武力で解決
通りの怒号はゴロツキが1人の少年になにやら絡んでいる、という状況のようだった。
少年、、、が、絡まれている。
(だからか、、、)
僕はそう思った。
ナナミは正義感がたっぷりで、弱い者イジメなどを決して見過ごせない人だ。
絡まれているのが幼い子供だったのを見て、それでその瞬間走り出したのだろう。
と、
ナナミは、そのとびきりの運動神経の良さで、ダダダダダダッと、ゴロツキと少年の間に入り込み、少年を背に、ゴロツキに向かい合う
ゴロツキ「なんじゃい、われーーーーー」
急に自分のそばに来た女に驚いて大声を出す。
ナナミ「うっさい!!何があったか知らないけれど子供相手に何してんのよ!!」
ナナミも負けじと大声を張り上げる。
ゴロツキ「なんじゃい、お前がこの、、」
と、ゴロツキは自分のズボンの裾(、、、濡れている?)を指差し
ゴロツキ「このズボンの責任を取ってくれるんじゃろーーーなーーー!?」
われーーーと、いきり立つ。
どうやら、このトラブルは少年が手に持っているジュースをこのゴロツキは足にかけてしまった、のが原因のようだった。
ナナミは心底足れたように
ナナミ「なに、、、、そんなんが原因なの??」
と、ため息をつく。
小さい男ね、と追い討ちをかけるナナミに、
ゴロツキ「小さいも大きいも無いんじゃーーー!なら、われ!!!お前が責任、取ってくれても、いいんじゃのーーー」
と、言ってゴロツキはナナミの腕を掴む。
ナナミ「痛!」
ナナミは文句を言うがゴロツキの握力は非常に強く、手を振りほどけない。
ゴロツキ「ふっふっふ、よく見たら良い女じゃねーか!じゃあお前が体で責任取って貰おうか!!」
ゴロツキは下衆な笑いで下衆なセリフを吐く
ナナミ「いや!」
ナナミが本気で嫌がっている、、、ところ、ちょうどそのとき、
どっ!
僕がその間に割って入る。
僕「ちょっと待った!その人には手を出さないで貰いたい」
と、言いつつ、ゴロツキの腕を捻り、ナナミの腕を救出させる、と同時にナナミを背後に回して自分が盾になる。
この間、僅か1秒。
(我ながら決まった!)
と、僕は心の中で自分に拍手した。
しかし、
腕を払われたゴロツキは激昂し、
ゴロツキ「なんじゃい、われーーーーー」
と、何度目かの自分が邪魔されて事にブチ切れ
そして
ぶん!!!!
と、
右腕でリオウの顔面をぶん殴って、きた、、、
(しまった、、)
仲裁しようとして場をヒートアップさせてしまった事を少し反省する でも瞬間
(でも、仕方ないよな、、、)と、僕は自分で自分を擁護して
そして
バシッ、と
ゴロツキの腕を受け止め、
僕「ん!!」
と、膝蹴りを
ゴロツキのアゴに一線させた
バキィイイイ
鈍い音がゴロツキのアゴから聞こえ、そして、ゴロツキはその場で気を失って倒れてしまった、、、、
どさ、、、、、っと。
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僕がゴロツキを膝蹴りで、のした直後、周りから歓声が上がった!
僕は周りの人だからからすればヒーローだった。
でも僕にはそんなもの興味無く
ただ、ナナミがそのトラブルの場に居ることに焦りを感じていた。
だから
僕は直ぐにナナミの手を取り
僕「さ、逃げますよ!」
と、少年を置いて駆け出した。
ナナミは困惑している。
ナナミ「ま、待って、リオウ、あの子が」
と、言いつつ、しかし僕の引く手の力が強くてナナミは少年の元には戻れずに、僕と並んで走っている。
僕「大丈夫ですって!あの子だって逃げますよ!」
僕「それよりやばいのは僕らです!あのゴロツキの仲間がやってきたらヤバイですって!」
という、ナナミを心配する僕の言葉に
ナナミ「貴方が先に手を出すからでしょう!」
と、一喝する。
(、、、、、、。)
それは確かに僕が先に手を出したのだけど、僕は後の先を取っただけだし、それを作り出した原因はナナミだし、あの時ナナミを守る為にはどうしようも無かった、、、
、、なんて、言い訳が瞬時に頭の中を駆け巡る!
駆け巡ったが、、、そんな事、言える筈も無く、
僕「はい、すいません、、、、」
と、僕は平謝りした、、、
ナナミは、先程の現場をチラリと見て、少年がその場にいない事を確認して、少年はキチンと逃げれたのだろうと安堵していた。
ナナミ「んもう、、、しょうがないわね」
と、どうにか僕の不備を許してくれたようだ。
と、そこへ、2人を追ってきた老師が合流する
老師「ほっ、ほっ、ほっ!」
軽快なリズムで走ってくる老師。
老師「いやはや、リオウ、外から見ていたが中々の手際だったわい」
と、老師はナナミと違って褒めてくれた。
老師「うむ、うむ。アレなら騎士団に推薦しても良いかもしれんぞ!」
と、全面的に肯定的な意見だ。
しかし
ナナミ「ん、もう!あんな暴力で解決するなんて邪道です!それを褒めないで下さい!」
ナナミは心底気にいらなかったようだ。
僕「、、、、、、、、、」
僕の不備についてあーだこーだ言い合っている2人の声を聞きながら
こうして、三人で買い物に来る、なんて事も無くなるんだろうな、、、
と、近い未来に起こる色々な事を予測しいた、、、
さて、リオウが助けた少年は
ゴロツキが気を失っているのを確認すると、タタタタっと、その場から離れて行った。
そして、直ぐに自分の保護者を見つけると、その人に抱きついた。
その保護者は、少年の頭を撫でると、手を引いてその場を後にする。
と、ふと、先程の現場に振り向いて
「中々やる男もいるのね」
と、感心しながらその場を後にした、、、