恋愛小説で元鞘エンドだけは絶対に読みたくない!!
前々から言っている通り、私は短編~中編程度の長さの、主に異世界(恋愛)カテゴリ読みである。場合によってはハイファンタジーやヒューマンドラマ、その他カテゴリも読む。
ジャンルがばらけているのは、ランキング300位くらいまでを見ているからであり、短編および完結済み連載小説から選んで見ているからでもある。
その中で自分が好みそうなものをピックアップして読んでいるのだが、納得いかない展開がある。
題名にもある「元鞘エンド」である。
何が気に入らないのか?
それを徹底的に語っていこうと思う。
まず元鞘となるためには主人公が恋人(あるいは婚約者)に尊重されない状態がある・あったことが前提となる。
しかも大体は周囲がそれをヒソヒソ嘲笑うほどの関係性にあるわけだ。
嘲笑うことがなくとも、他人事の悲劇として扱って、尊重しない側を諫めることもないし、被害者である主人公を庇うこともほとんどない。
主人公はほとんどのケースにおいて自己救済を行う。
そうして主人公に捨てられる段階になって初めて尊重してくれなかった恋人ないし婚約者が「ホントは事情があったんだ!」などと縋りついてくるわけだ。
さて、皆さん、考えてみて欲しい。
恋人が浮気をしていたとしよう。
しかも浮気中ずっとこちらにメチャクチャ酷い態度で、いざ発覚したら
「寂しかったんだ!お前はずっと忙しそうにしてて!」
などと言って、別れ話を承認しないとしよう。
「アタシのことそんなに好きなのね♡じゃあこれからも付き合お♡」
となるだろうか。
私はならない。
そんなクソみたいな輩に人生の貴重な時間を使うのも勿体ないので知る限りの友人知人に情報をばらまいた上で連絡を遮断する。
なんならあっちの勤め先にも言う。ストーカーしてきたら訴訟するんでご協力ください、くらい言う。
態度にもよるけど。
そこまでいかなくても何をどう言おうが別れる方向に進むのではなかろうか。
そりゃ十年とか付き合ってたら惜しむ気持ちがあるかもしれないが、長期間に渡って冷たいどころか極寒の季節のロシアもかくやという温度の態度で接されたら百年の恋も冷めるのではなかろうか。
しかも浮気の理由がクソみたいな理由だった場合、許せるだろうか。
私は読んでいる時、主人公に感情移入する。
よほど感情移入し辛い話でなければ。
なので、主人公が尊重されない現状の改善を行うなら応援するし、尊重しない恋人ないし婚約者はクソだからとっとと捨てられてしまえと思う。
そういう人間なのだ。
だから、クソみたいな理由で、愛している人間を尊重しなかったカスと元鞘で終わる話には「はァ~!?」となるわけだ。
これが、ほんの浮気心だの、誤情報や思い込みを正さなかった故だの、クッソくだらない理由なことが多いので余計辟易する。
浮気心ならそのまま捨てられて二度と恋などするなと思うし、自分で情報を探ったり恋人を信じたりできなかった人間は、一生そのままだろうからやり直してもリバイバルするだけだろう。
そんな輩に大事な主人公を託したいと思わない。
折角苦労して別れる段階までいけたのだ。
クズと縁切りする段階までいけたのに、なんでそんな恋人ないし婚約者を尊重できもしなければ信頼もしない相手と関係を再構築する修行をすると宣言されねばならないのか。
正直元鞘エンドなら元鞘エンドと書いて欲しい。
そうすれば読まない。
私はマゾヒストではないので、嫌いな類の小説は絶対読まない。
実際、あらすじやタグに元鞘と表記がある場合はどんなに高評価で面白そうなあらすじであっても読まない。
それくらい徹底している。
しかし、元鞘であることを隠されると、踏んでしまうのだ。
マジで地雷みたいなもんである。
回避しようがあるんじゃないの?と思うかもしれないが、「ざまぁ」タグがついているので元鞘はないな!と思ったら、最終的に元鞘で終わったことが何度もあるのだ。
つまりタグが信頼できない。
しかもタグ数が足りなくて表記されていないということもない。
これが本当につらい。
恋愛カテゴリなのに恋愛要素が最後数行に出てきた優良物件と場当たり的にくっつだけ、というのを叩く位なら、表記なしに飛び込んでくる元鞘エンドのほうをなんとかしてくれと思う。
やっと主人公がハッピーになって終わるぞと思ったら新たな恋人ないし婚約者が寝取られてバッドエンド、ぐらい嫌なのだ。
書くな、とは言わない。
タグかあらすじに「元鞘」の二文字を添えてくれればそれでいいのだ。
オチのネタバレをタグでするのは風情がない?
最終結果を伝えたら価値がなくなるほど、その小説に魅力がないわけないので、まずは見たくないものに見ない自由を選ばせてほしい。
見たい人は元鞘だろうがなんだろうが見る。
ただ、見たくないと思っている人間もいるので書いて欲しい。
それだけ覚えて帰ってもらえれば幸いである。
正直ワガママ言ってる自覚はあるけど、NTRやビッチ堕ちと同じ感覚で「特殊なもの」として扱ってほしみがある。
6/23追記
「元鞘」と「やり直し」の間にある深い溝ってのを理解しました。
やむにやまれぬ「不幸な出来事」でお互い感情があって大事にしあっていたのに別れてから復縁するのと、本文中にあるような主人公虐待からの譲歩させられまくっての復縁とでは月とスッポンほどの差があるな…と感じた次第です。
やり直しは好きです。元鞘は中指立てます。