのに。

 たったひと言で、人ってこんなにも変わってしまうんだ。


 私はずっと自分を責めていた。

 あのとき止めておけばよかったのかなって。


「子供できたみたい」

 そう言った瞬間、あなたは家を飛び出していった。

 その直後、車にはねられて亡くなったと聞いた。


 あなたの手には、ケーキが握られていた。

 たぶん、本当に嬉しかったんだと思う。


 喜びから一気にどん底へ落ちて、私は泣き続けた。

 でも、そのとき決めたの。


──この子は私ひとりで育てる。

 あなたの分まで生きる。

 絶対に悲しい思いはさせない。


 夜寝る前、ふと頭の中にあなたの声がした。

 “ごめんね。大好きだよ”

 そんな気がした。


 幸せって、いつも当たり前みたいにそばにあるけど、本当はめっちゃ脆い。

 でも、失ったものの中にも、ちゃんと残るものはあって。

 それが“想い”だったり、“決意”だったりする。


 この物語を書きながら、「誰かのために強くなれる瞬間ってあるんだな」って思った。

 読んでくれたあなたの心にも、ほんの少しでも何かが残ってたら嬉しい。


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