共黒会 流黒組 若頭 天野
「ウォン!ウォン!!!」
流川にジュリの単車のコールが鳴り響く。
煽っている・・いや誘っている・・
コールを切る手以外はピクリとも動かず、
ジュリナの方を熱く睨みつけるジュリの視線・・
「・・・ジュリナさんお店の中へ」黒服
「・・・・・」ジュリナ
ジュリナはジュリを遠めに無言で歩き出し店の中へ。
「ジェイフォージェイが突っ込んできたぞ!」
「ジュリナはもう店入った!空いてる人数で対応しろ!」
「ジェイこらぁ!やかましぃんじゃ!」
少し慌ただしく動く流川。
まったく事情を知らない飲み客から見れば・・
「女の子が単車で吹かしとるから、黒服に怒られとるで」
「黒服大勢が注意しに行ったな。逃げるであの子」
「ちっ!」ジュリ
ジュリは悔しそうな演技で、うまく場面を売って退散。
そしてジュリが退散してすぐ、
遠くから誰が見てもヤクザだと分かる、
古典的な格好のヤクザが現れ・・
「どけっおらぁ」
「わっ!すいません!」
飲み客を蹴散らしながら肩で風切って歩いてくる男。
「お疲れ様です!」「お疲れ様です!」
流川のセキュリティー達が頭を下げていく波が異様な光景だ。
「・・・お疲れ様です。」黒服
そしてジュリナの店の前まで来て・・
「・・おるのぅ」
止まっているランボルギーニを軽く横眼にして・・
「天野じゃぁ」
「いっ!いらっしゃいませ!」黒服
そしてただ天野と名乗り店に入っていく。
そして慌ただしく動く黒服達。
「ジュリナさん!」黒服
「ん?」ジュリナ
すぐに伝えられるこの天野の入店情報。
「・・・奥(VIP)通し」ジュリナ
「・・ですが・・」黒服
奥は後程、紙江田の大刀さんが来られる用でリザーブに・・
だがこの天野を一般のお客様と同じ席に座らせば・・
「お客みんな帰るよ・・」ジュリナ
「ですね・・」黒服
いつの時代もヤクザ客は諸刃の刃だ。
金は落とすが他のお客は来なくなる・・
「天野じゃジュリナ呼べぇ」天野
「はっ。すぐに」黒服
天野・・
「なんじゃあのクソヤクザは」客
「あれが天野さんです。流黒組若頭の」キャバ譲
「あんなぁが、てっぺんまで有るゆぅ天野か!?」
天野は有名だ。この広島で古典的な勢いのある武闘派ヤクザ。
そして次の次の共黒会のてっぺんまで狙える男と・・
「ほう。昔のヤクザ(廣島ヤクザ)じゃのぅ」客
「ええのぅやっぱ広島のヤクザはあーじゃないとの」客
廣島ヤクザ・・
先輩方が血で血を洗い作り上げてくれたありがたいイメージ・・
気性が荒く、よそ者には媚びず、広島を愛し自分の意志を貫く。
良いことなのか、悪いことなのか・・
「バチーン!」
「どけぇブスが!天野じゃぁ!広島から叩き出すど!」天野
「いっ!・・ごめんなさい!」キャバ嬢
仁義より先に手が出る・・
爆弾なようなヤクザ・・それが廣島ヤクザ。
ただし・・
「けっ・・貧乏ヤクザが・・どうせいつもの焼酎だろうが」黒服
「お・・おい・・聞こえたら死ぬぞ・・」黒服
当然だ。この時代にイケイケでお金が入ってくるわけない。
売れた名前で恐喝はたやすいが、所詮短期のバイトだ。
流川の厚い地盤で、みかじめ、薬物売買の売り上げは多いが
それも組にほとんど吸い上げられ潤うのは親分だけ。
かつかつヤクザだけで食べていけるのは、
せいぜいこの若頭の天野くらいだ。
正直ヤクザは自分の若い衆の人工出しの吸い上げか、
お水の女が居ないと食っていけないのが現状だ。
「おうっジュリナぁええ加減ヤラせぇや2万でええか?」天野
「ご機嫌ですね天野さん。ジュリナは2億です♪」ジュリナ
ジュリナは確かに顔もかわいいが・・
(誰もが欲しがる女だ・・この天野さんも・・)黒服
やはりこのジュリナが広島の顔だからだ。
全国的にも有名で、連れてて羨ましがられる女だ。
ステイタスというか・・
ヤクザにはもってこいの女だ。これほど目立った女は。
ミステリアスなのも、男が欲しがる理由だ。
奥が見たい・・この女の・・
ランボルギーニ?
それほど使える金持ってるのか、貢ぐカモがいるのか・・
「プルルルル・・」
「・・・んっ!?」天野
「お電話鳴ってますよ天野さん」ジュリナ
天野の携帯が鳴り・・
「おう・・」天野
「・・・・」ジュリナ
おう・・・
はい、ではなく、おう、ということは、自分より下の者か女・・
「おう・・おう・・」天野
「・・・・・・・・」ジュリナ
この天野の動きが気になるジュリナ。
ジュリナは天野の流黒組傘下の不良チームだ。
ガキの抗争が始まっても、これと言った指示はまだ無し。
「仕事じゃ。帰るど」天野
「はいっ。ありがとうございました。」ジュリナ
誰だ?声は聞こえなかったな・・
この天野が店に来たばかりなのに腰を上げる相手、用は・・
ただチラリと見えた携帯の着信の登録名は・・
「・・・J。」ジュリナ