12 いきなり学芸会?!前編
ただいま、お昼の休み時間です。劇の演目を決めています。
「三太郎はどうだ?」
いや、聞いたことないから!
「そんな王道はやめようぜ!」
王道なの?僕、はじめて聞いたよ?
「じゃあ、マニアックなところだと、桃太郎はどうだ?」
そっちは聞いたことある!桃太郎の方が王道!」
「じゃあ、桃太郎で決定な!」
「配役は、ランダムで、
桃太郎がくまたん。」
僕が主役?責任重大すぎん?
「おじいさんがペーパーで、おばあさんが、たろう。
犬はうたたん。猿がカキピー。きじはプ・リン。
ナレーターに梅としばたん。
鬼1 日光
〃2 コアラ
〃3 モ中
〃4 ココア
〃5 本
〃6 モンブラン
〃7 くま原先生」
いや、鬼と桃太郎達の人数差!あと、先生も出るの?
「演者宣誓は代表して、うたたんにやってもらう!」
何その、運動会の選手宣誓みたいなの!スポーツマンシップは関係無くない?
「くまたん・・・・・・君は知らないのか。毎年怪我人続出!その名も地獄の学芸会!」
いや、めちゃくちゃ物騒!
「毎年、一番演劇がすごかったクラスが優勝なんだが、みんな本気すぎて。」
僕らもう、負け確定のようなもんじゃん!僕らさっき配役発表されたんだよ?どうやって挽回するの?
「ちなみに、1年2組、1番はじめだから、もうそろそろだぞ!」
よりによって?練習する時間まじで0なの?
「まぁ、どうにかなるだろ!」
ノリ軽いな。
「プログラムナンバー1番
1年2組桃太郎です。」
もう始まっちゃったよ!
「昔々、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。」
梅さんのナレーションが始まった!いや、なんかね?学芸会独特の、始まる前のナレーションでいきなりドキドキするっていうのがないんだけど!
「めでたしめでたし。」
いや、終わっちゃったー!それじゃあ、あかんのよ!芸してない!ただの読み聞かせ!
「あー。やり直すね。」
「昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。」
お!幕が上がった!
「おー。ばあさんや。わしは芝刈りに行ってくるわ。」
「じいさんよ。わしも芝刈り行きたいわ。」
え?
「何を言うとるんじゃ。おめーさんは洗濯に行なはれ。」
「今はジェンダー社会じゃよ。じいさん。わしも芝刈り行ってみたいわ。」
うん。川に来て?川に来ないとお話始まらないんよ。しかもこの時代にジェンダーってあるのか?
「そうじゃな。ばあさんの言う通りじゃ。芝刈りにレッツゴー!」
いや、川に来て?
「ごめんくまたん!」
「やり直す!」
うん。そうして?
「ばあさんよ。わしは芝刈りに行ってくるわ。」
「何を言うてるん?わしがじいさんやで!」
え?(2回目)
「おいこらやるかぁ?」
「どうなっても知らんでぇ?」
ストップ!だから、川に来て?たろうがばあさんでペーパーがじいさん!
「ごめんくまたん!」
「やり直す!」
うん。さっきもこの会話したね。
「ばあさん。わしは芝刈りに行ってくるわ。」
「じいさん。気を付けていってらっしゃい。」
ふー。やっとじいさんどっか行った。
「ほんならわしも芝刈りに行くか。」
いやだから川に(以下略)ここまで物語にならないお話始めてみたわ!
「ごめんくまたん!やり直す!」
頑張って?
「ほんならわしは川に洗濯。」
やっと川にくるよ。
「あっ。ここ髪の毛崩れとる。直して行こ。」
え?(3回目)
「あっ。ここも。そういや、戸棚にお菓子あったな。食べようか。でも最近太っちゃったからなー。モデル体型になりたい。芝刈り行ったらなるかな。」
いがだから川に(以下略)
もうなんなん?洗濯する気あるん?
「ごめん!やり直す!」
ここまで川に来たくない人はじめて見たわ。
「ほんならわしも川へ行きますか。」
「臨時桃役のカキピーだ!俺に隠れて移動しろ!」
桃役?なんかすごいね。
「どんぶらっここ すっとここ ぼんぼんがやがや ばっしゃかしゃん」
いや、桃が動くときの音はどんぶらこーでよくない?まあ、いいや。拾って!
「レッツゴー!サーフィン!」
鬼役の方暴れないで?まてよ。ここ床普通に体育館じゃない?どうやってサーフィンしてるの?
「レッツゴー!スイミング!」
なんかもうどうでもよくなってきたけど、とりあえず桃を通らせて?
「おお。大きい桃じゃのう。」
いや、拾って?流さないで?
「了解!持って帰る!でもこれ、窃盗罪にならないか?」
この世界ではセーフっていうことで!
お!照明が切れた!
「おばあさんは家に桃を持ち帰り、おじいさんと食べることにしました。」
おっ。明かりがついた!
「レッツゴー!サーフィン!」
「レッツゴー!スイミング!」
いや、もういいから!
「よし!切ろう!そーれ!」
僕の出番!やっとだよ!
「桃から生まれた!桃太郎!」
よし!どうだ!
「桃から人が。」
「こえー。」
「何者?」
普通に引かないで?そういうお話だから!
「それから桃太郎はご飯を一杯食べれば一杯だけ。二杯食べれば二杯だけ。どんどん大きくなり、立派な少年になりました。」
あ。照明が暗くなった!
「猿です。」
「犬です。」
「雉です。」
いや、早い早い。まだおに退治にいってない!
「まだだったか。」
うん。あとちょっとまって?で、肝心のおじいさんとおばあさんがいないんだけど。
「まだ出番あったか。」
うん。まだあとちょっとあるね。
「おじいさん。おばあさん。僕は村で悪さしている鬼を退治してきます。」
「ふーん。」
「へー。」
反応うっす!鬼退治に行くんだよ?
「いってらっしゃい。」
おばあさん!きび団子は?
「どろだんごでよくない?」
全然違うよ?
「めんどくさいなぁ。」
なんで僕がわがまま言ったみたいになってるの?
「ほればあさんの代わりにわしがティッシュまるめてつくっておいたぞ。」
幼稚園児の工作ですか?いや、ティッシュでいいんだけどね?それをティッシュって言っちゃあかんのよ!お芝居だから!
「ほれ。ぎひだんご。」
きびだんごね?でもまぁ、ありがとう。って本物ー?ウソでしょ?向こうでグットサインをしているプ・リンさん。あの人は常にキッチンと材料を持ち歩いてるのか?
「一旦2秒の休憩に入ります。みなさんカップラーメンでも食べてください。」
いや、なんのための2秒?そして3分ないとカップラーメンは完成しない!2秒でできるやつなんかないでしょ!この休憩いる?じゃあ、次回。いきなり学芸会?!後編につづきます!
「続くかどうかは保証しません」
いや、ちゃんと続けてね?




