ドレス姿に見惚れて
ナナミ「うーーーん」
ナナミはドレスを取っ替え引っ替え試着しては悩んでいる。
老師「のう、リオウ?」
老師は僕に尋ねてくる。
老師「これは、いつまで続くんじゃ、、、」
と、老師はそのナナミの様子をへきへきときた感じで見ては、僕に愚痴ってくる。
僕は苦笑いをして、まあまあ、と老師をなだめることしか出来なかった。
そして、ふと、ナナミのドレス姿を見る。
その姿は、とても綺麗で、魅力的だ、、、、と、思った、、、、、
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僕達はいま、村から離れ、中央地区にある大きな街に来ている。
それは、ナナミが今度参加するパーティーに来て行くドレスを買うためだった。
そのパーティーに「参加する事」がナナミの結婚と大きく関わるだろう予測から、僕はその買い物に付いていくことな複雑な気分だった。
しかしながら、そのナナミの様々なドレス姿を見ていると、僕は不思議と幸せな気分になっていた。
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ナナミ「うーーーーーーーーーん」
ナナミは中々 「これ!」というものが決まらないようだ。老師は待つのに疲れ果ててその場に座り込んでいる。
僕「、、、、、、、」
僕は、と言えば。
僕はただただ驚いていた。
それは何かと言えば。
ナナミの端正な顔立ちは分かっていたつもりだった。でも普段オシャレをしないナナミばかり見ていたせいだろう。
ここまで変わるのか、、、、と
ドレスを着ただけで、ここまで変わるのか、と。
僕は心底驚いていたんだ。
ナナミ「ねえ、リオウ?これはどうかな?ちょっと派手過ぎるかな?」
だからか、たまに聞かれるナナミの質問にただただ頷く事しか出来なかった。
僕「凄く似合うと思うよ。」
ナナミ「んもう!何でも良い良いだけ言ってたら分からないよ!」
と、プリプリ怒り出すナナミ。
僕「ご、ごめん、、、」
僕は平謝りするが、、、、
何処と無く、何となく、怒っている割にはどこか嬉しそうで、
僕には怒っているのか、喜んでるのか分からなかった。
僕「女の子って難しいんだな、、、」
僕はそう結論付けた。
、、、、、、、。
そして、そのドレス選びはその後2時間程続いたのだった、、、、、
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老師「はてはて、やーーーーー、っと、帰れるわい」
老師は歩きながら伸びをする。
ドレスショップを出て街を少し歩いている途中。
ナナミ「だから私は別に付いてこなくて良い、と言ったんです!」
と、ナナミは強めの口調で、文句を言うな、と老師に言う。
僕はその様子を苦笑いして見ていた。
僕「ところでナナミ、これでもう帰るの?」
と、僕が聞くと
ナナミ「うーーーん、もう少し見ていたいけど、ね」
と、言いつつ老師を横目でチラリと見る。
老師「わしは帰りたい、、、」
ナナミの皮肉にも気付かず、老師は本音を吐露する。
ナナミは、はあ、、、と、ため息を1つつき、
ナナミ「まあ、目当てのものは買ったから、良いけど、、、」と
三人の気持ちが「帰ろう」に固まったとき、
何やら歩く先の通りから怒号が聞こえてきた。
三人は顔を見合わせて
僕「なんでしょう?」
老師「ああ言うのには関わらん方が良い。離れて歩こう」
と、トラブルを回避しようとする老師の言葉は完全にスルーされて
ナナミはダダダダダダッと、その怒号の方へ駆けていった、、、。
老師「あのお嬢の性格はどうにかならんかのう、、、、」
と、トラブルに直ぐに首を突っ込むナナミの性格に非難の声を挙げる。
僕は今日何度目かの苦笑いをして、ドレスを老師に預けて
ナナミの後を追ったのだった、、、、