8 じゃんけん列車とお嬢様⁈
「らっぱーーーーーーーー!」
毎度おなじみ、大声と共にドアをけって教室に入ってくる、僕たち1年2組の担任のくま原先生!もう、ドアを直してくれてる業者さんに迷惑でしょ。いっそのことドアを外しちゃえば?
「ドアはけるためにあるのだ!」
なにそのごり押しのような理論!
「先生!さすがにけるのは良くないと思う!」
入学式の時に先生と変な並び方で息ぴったしになってた日光が正論を!
「だよな!けるのは良くないと思う!」
コアラも!今この空間でドアはけるためにあるって言ってるの先生だけだよ!
「せめて、手でたたいてください!」
え?
「手でなら壊してもいいよな!」
ダメだよ?まず、なんでドアを壊してはいる前提なの?普通に開けて入って来て?
「ドアのノックの回数は、世界標準マナーで、2回はトイレの在室確認。3回は家族や友人などの親しい間柄での使用。4回はマナーを重んじる公共の場での使用。」
ざつがくマン!ノックの回数による雑学ありがとう!でも、3人もドアを壊して入ろうとする破壊魔がいるから、あの人たちには関係ないかもしれん!
「自動ドアという俺の魔法を使えば両手を広げることでドアが開くのだぞ!」
自動ドアだからね?!魔法とかじゃなくて、自動って言ってるから!でも、僕でも理解できた中二病っぽさだったよ!
「クソ!死霊使い!貴様が失われた古代都市を滅ぼした元凶だとしても!殺戮を繰り返した元凶だとしても!力による処罰は俺にはできない!」
あっ。ゴメン。もう何言ってるかわからん。
「食用ティッシュってないかな~」
たぶんそれはティッシュではない何か。
「プリンってお菓子に入りますか?」
入るね。バナナじゃないから。
「おい!今日の1時間目何の授業だったか忘れた!」
それはやばい!頑張って思い出して!
「先生!1年生全員で集まって、友達百人作戦的なのをするんですよね。」
「ああ!そうだった!今から運動場に行くんだ!」
梅さん!入学式の時次の日もそうだったけど、なんでわかるのー!エスパー?怖いんだけど!
「もう時間がない!集合時間よりも5分遅れてる!」
遅刻じゃん!遅れてるじゃん!
「廊下走っていくぞ!」
廊下ってそもそも走っていい場所じゃないと思うんだけど!って待ってー!
「2組めちゃくちゃ遅かった!」
ゴメンー!でも、半分というか、ほとんど先生のせいだと思う!
「ハァァァァァァ!すわえ様の貴重な時間が!お前らのようなザコ&モブの2組のせいで!」
いや、いきなり怖い!
「無駄になってしまった!」
なんで2組って言っといて、僕が怒られてるの?!
「なんとなく!」
ひどくない?
「なるほど……だからそんな顔になってしまったのか!」
いや、何も言ってないけど?!あと、そんな顔って何?!
「あと、さっき私の名前叫んでたよね?ゴメンーって。」
名前ゴメンっていうの?!それはただ謝ってるだけ!勘違いさせちゃってゴメン!
「そういえば、まだ自己紹介してなかった!私は1年3組布団野 呑身だ!」
いや、ゴメンじゃないんかい!そして漢字難し!3組の方ですか?入学式以来かな?
「入学式にすわえ様の時間を無駄にするようなザコの中のザコであるモブにはあってない!」
さっきもそうだったけどめちゃくちゃ暴言ばっかりはかれてる!ひどくない?で、そのすわえ様とは?
「すわえ様を知らないなんて!ギャァァァァァァァァァァ!」
落ち着いて!うるさいから!僕、絶対かかわってはいけない系女子と会話してない?普通に怖いんだけど!
「すわえ様はすわえ財閥のお嬢様だ!ほら!いらっしゃった!すわえ様!」
いや、本物のお嬢様?
「もう!呑身ちゃん、学校ではそういう話はなしって言ったでしょ?」
「すみません!」
すわえ様は普通に優しそう!よかった!
「で、他の人に暴言はいちゃダメでしょ?何回も言ってるけど、私のことを自慢するのもダメ。分かった?」
すわえ様―!笑顔の裏にある黒い色のオーラは何ですかー?こっっわ!
「起こったお顔も素敵。」
あの2人はもういろいろとヤバイわ!
「1年生―!全員聞けー!」
くま原先生!マイクもって叫んでるせいで、全然聞こえない!
「今かキーーーーンでじゃキーーーーンめにキーーーーンきるだキーーーーンラスの人キーーーーンみてくキーーーーン!」
いや、なんて?全く聞こえなかった!
「お前のような下等種がすわえ様の近くにいるとは。」
呑身!さっきから、僕に対してのあたり強くない?
「私の特技は蚤サイズで絵を描くことができることだ!」
急な自己紹介!そして、蚤サイズで絵を描いたとしても、誰も見えん!
「だから、くま原先生の言葉も聞き取れたぞ!」
関係なくない?蚤サイズで絵を描くこととほっとんどキーンってなってるマイクの音を聞き取るの関係なくない?
「仕方ない!くまたん!じゃんけんで勝負だ!」
いきなり!何で?
「くま原先生がじゃんけん列車をやるって言ってただろ?」
いや、何も聞こえなかったから!
「最初はグー。じゃんけんパー。」
チョキ。勝った!
「グー出せよ!」
知らねえよ!列車なんでしょ!僕の後ろにくっついて!
「私がすわえ様も知らないような奴に負けるなんて、ありえないし。蚤サイズでで絵が見えないやつに負けるなんてありえないし。」
あのー。静かにしてもらっても?僕の耳にささやくような不満がすごいんだけど!めちゃくちゃ気になる!この人と関わっちゃいけないじゃん!僕これからの学校生活でパシられないよね?
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。僕さっきからチョキしか出してないんだけど?!
「クソ!あの2組に3組が負けた!」
2組舐められすぎじゃない?
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。
「最初はグーじゃんけんパー」
チョキ。いや、なんでみんなそんなにパーだすの?僕さっきからチョキだけで勝ってるよ!
「2組に負けてるの全員3組じゃん!」
3組パー大好き集団かよ!
「おーっと!ここで残り2つの列車になったー!」
はやない?僕まだ8人くらいとしか戦ってないんだけど!
「列車の先頭はー!2組くまたんと3組すわえだー!圧倒的にすわえの列車のほうが長い!」
いや、僕絶対勝っちゃダメじゃん!後ろからくる吞身の圧が怖い!多分さっきまでの流れ的に、すわえも3組だから、パーを出す!はず。だから、出すのはグーだ!
「最初はグーじゃんけんチョキ」
グー!なんでー!あの流れでパー出してよー!
「負けちゃった!じゃあ、後ろにつくね!」
すわえは超穏やか……でも。
「なんでパーを出さなかったんだ……すわえ様に勝つとは……」
僕も勝ちたくて勝ってるわけじゃないんだよ!
「今回のじゃんけん列車!くまたんを先頭に1つの列車ができたー!」
「よキーーーーン友達キーーーーンけキーーーーン!ありがキーーーーンした!」
また、マイクもって叫んだせいで何も聞こえない!ほとんどキーーーーンってなってる!
「おい!くまたん!次は、私が……すわえ様が勝つからな!覚えとけよ!」
いや、困るんですけどー!
「くまたん!」
あっ……うたたん。
「楽しかったでちゅか?」
いや、なんか疲れた……
「うたたんは1組の人たちとプリン愛について語って仲良くなったでちゅ!」
洗脳されとる!
「というか、来週?もうすぐ3組のすわえと吞身とうたたんとくまたんの4人でファミレスで一緒にご飯食べに行くんでちゅよ?」
ウソー!またあの2人と会うのー?
「楽しみでちゅね!」
楽しみだけど!絶対大変なことになる予感しかしない!