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リオウとナナミの物語 前編  作者: ふるたく
変化の時
8/11

愚かな自分

場が混乱している中、僕はナナミを見失っている、という失態を犯していることに気がつく。


(ナナミ!?ナナミは何処だ!?)



場は、


至る所で赤い血が床に広がっている。


血を流して泣いている人がいる。


剣と剣のぶつかる音がする。


僕「ああああああああああああああああ」


僕は叫んで、ナナミの居た方へ駆け出した!


(ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ)


頭の中でナナミの名前を叫び続ける



(ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ)


会場を見渡して血で濡れた人の顔を見る。


見る、見る、見る。



違う、違う、違う。



それが、どの人もナナミじゃない事にホッとする。


しかし。


ナナミの姿を探す。


居ない!居ない!居ない!



居ない!居ない!居ない!



居ない!居ない!居ない!



僕「う、、、」


僕「うあああああああああああ」


僕は剣を振り回して邪魔な赤いハチマキ男のその手を切り落とす。


斬!


赤いハチマキの男はその落とされた手を手に取り苦痛に顔を歪ませる。



僕は、許せなかった。



この場をこんな状態にした奴らを。



だからその剣に躊躇いなど無かった。



そして、許せなかった。



ナナミから目を離した自分に、、、!



僕「ああああああああああああああ」


赤いハチマキの男を次々ととなぎ倒す。



邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ



邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ



お前らは邪魔だ!



邪魔を、するな!



ナナミを探す邪魔を、するな!!!!




剣を振る。振り回す。




僕は




最悪の事態を想定して




涙が、出ていた、、、、



--------------------------------------------------------


僕のその突進。


それを見ていた人がいた。


騎士団団長、女性騎士、老師。


「うむ、、、まさに老師のおっしゃる言葉通り、、」


「そうじゃろう、そうじゃろう」


「あの時のアレは全力では無かったのですね」


「うむ、、これなら、、、直ぐに我々と一緒に仕事する事が出来るな」


「そうですね。即戦力、ですね」


「そうじゃろう、そうじゃろう」


そんな事を、三人は場を治めながら、話していた、、、、

--------------------------------------------------------


僕「うああああああああああああああ」



僕は剣を振り回し続けていた。



探す、探す、探す、探す



違う、違う、違う、違う




探す、探す、探す、探す




違う、違う、違う、違う




ナナミを探し回り続けていた。


(何処だ、何処にいる、、、ナナミ、ナナミ、ナナミ、ナナミ)



自分の失態を恥じる、呪う。



僕は、あの時、、、女性騎士と話すのが楽しくて


それで、ナナミから目を離した、、、!



そして、



何も、トラブルは起きないと、



油断した、、、!!



僕は、僕は、僕は、僕は



悔やんでも悔やみきれない。



自分は浅はかさに。




あの時の嫉妬心に。




愚かさに




愚かさに




愚かさに、、、!!!



!!??



その時、



(ナナミ!?????)


見つけた!!!



僕は見つけた!!!




階段の踊り場で、大貴族ガレスベイル様と共に居たのを!!



ようやく!!!




周りには3人の赤いハチマキをした男達。




僕はそのまま走る!


(助けないと、、、!)


僕がそう、思った、その時。



キイイイイイン



斬!斬!斬!



と、


大貴族ガレスベイル様はあっという間に3人の赤いハチマキの男達を切り捨てた。



(え、、、、、)



強い、、、強かった、、、、。



大貴族ガレスベイル様はとても強かった。


しかしそれもそのはず、大貴族ガレスベイル様は騎士団を統括する貴族なのだから。


その首領たる大貴族ガレスベイル様がその剣の腕を磨いている事に何の不思議も無かった。



(しかし、良かった、ナナミは、無事、、、)



僕は安堵したのか、その瞬間、緊張がほぐれ、急に汗が吹き出していた。


そして、


僕「はあっ、はあっ、はあっ、はあっ、」


息が上がっていることに、気がつく。



僕「はあっ、はあっ、はあっ」




ふと、その時、気が付いた。



辺りの、会場全体で、反乱が治っていることに。


僕「はあっ、はあっ、はあっ、」



(終わった、、、のか、、、、)



赤いハチマキの男は一人残らず倒れている。


怪我人の救護も始まったようだ。



呼吸を整える



僕「はあっ、はあっ、はあっ、」



そしナナミを見る。



大貴族ガレスベイルはナナミの身を案じて大丈夫か?と聞いている



僕「はあ、はあ、はあ、はあ、」



ナナミは大丈夫です、ありがとうございましたと、礼を言っている




大貴族ガレスベイルはナナミの大丈夫な様子にホッとしたのか、ニッコリ笑って抱きしめる。



僕「はあ、、、はあ、、、はあ、、」



そして、僕はそれをずっと見ている。



二人は互いの無事を祝うかの様に抱き合っている。




呼吸を整える




、、、二人は、抱き合っている。




僕「はあ、、、、はあ、、、、、はあ、、、」



二人は、抱き合っている、、、、



そして、



そして、



僕は見ていた。



ずっと。



それを。



大貴族ガレスベイル様と、ナナミが




長い、



長い、



長い、




キスを




する




ところ




を、、、




僕は、、



その場に



立ち尽くして



見て




いた、、、



んだ、、、、。




ずっと、、、、




ずっと、、、、





ずっと、、、、





ずっと、、、、、





、、、、。






、、、、。





、、、、、。


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