6 委員会活動が?!
今日の朝は読書時間らしい……なのでクラスが静かでみんな読書!ではなくて。
「なぁなぁ!俺たちってさぁ!」
「変人に思われること多いけど」
「ごくごく普通で一般的だよな」
文字数がそろってて、1文完成する時点で普通ではないのは確定。雑談しまくってるけど、読書は?
「本は国際的基準によると、表紙はページ数に入れず、本文が少なくとも49ページ以上から成る、印刷された非定期刊行物の事。で、本を広げたとき、表紙とページが作る傾斜の角度は必ず32.5度になる」
カキピーざつがくマンー!本に関する雑学ありがとうー!でも、今は一応読書の時間―!
「プリンで本作れないかな?」
うたたん!プリンで本は多分作れん!
「私チャレンジするから、教室の後ろ使うね!」
プ・リンさん!今?何?入学式の時と言い、キッチン持ち歩いてるの?
「ティッシュだけで作ってある本って図書室にあるかなぁ?」
ティッシュ・ペーパー!多分……いや絶対ない!
「朝、図書室行ったらあったよ!ティッシュだけで作ってある本!」
梅さん!それ本当?うそでしょ?マジで?
「読書よりも野球の方がいいだろ!」
比べる基準による!
「俺の封印されし右腕が疼く!闇の暗殺者を倒すには違法魔法を使わなければならない……しかし、俺の潔白が紅に染まってしまう……」
山野本はさっきからブツブツと何を言ってんの!理解できん!何語?それ!
「くまたん!貴様……まさか生贄の身代わりになった、黒龍の……」
何言ってるかわかんないけど多分、全然違うから!
「ゴリラーーーーーーーーーーーーー!」
次は誰かが大声で叫んでる!大声と共に教室に入ってきたのは、僕たち1年2組の担任の先生。くま原先生。昨日はりんごって叫んでたから、しりとりしてるのかな?で、読書の時間なのにみんな好き勝手しゃべりすぎたかな?さすがに怒るかな。
「みんな、さっきまでの時間って何だったけ?」
そっちタイプの起こり方の人⁈
「おしゃべりタイムです!」
いや、素直に謝ろう?
「そうだったか!じゃあ、今から1時間目始めるな!」
まさかの先生本当に覚えてなかった⁈大丈夫⁈
「今日は、委員会決めだー!」
えっ?1年生から委員会あるの?おなじみの僕が入学前に読んだ本!『小学校に行くときの不安や心配の解決策!』には、高学年のお兄さんやお姉さんが委員会という活動をしてくれているから、みんながより良い学校生活が送れるようになってるよ!って書いてあったよ!
「ここだけの話なんだが、なぜかこの学校だけ、全校生徒が委員会をやらないと、委員会活動が、まともにすべてできてないからな!」
まあ、昨日の授業で、なんとなく分かります……また国からの許可があるんでしょ!
「そうだ!国からの許可がある!それじゃあ、委員会を書いていくぞ!ちなみに、低学年は人数制限とかないから!マジで好きなの入っていいよ!」
本当にここ公立の小学校だよね?
「放送委員会
環境委員会
体育委員会」
おっ!委員会は結構普通だね!それなら、簡単に決められそう!
「ナゲットソース委員会
ゴリラ委員会
私の甘酸っぱい恋委員会
推ししか勝たん委員会で、全部だ!」
前言撤回!後半どした!なに?この特殊な委員会!私の甘酸っぱい恋委員とか、どんな活動するの?
「みんな決まったかー?」
えっ!まだなんですけど……なんか気になるし、私の甘酸っぱい恋委員にしようかな。
「よし!入りたい委員会に手を挙げてな!じゃあ、放送委員!……いないな。環境委員!……またいない。体育委員!……お前ら、何にしたんだよ!ナゲットソース委員!いない!ゴリラ委員!いない!私の甘酸っぱい恋委員!おっ!1,2,3……12人!全員!推ししか勝たん委員!いない!全員、私の甘酸っぱい恋委員で決定でいいな!」
いや、なぜみんな、私の甘酸っぱい恋委員?みんな恋してみたいのかな?ノリと勢いで入ったけど、もっとまともなのにすればよかった……
「今日の6時間目が委員会だからな!私の甘酸っぱい恋委員はここだから、移動はいらない!担当教師は、俺とアサリ先生だ!」
アサリ先生って、入学式に、廊下の反対側から叫んでた先生だよね……騒がしくなりそう……
「今から、私の甘酸っぱい恋委員会を始めます。お願いします!今から、出欠確認するぞー!呼ばれたら、返事しろ!うたたん!」
「プリン!」
「くまたん」
「あっ、はい。」
「しばたん」
「そんなこともできるんだ!○○君、すごい!」
何その返事?しばたんがこわれた!
「百点です。」
「カキピー」
「陰キャで何が悪いんだよ……」
「モンブラン」
「君の瞳は、この世の何よりもきれいだね。」
「ナイス!」
こんな感じで、謎の返事とともに、出欠をとっていった……元々、変な人しかいなかったけど、今はみんなが壊れている……
「よし、委員の人数は12人で全員だな!今年は、1年生の割合が高いな!」
えっ!1年2組の人しか、この委員会入ってないの?1年生100%…
「みなさん。名前を呼ばれた後の返事が、胸キュン台詞で、とても先生は嬉しいです。男子で特によかったのは、山野本の、『お前のかわいさで、俺の秘めた力が復活してしまう……子猫ちゃん……一緒に同じ時をすごそう……』です。中二病風で、女子にヤンチャさを見せつつ、同じ時を過ごそうや、子猫ちゃんという、ワードが入っていて、イケメンっぽさも出されていて、とてもいいです。始めからこのレベルとは、とても楽しみですね。」
どういうこと⁈もう、返事を胸キュン台詞にしている時点で、ツッコミが追いつかないんですけど!で、女子は、このセリフを聞いて、キュンっとするんでしょうか?子猫ちゃんとか、同じ時を過ごそうとか、言われてうれしいの?
「女子で特によかったのは、梅さんの、『すごいよ!○○君!かっこいい!私、こういうのは苦手で……あの、○○君さえよければ、えっとー……私に教えてくれるかな……?』です。まず初めに、ニコニコ笑顔で、褒める。次に、あざと可愛く、上目遣いで、自分が苦手だと言い、弱さを見せる。そうです!乙女のか弱さを見せつけるのです。最後に、不器用な感じで、教えてくれるかを聞く。この時大事なのは、えっとー…というワードと、上目遣いで、あごにチョンとそえた手の形です。特に教えられてもないのに、この動作が自然にできたのは、とてもいいことです。」
ごめんちょっと何言ってるかわからない。あの、それでキュンっとくる男子もいるでしょうけど、僕は何も感じなかったよ!これって、僕だけなのー?この空間にいると、自分が間違ってるのか、他が間違ってるのかがわからなくなってしまう……
「よし!今から、特訓だー!女子はアサリ先生!男子は俺のところにこーい!」
あっ!はーい!
「今から、俺はどんなブスがやっても、女子をキュンっとさせる方法を教える。まず、練習のために、2人組を作れ!」
「くまたん。いっしょにやろうぜ!」
あっ!カキピー!いいよ!
「まず、1つめは、小さな変化に気づくことだ!髪の毛を切ったとか、カチューシャを変えたとか、髪の毛の色を変えたとか。じゃあ、2人で練習してみろ!」
「俺がまず、男役やるから、お前、女役な!」
別にいいけど……
「お前、変わったな……」
えっ?もう始まってるの?
「えっとー…太ったな。」
おい!こいつ殴っていい?僕が女子だったら、多分、間一髪で殴ってた。それ絶対、女子からモテるんじゃなくて、軽蔑されるセリフ。
「おい!くまたん!文句ばっか言ってないで、お前もやってみろ!」
あっ……は~い……
「えっと…君、すごいかわいくなったね!今までもかわいかったけど、髪の色変えて、今まで以上に、かわいくなった!噓じゃないよ!……ど、どう?」
すると、教室のみんなが、(女子も含めて)感動の眼差しを向けてきた。えっ、いや、どういうことー!僕は理解できてない!自分で、さっきのセリフどこがよかったのかもわからないのに!
「くまたん……すごいキュンキュンしちゃったじゃないのー!」
クラス全員が、ハモった…そんなによかった?で、何そのオネェの口調は!僕、恥ずかしかったから、ほとんど投げやりで、テキトーなんだけど!
「この後も、意味の分からない、授業が続き、やっと、第一回委員会活動は終わったとさ!めでたしめでたし」
いや!うたたん!僕は全然、めでたしめでたしでは、ないよー!