新しい顔・・
「お疲れ様ですっ!」黒服
「お疲れ様ですっ!」黒服
「おう。」大刀
流川を歩けば、すべてが俺に沈んでいく景色・・
「あっ!大刀さんっよろしいですか?」キャバ穣
「おうっなんじゃ?」大刀
やはり水沢を殺したのが、この物語のエンディングだった。
「ウチのママからこれを・・」キャバ穣
「おう。ありがと」大刀
やはり出る・・みかじめ以上の金・・
お祝いだとか、応援費だとか様々な金。
「あっ!『代表』っ!今よろしいですか?」キャバ穣
「おうっ」大刀
謳歌。極道の華を。
「ふふ・・」大刀
「今夜、絶対電話してくださいよ!」キャバ穣
巻かれる・・・
誰もが我先にと大刀に巻かれだす。
俺が一番魅力的に人を引き寄せるのは・・
ひそっ・・
「・・・ワンチャン日本のトップまであるぞ・・」
「・・神戸が挨拶に来たらしいぞ・・」
まだ上があるというポジションだ。
各組織でも次や次の次が狙える位置の人間に一番金や人が集まる。
今はもう代表だがまだ組織が大きくなるという上がまだある。
「・・突き抜けたな・・」
「・・かっこええわ・・」
これがゾーンなのか?離れた夜の住民の小声、噂話まで聞こえてくる。
いや・・浮かれまい。まだわずかに不安案件がある。
しばらく歩いて・・
この流川は今は俺の縄張りだ。だがそれもここまで。
この道路を渡れは向こうは八丁。
今は少しでも不安な場所には近づかまい・・
くそっ!吸え言うたじゃろうが・・
そんなに儲かるんかユーチューバーってのは・・
2億あっさり積んで共黒会の幹部になりおって・・
腐った幹部連を作り上げたワシも悪いが・・
「これも時代なんじゃの・・」大刀
昨日までカタギだった若造がヤクザ社会に入ってすぐに本家の幹部・・
まぁ東京じゃあタレントやラッパーが組員やってる話は聞くが・・
問題はそいつが本物かどうかだ。
暴力団は1%に満たない武闘派と、虎の威を借り一般人を脅す99%の狐だ。
正直今増えている三州の新規参入者もほとんどがそうだ。
虎の威を借りて小銭を稼ぐチンピラがほとんどだ。
少し大きな組が雪だるま式に増えていく事は過去にも今にも多々ある。
殺しの軍団・・ヤマケンにあらざれば・・岐阜弘道・・
花元も若いうちはそれなりに悪かったみたいじゃが・・
ただ奴はまだ底が見えぬ金がある。
たとえ一人親方でも金でヒットマンは雇える。
だが若者に人気があるだけじゃシマの管理は無理じゃ。
やはり実働する若者が居ないことにはシノギは出来ない。
八丁は堂嶋とジュリでガチガチだ。
八丁のシノギはすべてうちに入ってくる。
もうひっくり返らん・・
大体貫目も何もかもワシに到底届かない。
ウチと揉める正当な理由もない。
やはりもし恐れるならヒットマン・・
「・・・・・・・・・」大刀
戻ろう流川に。今は堂嶋も用心の為に身柄をかわさしてる。
もし目撃者やカメラに写っていたら困るからだ。
2,3週間してウチに堂嶋出せと刑事が来なければ大丈夫だ。
所轄から『誰か出してく』れと言われたら、
金のないウチのポンコツ組員懲役に行かせとけばいい。
そして今一番の問題はジュリと連絡が取れない・・・
自らそんな事をするタイプでもない・・
「まぁそうじゃろうのぅ」大刀
俺がそっちの立場ならそうするじゃろ・・
気づいたか?
「攫いやがったな花元よ」大刀
ワシのかわいいジュリを・・
くそっ!ジュリナも今は動ける体じゃないしのぅ・・
信用できる駒がない・・今は・・
八丁の動向が気になるが今は他の者に任せとこう。
そして数日して刑事が事務所にやって来て・・
「誰か出してくれんか大刀よ」刑事
「ウチではないんですがねぇ・・・」大刀
水沢殺しの件だ。
こう言ってくるって事は犯人が誰だか分かってない。
「うまいこと処理するけん頼むわい」刑事
「ふぅ・・分かりました・・」大刀
個人的犯行という事でウチの元組員を出頭さす事に。
これで自由に堂嶋は復帰できる。
だが・・
「まだ電源切ったままか・・」大刀
用心の為、堂嶋の携帯の電源は切らしたままだ。
そして・・
『タダイマデンワニデラレマセン・・』
まだジュリも繋がらない。そして病院のジュリナも・・
ジュリナが繋がらない・・・
あの頭のいいジュリナが携帯に出られない・・
「・・・刑事か。」大刀
多分刑事がジュリナに張り付いてる。
俺と不要な会話を盗聴されないようにしてるはず。
この水沢の件が終われば刑事も外れるはずじゃが・・
別件・・・
別件で何かを探っている・・
なんじゃ?なんのタレコミがあった?
なんじゃ?急に危うくなったぞ、この数日が・・
何が動いてる?もしかして・・
「♪ピピピピピ」
そして大刀のなんてことない携帯の着信音が鳴り・・
(・・・死体処理班・・)大刀
北九州の兄弟に借りてる死体処理に詳しい者からの電話。
「おうっどうした?」大刀
『あ、ご苦労様です』
今、新しく穴を掘っておこうと、
大刀さんの私有地に来てるんですが・・・
あの山奥の私有地・・
こないだ埋められてるか確認しに行った場所・・
それがですね大刀さん・・・
『・・・・・腐敗臭がします・・・・あの場所から・・』