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リオウとナナミの物語 前編  作者: ふるたく
日常の姿
3/11

武力で解決

通りの怒号はゴロツキが1人の少年になにやら絡んでいる、という状況のようだった。


少年、、、が、絡まれている。


(だからか、、、)


僕はそう思った。


ナナミは正義感がたっぷりで、弱い者イジメなどを決して見過ごせない人だ。


絡まれているのが幼い子供だったのを見て、それでその瞬間走り出したのだろう。


と、


ナナミは、そのとびきりの運動神経の良さで、ダダダダダダッと、ゴロツキと少年の間に入り込み、少年を背に、ゴロツキに向かい合う


ゴロツキ「なんじゃい、われーーーーー」


急に自分のそばに来た女に驚いて大声を出す。


ナナミ「うっさい!!何があったか知らないけれど子供相手に何してんのよ!!」


ナナミも負けじと大声を張り上げる。


ゴロツキ「なんじゃい、お前がこの、、」


と、ゴロツキは自分のズボンの裾(、、、濡れている?)を指差し


ゴロツキ「このズボンの責任を取ってくれるんじゃろーーーなーーー!?」


われーーーと、いきり立つ。


どうやら、このトラブルは少年が手に持っているジュースをこのゴロツキは足にかけてしまった、のが原因のようだった。


ナナミは心底足れたように

ナナミ「なに、、、、そんなんが原因なの??」

と、ため息をつく。


小さい男ね、と追い討ちをかけるナナミに、

ゴロツキ「小さいも大きいも無いんじゃーーー!なら、われ!!!お前が責任、取ってくれても、いいんじゃのーーー」


と、言ってゴロツキはナナミの腕を掴む。


ナナミ「痛!」


ナナミは文句を言うがゴロツキの握力は非常に強く、手を振りほどけない。


ゴロツキ「ふっふっふ、よく見たら良い女じゃねーか!じゃあお前が体で責任取って貰おうか!!」


ゴロツキは下衆な笑いで下衆なセリフを吐く


ナナミ「いや!」


ナナミが本気で嫌がっている、、、ところ、ちょうどそのとき、



どっ!


僕がその間に割って入る。


僕「ちょっと待った!その人には手を出さないで貰いたい」


と、言いつつ、ゴロツキの腕を捻り、ナナミの腕を救出させる、と同時にナナミを背後に回して自分が盾になる。


この間、僅か1秒。


(我ながら決まった!)


と、僕は心の中で自分に拍手した。


しかし、


腕を払われたゴロツキは激昂し、


ゴロツキ「なんじゃい、われーーーーー」

と、何度目かの自分が邪魔されて事にブチ切れ


そして


ぶん!!!!


と、


右腕でリオウの顔面をぶん殴って、きた、、、


(しまった、、)


仲裁しようとして場をヒートアップさせてしまった事を少し反省する でも瞬間

(でも、仕方ないよな、、、)と、僕は自分で自分を擁護して


そして


バシッ、と


ゴロツキの腕を受け止め、


僕「ん!!」


と、膝蹴りを


ゴロツキのアゴに一線させた


バキィイイイ


鈍い音がゴロツキのアゴから聞こえ、そして、ゴロツキはその場で気を失って倒れてしまった、、、、


どさ、、、、、っと。


--------------------------------------------------------

僕がゴロツキを膝蹴りで、のした直後、周りから歓声が上がった!


僕は周りの人だからからすればヒーローだった。


でも僕にはそんなもの興味無く


ただ、ナナミがそのトラブルの場に居ることに焦りを感じていた。


だから


僕は直ぐにナナミの手を取り


僕「さ、逃げますよ!」


と、少年を置いて駆け出した。


ナナミは困惑している。


ナナミ「ま、待って、リオウ、あの子が」


と、言いつつ、しかし僕の引く手の力が強くてナナミは少年の元には戻れずに、僕と並んで走っている。


僕「大丈夫ですって!あの子だって逃げますよ!」

僕「それよりやばいのは僕らです!あのゴロツキの仲間がやってきたらヤバイですって!」

という、ナナミを心配する僕の言葉に


ナナミ「貴方が先に手を出すからでしょう!」

と、一喝する。


(、、、、、、。)


それは確かに僕が先に手を出したのだけど、僕は後の先を取っただけだし、それを作り出した原因はナナミだし、あの時ナナミを守る為にはどうしようも無かった、、、


、、なんて、言い訳が瞬時に頭の中を駆け巡る!


駆け巡ったが、、、そんな事、言える筈も無く、


僕「はい、すいません、、、、」


と、僕は平謝りした、、、


ナナミは、先程の現場をチラリと見て、少年がその場にいない事を確認して、少年はキチンと逃げれたのだろうと安堵していた。


ナナミ「んもう、、、しょうがないわね」


と、どうにか僕の不備を許してくれたようだ。



と、そこへ、2人を追ってきた老師が合流する


老師「ほっ、ほっ、ほっ!」


軽快なリズムで走ってくる老師。


老師「いやはや、リオウ、外から見ていたが中々の手際だったわい」


と、老師はナナミと違って褒めてくれた。


老師「うむ、うむ。アレなら騎士団に推薦しても良いかもしれんぞ!」

と、全面的に肯定的な意見だ。


しかし


ナナミ「ん、もう!あんな暴力で解決するなんて邪道です!それを褒めないで下さい!」


ナナミは心底気にいらなかったようだ。


僕「、、、、、、、、、」


僕の不備についてあーだこーだ言い合っている2人の声を聞きながら



こうして、三人で買い物に来る、なんて事も無くなるんだろうな、、、



と、近い未来に起こる色々な事を予測しいた、、、
















さて、リオウが助けた少年は


ゴロツキが気を失っているのを確認すると、タタタタっと、その場から離れて行った。


そして、直ぐに自分の保護者を見つけると、その人に抱きついた。



その保護者は、少年の頭を撫でると、手を引いてその場を後にする。


と、ふと、先程の現場に振り向いて


「中々やる男もいるのね」


と、感心しながらその場を後にした、、、

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