流川ブラックハニー ジュリナ(流川黒心連合 黒姫)
「ジェイ・・・」ジュリナ
J・・ジェイ・・
ジェイフォージェイ・・
J・FOR・J
J4J・・
ジュリ・・
どれが正解で、どのピースだ?
「・・・あ、大刀さんは?」ジュリナ
「それが・・」黒服
そろそろ来店されてもいい時間だったが・・
「自分の判断で天野さん来られてると連絡させていただきました」黒服
「うん・・。いいと思う。」ジュリナ
バッティングしても問題はないんだろうが、一応万全に。
大刀も今日は無駄なバッティングは避け、
ジュリナの店へは後日向かうことに。
ただこの時期に私に会いに来るのは遊びではないはず・・
遊びなら天野さんが居てもここに来たはず・・
「・・・・・・・・」ジュリナ
「近いうちにお土産でも持って紙屋町の方にでも行かれたら・・」黒服
何かしらの理由を作って・・
「そうね・・。手配お願い。」ジュリナ
「了解しました。」黒服
そしてジュリナの店から引き返した大刀とノブオは、
流川を歩きながら・・
「ノブオぉ、今広島で一番客が入っとる店はなんじゃと思う?」
そりぁ・・ジュリナの店か・・踊る方のクラブ・・
「ま、それも正解なんじゃが・・」大刀
言い方が悪かったかのぅ、一番売上、純利が上がっとる店じゃ。
「ここじゃ。」大刀
「あ!相席バーっすね!」
オシャレな作りに、教育の行き届いた黒服に案内され・・
「では当店のシステムを・・」黒服
大まかに・・
10分500円飲み放題。フードは別料金
女性は無料で飲み放題。
席替えしたい時は黒服にカードを。
「へー、安いキャバクラって感じですね」ノブオ
「ほうじゃ。客も一杯じゃろ。」大刀
そして席に着いて数秒後・・
「こんばんはー」
「おじゃまします」
女性が大刀達のテーブルに。
「じゃあ飲み物頼んで乾杯しよう」大刀
「はーい」
ここは40代でもギリ大丈夫な店の雰囲気だ。
50だと少し浮いてしまうが・・
「若い子はうざくてぇ」新規女性客
「ちょうど今いいおじ様がおられるんで」黒服
黒服がそこはうまく回す。
大刀達も入店時になるべく若い子は避けて大人な女性をと・・。
相席屋は黒服次第で店の質が決まる。
(なるほど・・)ノブオ
頭の中で電卓を弾くノブオ。
飲み屋の一番のネックは人件費だ。
お客が入ればいいが、入ってない時にも時給は発生する。
それがここでは女の子のギャラは発生せずさらに・・
「わーもうこんな時間か」
「安いんだし後一時間だけ居ようぜ」
明朗会計で、長居してしまう客達。
途中腹が減れば、割高なおつまみも注文する。
「いらっしゃいませ大刀さん」黒服
「うん。遊ばせてもらってるよ」大刀
「あ・・流心組の・・」ノブオ
ここは、天野とは別の流心組のガードの入った店だ。。
そう、相席「居酒屋」・・とはいえど、管理はヤクザだ。
「頭、もしかして・・」ノブオ
「そうじゃ。」大刀
ピンク系の店はご法度の紙屋町に・・
「明日は東京に視察行くからの」大刀
「はいっ」ノブオ
やはり・・
「紙屋町に相席居酒屋なら出せますね!」ノブオ
これなら、あくまで居酒屋だ。
中身はほぼ飲み屋、キャバクラだが。
「まぁ、これの売り上げ期待もそうじゃが・・」大刀
街も時代のニーズに合った店が無ければ流れが止まる。
人が動き続けるから街に金が落ちる。
「紙屋町の夜の流れも出来るだろ」大刀
「ですね・・」ノブオ
紙屋町で飲み始めた客は、
その後八丁、流川へと流れていくパターンだ。
故に深夜の薬物売買などの売り上げは八丁、流川へと傾く。
「深夜出た客にジェイに声かけさせぇ。」大刀
「新規客も取れそうですね」ノブオ
薬物売買のキャッチ。
それも・・
「合法の奴多めに仕入れとけよ」大刀
「はいっ」。ノブオ
初めてでもためらいなく手を出しやすい物を。
そして次の日東京の赤坂・・
「へー、R30ですか。」ノブオ
「ここも繁盛しとるの」大刀
R30の相席だ。
東京には、この店の視察もあったが、赤坂と言えば・・
「どうもようこそ赤坂へ。○○会若頭補佐の山本です」
「共黒会若衆、紙江田組若頭の大刀です」
広島ヤクザのイメージは武器というか、事が有利に運ぶ。
日本3大大手ヤクザ組織との外交で・・
「いやぁ広島ヤクザは恐いですから」
「いえいえ、所詮田舎ヤクザですから」大刀
お互いに利点のある外交だ。
東京のヤクザからすれば、
広島の幹部と個人で繋がってるってだけでも箔になり・・
「やはりこちらは勉強になります」大刀
「少し嫌な気もありますけどね東京は経済ヤクザなんて言われて」
だが圧倒的な資金力だ。
「まぁ、ご存知の通り、今の売り上げ比率は・・」
まず一番が、振り込め詐欺だ。
「まぁ準コー(準構成員)の半グレが昼に勝手にしのいでくれてます」
夜は・・
「やはりセキュリティー兼、薬物売買ですね」
そして六本木に移動して・・
「お疲れ様です!」黒服
「お疲れ様です!」黒服
「おお。共黒会からの客だ。VIP通せ」
「あの共黒会ですか!」黒服
どこにでもいるセキュリティーの不良達にも、
共黒会を連れてる東京のヤクザに目を輝かせる。
「気を付けんと、お前等、血を血で洗われるぞ」
「すいませんっ!すいませんっ!どうぞこちらへ!」
「洗っちゃろうか!?おおう!?」ノブオ
「ははははは」大刀
そしてこちらも是非視察したかった・・
「おおお!。」ノブオ
「うん。さすがのネームバリュー」大刀
「まぁ、東京では、ここ・・」
バーレスク東京が圧倒的集客力じゃないでしょうか、
後は新宿のギラギラガールズか・・
「まぁ、この中でも時折居る・・」
「あっ!あの客すげえチップの量!」ノブオ
やはり東京の金持ちは桁が違う。
「あれは?」
「・・レストランチェーン店の社長さんです」黒服
やはり太客の金が店の売り上げを一気に押し上げる。
「・・あの社長かわいい子連れてますね」大刀
「パパ活ですよ。」
今、人気がないのがお水の娘達だ。
新規参入してきたウブで安い女に勝てる訳がない。
「だから今、お水の子は・・」
本気か、腰掛か・・
「両極端ですね・・」
「華を演じ切るのも大変ですしね・・」大刀
「なるほど・・」ノブオ
とにかくプロとして、華を纏って、纏って・・
「ジュリナ・・でしたっけ?広島は」
「ええ。よくご存じで」大刀
「あ、なんか、お水の大会があるとか・・」ノブオ
キャバ譲ナンバー1決定戦だとか・・
まぁこの手の大会はよくあって、ホスト版とか・・
でもこういった大会は結局・・
「各々の太客に大金落とさす為の・・」
ウチのイベント(ヤラセ)ですけどね。
「さすがです」大刀
「うわぁ・・金持ちじゃなくて良かったぁ」ノブオ
そして、ここではヤクザの交渉も・・
「大刀さん、今まだ広島の武器屋は・・」
「ええ。ありますよ。共黒会ではないですが・・」大刀
「一応名目上は・・です。」ノブオ
都内で簡単に手に入るのは、少量の薬と武器だが・・
「ウチは本筋のルートがなくて・・」
海外からの直請けのルートだ。
密輸のメッカ横浜港は別の大手ヤクザ組織が取り仕切ってるし・・
「シークレットサービス(グループ名)ですね・・」大刀
「ええ。直輸入だと・・」
ですが・・
「弊社が間に入る形でよろしいでしょうか?」大刀
「ええ。是非そうしていただけると助かります」
知らない者からリスクを背負って取引するよりか、
この大刀に少々ピンハネされようが、その方が得策だ。
「では、いい取引を期待してます」
「こちらも勉強になりました。その節ではよろしくお願いします」
「では失礼します」
やってることは、ただの暴力団だが、
正式な(偽装)書類をもって、正式な会社と取引する。
これが経済ヤクザだろう。
紙屋町はこの件もノーリスクで事を進める。
あくまで東京の会社に貿易業者を仲介、
コンサルティングしただけだ。
「いかに合法の利益を上げる仕事を増やすかじゃ」大刀
「暴力団なんていずれ無くなりますよね」ノブオ
今、コンプライアンスの無いヤクザなど生き残れない・・
いや、大金を稼げない。
故に出来る範囲の中で奪い合う・・
薬物、みかじめ、ガード・・どれもリスキーだ。
だが・・
「でも、どうして頭は、その渦の中に・・」ノブオ
広島で始まろうとしている、利権の奪い合い。
「・・・ワシの手が・・」大刀
血で染まるか?
ふふ・・染まらんじゃろ。
「・・・・・頭が一番悪党でしょうね」ノブオ
広島で・・
自分はいつもノーリスク。
ガキも踊らさすだけ踊らして・・
「お疲れ様です~」ジュリ
「おう。じゃあ飯行こうか。何食いたいか?」大刀
「あ・・東京来とったんじゃのジュリ」ノブオ
ガキのアフターもしっかり。
そりゃそうだ・・このガキにしっかり稼いでもらわんとな・・
ジェイをトップチームに押し上げた・・作り上げたのも大刀だ。
演出や過去の実績も申し分ない・・
「表参道行きたい!」ジュリ
「・・・わりゃアメ横くらいにしちょけや似合わんわ」大刀
「ほうじゃの上野で立ち食いソバじゃ」ノブオ
ただ謎なのは・・
(このジュリは大刀の頭のなんじゃ?)ノブオ
ジュリが頭を好きそうなのは分かるが、
頭がこがいなブスに・・・
ただの駒か・・使い捨ての・・
それとも男と女の関係なのか?
正直似合わん・・大刀の頭に似合うなら・・
やはりジュリナ。広島で一番目立ってる女。