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廣島  作者: 火村虎太郎
36/37

神戸派淡路組と新しい死体

名古屋で・・


「金本さん、本当にウチだけは名古屋に戻れるんですよね?」

「そうじゃ。淡路に付いとっても徳はないぞ」金本


それに抗争になってもそっちの組だけは的にかけんわ。

大刀にもそう了承取っとる。

密約・・抗争が終結したら淡路の若頭は名古屋に移籍・・


「三州と名古屋相手になんて無理じゃろ」金本

「ええ・・」若頭


くく・・淡路の組内でこの若頭の組さえ飲み込めればそれでいい。

後の残りカスは三州に飲み込んで貰おう。

淡路の重要組織はこの若頭の組織だ。

過去にもここから神戸の本家の組長を出すなど名門中の名門だ。


「早う火に油注いで来いや」金本

「はい・・まずは明日広島に向かいます」若頭


そして翌日の広島で・・



「オヤジっ淡路からお客様です」純也

「うん。出よう」花元


ヤクザの付き合いって本当忙しいんじゃな・・

淡路は神戸から暫定的に割って出た組織だ。

暫定的にってのは、まだどちらも同じ代紋を掲げているからだ。


「淡路の若頭しております○○と申します」

「二代目水沢の花元です」花元


こんな若造にも丁寧なあいさつをしてくれる若頭

昨今の暴力団事情の話題で盛り上がり・・


「まぁウチも他団体で・・」花元


唯一付き合いが出来るとしたら淡路組くらいだ。

三州とは敵対してるし、神戸とも貫目が違い過ぎるし、

さすがに孤立無援だと厳しい・・


「まぁウチも・・」若頭


淡路は古臭いヤクザの集まりだ。

神戸を割って出たのも、

任侠より金という名古屋方式が合わなかったからだ。

そして二代目水沢組は・・


「若者の集まりですが、古臭い廣島ヤクザだと伺っております」若頭

「ええ。そこは自信をもって」花元


同じ匂いのするヤクザ・・


「いい縁組が出来れば」花元

「ええ。ウチも共黒会唯一の若手実働部隊と縁組出来れば」若頭


双方徳のある縁組だ。


(よしっこれで・・)純也


そう簡単に三州がウチに攻撃は出来んだろ。

三州と淡路の人数はほぼ互角。敵には回したくないはずだ。


(飛ばすか・・)純也


ヒットマンを・・一撃必殺で大刀を・・

いや・・

大刀と堂嶋はどうしても生け捕りたい。

奴等には絶望を味合わせて泣きながら媚びる姿を・・


だが向こうも相当な警戒をしてるはずだ。

向こうがヒットマン飛ばしてくるとしたら・・


(流川のハーバードの田平が濃厚・・)純也


唯一大した仕事もしてないし、大刀に付くのも遅かった。

水沢さんをやったのは多分堂嶋。ジュリナを餌にして。

この二人は一度走ったのだから次はないだろう。


やはり田平を一番警戒すべき。

それに奴は流川の隅から隅まで知っている・・


「もうとんぼ返りですか?よければ一杯」花元

「いえっ・・すぐに本家に戻る用がありまして」若頭


「・・・・・ご苦労様です・・・」純也


なんなら・・せっかく広島来たんじゃけ遊んで帰りゃええのに・・


そして淡路から客も帰り夜になって・・


「すいません店で品のないお客が・・」黒服

「ふむ・・すぐに向かわそう」花元


みかじめを頂いてる流川のキャバクラからの相談

すぐに向かうは・・


「なんならぁ!おどれは!」純也


爆弾・・

相手が誰とかおかまいなし・・


「何やねんお前!こっちは客やで!」


関西弁・・


「たいぎぃんじゃ!おどれは!」純也

「がはぁ!」


すぐに店から叩き出す純也

圧倒的パフォーマンス。


だが路上に転がるこの客の胸元からチラリと見える刺青・・


「・・・乗せろ」純也

「はいっ」若衆


車にこの酔客を押し込み走り出す。


くそっ・・ヤクザもんやったか?

淡路じゃないじゃろうの?ただの半グレであってくれや・・


そしてあの大刀の私有地に向かい


(ふふ・・)純也


なんて便利なとこじゃ。捨て放題じゃ。

困るじゃろ?一つでも死体が出れば?

警察にも言えんわな。くくく・・


「お前どこじゃ?」純也

「くっ!わしゃ神戸じゃぞ!こんなことして!」


神戸か・・そうか、そうか・・


「埋めろ」純也

「ちょっ!待てや!ぐぶっ!」


尚更都合ええわ。大刀の私有地に神戸の組員?最高じゃないか。

まぁ最初から淡路以外じゃったら殺しとったけどのぅ


「・・・頭っ」若衆

「なんじゃ?」純也


埋めてて気づいた事だが・・

何か前と少し景色・・

というより明らかに何か埋めて盛ったような跡が近くにある。


「・・・掘ってみぃ!」純也

「はい」若衆


入口は見張っとる。もし誰か来ても逆の山中から逃げる事は出来る。

何か気になる・・この盛られた土が・・


そしてやはり出てくる死体・・

そしてそれが・・


「うっ・・」若衆

「嘘じゃろうが!?ジュリナかぁ!!?」純也



ど、どうなっとるんじゃ・・

頭イカれてんのか大刀は!?


俺よりイカれとる・・自分の女じゃろうがジュリナは・・

しかも・・


「生きたままか!?」純也

「多分・・この体勢だと・・」若衆


くっ・・


きっとこれはメッセージ・・

大刀からの強力な・・


お前だろ純也?ここにジュリを生き埋めにしたのは?

非道じゃのぅ・・・・まぁワシほどじゃないけどのぅ・・


くく・・・さぁ揺さぶられろや・・

怯み、隙が出来た時がお前のやられる時じゃ・・


「くっ埋めなおせ」純也


くそっ!ジュリナの死体が見つかれば、この神戸も死体も見つかる・・

ワシがここに来るのを分かっとったな・・


くそっ・・


くそぉ・・


くそぉおおおおおおおお!!

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